牛肉の賞味期限がきれても食べれるの!?賞味期限の根拠とは?

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お肉のラベル表示には、賞味期限や消費期限が表示されています。

賞味期限とは「おいしく食べれる期間」をいい。

消費期限とは「品質が保てる期間」をいいます。

牛肉が腐っている見分ける方法としては、臭い、色合い、ネト感や発泡、ドリップの濁りがあります。

腐敗しているかどうかの判断をするうえで重要なポイントとなっています。

この記事を読むとわかること

  • 牛肉の賞味・消費期限の根拠。
  • 牛肉の品種よる色合いの違い。
  • 腐っているのか判断するにはどうすればよいのか。

賞味・消費期限の根拠(ガイドライン)、どのような牛肉がよくないのか判断材料としてご紹介していきます。

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保存方法ついては下の記事を参考にしていただければと思います。

牛肉を取り扱う上で抑えておくべき冷凍方法と解凍方法ある?

目次

牛肉の賞味期限・消費期限を過ぎると食べない方がいい

牛肉には消費期限・賞味期限が設けてあり、精肉店などの対面販売の場合は、ラベル表示されていないものがあります。

購入する際は、必ず確認をとることが必要です。

熟成肉については現在の法律での規制などが明確に決まっていないため、断言することはできません。

熟成とは古来からある「おいしさ」を引き出すための手法ではありますが、念のため必ず確認をとる必要があります。

熟成肉については下の記事を参考に!

松阪牛を熟成するとよりおいしくなるのか?

賞味期限・消費期限の根拠とは?

牛肉の賞味期限の判断を決定する場合には、きちんとしたガイドラインが設けられています。

目 的
このガイドラインは、食肉を加工・販売する者が、食品衛生法第19条の規定により、食肉に消費期限又は賞味期限を表示することに当たり、その期限の設定を科学的・合理的に行うことにより、食肉が消費者、使用者等に適切に利用され、その安全及び衛生が確保されることを目的とする。

なお、このガイドラインは、期限設定の標準的な方法を定めたものであり、ここに示した方法に加え、これ以外の科学的・合理的な方法によって期限を定めても差支えない。

出典 期限表示のための試験方法ガイドライン〔食肉(食肉加工品(半製品)を含む。〕 食肉加工協会

牛肉においては、法規に沿って賞味期限をきちんとした根拠に基づいて示さなければなりません。

卸業者などは、科学的根拠を示すために賞味期限の根拠をとっています。

牛肉の肉質変化

牛肉のバックデータ

法規ガイドラインに沿って菌の増体や官能検査し、賞味期限の根拠となる試験データはとっていることが多いです。

 



牛肉が腐っている判断方法とは?

一般家庭においては、賞味期間内においても食べられるかどうかの判断する場合「色あい」「ネト感や発泡」「ドリップの濁り」「臭い」を判断する基準にするとよいでしょう。

ただし、牛肉の品種によっては色合いが違います。

和牛と交雑とホルスタイン肉の違い

左から「ブランド牛」「和牛」「交雑種」「ホルスタイン」

 

一般的には、色で判断しにくいので水分にぬめりがあったり、臭いで判断したほうがよいでしょう。

肉の腐っている色合いについて

緑色、褐色に変色している場合がありますが、それは食べてはいけない危険信号になります。

ただし、買ってきたばかりのお肉なのに色が濃くなっている部分とそうでない場合があります。

特にお肉とお肉の重なりあった部分にあらわれますが、腐っているものではありません。

新しいお肉においては濃い赤い色をしていますが、酸素と結合することによりピンク色に変化していきます。

これをブルーミングといいます。

重なりあったお肉には酸素が触れることができず色が変化しないため、重なりあった部分だけ色が黒っぽくなることがあります。

牛肉のネト感や発泡について

牛肉が変敗(腐っていく状態)していきますと、納豆のようなネト感がでてきます。

粘り気がある糸のようなものがでてきますが、ここまでくると腐っていることは間違いありません。

また、ぶつぶつのような気泡がたってきますので、注意する必要があります。

牛肉のドリップの濁りについて

牛肉には、もともと水分が多く含まれています。

特に「もも部位」に多く、「バラ部位」がもっとも少ないものになります。

菌の繁殖要因の一つには「水分」がありますが、もも部位にはもっとも多く水分が含まれているため、とくに変色のスピードが早い(腐りやすい)部位になります。

この水分は、栄養分も多く含まれているため健康的な赤身肉としては大切な部位となりますが、特に薄切り(しゃぶしゃぶ用、すき焼き、切り落としなど)にしたものは、期限内であっても早めに食べた方がよいでしょう。

また、この水分は時間がたつと肉から染み出し、でてくるのがドリップといわれるものです。

牛肉がカットされてどのくらい時間がたったかの判断にもなります。

このドリップの色合いが濃いもの(にごり)だと危険な状態となっています。

ただ一般的には、牛肉の染み出した水分が「ドリップ」と言われますが、本来は冷凍した肉が解凍されたときに出る水分を「ドリップ」と呼び、冷蔵していた牛肉からでたものを「ウィープ」と呼びます。

ただし、解凍後は氷結した牛肉の水分が水としてでますので、ドリップは悪いモノとは限らないのですが大切なのはドリップの色合いが着目すべき点になります。

解凍したら早めに食べることをおすすめします。

 

牛肉から出てくる汁については、次の記事を参考にしていただければと思います。

牛肉の赤黒い汁の正体とは一体何!?肉のプロが解説します!



牛肉の腐っている臭いについて

他の判断より一番早く判断できるものが「臭い」になります。

肉の臭いには、さまざまありますが腐敗したときは必ず違う臭いがたちます。

牛の品種によって臭いはことなりますが、基本的には牛は食べているエサによって香りに違いがでます。

穀物飼料の場合は芳醇な香りがしますが、乳用種のように稲わらなどを食する場合は草の臭いや乳の臭いがします。

腐敗した場合は、酸味のある「ツーン」と鼻につく臭いがしますのでこの臭いがしたときは要注意になります。



まとめ

牛肉の賞味期限の表示には、法規によって義務付けらていますが、根拠の一つとして科学的根拠が用いられています。

これは、「臭い」「肉の色合い」「ネト感や気泡」「ドリップの濁り」の官能検査から菌の増体量によって賞味期限の日数が決められています。

検査の方法として、冷蔵で40日間の賞味期限を定めている場合は、日数×1,25倍の検査期間を設け、定められた基準温度で官能検査と菌の増体から可食ができるか判断しています。

また、企業によってきちんと検査(バックデータ)を行い、公開されているところもあります。

牛肉関連の食中毒事件を多く取沙汰されていますが、多くの企業では「安心と安全」をテーマに信頼回復にむけて様々な努力をされていますので、仕入れや購入する上で安心して購入されれば幸いかと思います。

また、個体識別番号によってどのような期間を経て牛が育ち、いつと畜されたのかわかります。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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