「ホルスタインのサーロインは和牛と何が違うのか」
「ホルスタインサーロインは硬いのではないか」
「業務用のステーキやスライス原料として使えるのか」
このように感じている飲食店、精肉店、惣菜製造業者、食品メーカーの方も多いのではないでしょうか。
サーロインは牛肉の中でも知名度が高く、ステーキやローストビーフ、スライス商品などに使われる部位です。しかし、同じサーロインでも、和牛、交雑牛、ホルスタイン、輸入牛では、肉質、脂の入り方、味わい、肉厚、価格帯、向いている用途が異なります。
ホルスタインサーロインは、和牛サーロインのような霜降りや濃厚な脂の甘みを前面に出す牛肉ではありません。一方で、赤身が多く、国産牛原料として活用できるため、用途を決めて使えば業務用でも検討しやすい部位です。
この記事では、ホルスタインサーロインと和牛サーロインの違い、硬い・まずいと言われる理由、業務用での活用方法、仕入れ判断のポイントを食肉卸の視点から解説します。
ホルスタインサーロインと和牛サーロインの違い
ホルスタインサーロインと和牛サーロインの違いは、品種や飼養目的、肉質、脂の入り方にあります。
和牛サーロインは、サシが入りやすく、脂の甘みややわらかさを感じやすい部位です。一方で、ホルスタインサーロインは赤身が多く、脂の入り方は控えめです。そのため、和牛と同じ使い方をすると、硬さや淡白さが気になる場合があります。
ただし、これはホルスタインサーロインが劣っているという意味ではありません。業務用では、メニュー価格、原価率、提供方法、加工方法に合わせて牛肉を選ぶことが重要です。

和牛サーロインの特徴
和牛サーロインは、サシが入りやすく、肉質がやわらかい傾向があります。加熱したときに脂の甘みや香りを感じやすく、ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ、焼肉、高単価メニューに向いています。
肉厚があり、ステーキにしたときの盤面も大きく見えやすいため、見た目の価値を出しやすい部位です。
一方で、和牛サーロインは仕入れ単価が高くなりやすく、業務用では販売価格やメニュー単価に反映しなければ原価率が高くなることがあります。
高級感や霜降り感を前面に出したい場合には向いていますが、日常使いの定食、弁当、惣菜、加工原料としては原価管理が難しくなる場合があります。


ホルスタインサーロインの特徴
ホルスタインサーロインは、和牛サーロインと比べると赤身が多く、サシは控えめです。味わいはあっさりしており、脂の甘みよりも赤身の風味を活かす牛肉です。
一方で、肉のキメや肉厚、盤面には注意が必要です。和牛と比べると肉質が硬く感じられる場合があり、厚切りステーキでは火入れやカット方法によって食感に差が出ます。
そのため、ホルスタインサーロインは「和牛の代替品」としてそのまま使うよりも、赤身系の国産牛サーロインとして、用途を決めて使うことが重要です。
たとえば、薄めのステーキ、タリアータ、ローストビーフ、スライス、牛肉定食、味付け焼き、惣菜用原料などに活用しやすい場合があります。

交雑牛・輸入牛サーロインとの違い
交雑牛サーロインは、和牛と乳用種の中間的な特徴を持つことがあります。和牛ほどではないものの、脂の入り方ややわらかさを出しやすく、ステーキやスライス用途で使いやすい場合があります。
輸入牛サーロインは、価格や供給量の面で業務用に使いやすい牛肉です。ステーキ、ローストビーフ、焼肉、加工品など幅広く使われます。ただし、国産牛としての訴求をしたい場合や、国産原料を使いたい商品設計では、ホルスタインサーロインが選択肢になります。
ホルスタインサーロインは、和牛ほど高単価で打ち出す牛肉ではありませんが、国産牛原料として赤身系メニューや業務用商品に活用しやすい特徴があります。
業務用では「どちらが上か」ではなく用途で選ぶ
業務用仕入れでは、和牛サーロインとホルスタインサーロインを単純に上下で比較するのではなく、用途で選ぶことが大切です。
高単価のステーキや霜降り感を売りにするメニューであれば、和牛サーロインが向いています。
一方で、国産牛を使った赤身メニュー、定食、ローストビーフ、スライス、惣菜、加工原料として考えるなら、ホルスタインサーロインも検討できます。
重要なのは、仕入れ単価だけでなく、メニュー価格、歩留り、仕込み時間、提供方法、販売先のニーズまで含めて判断することです。
ホルスタインサーロインが硬い・まずいと言われる理由
ホルスタインサーロインが「硬い」「まずい」と言われることがありますが、多くの場合は肉質と用途が合っていないことが原因です。
和牛のような脂の甘みややわらかさを期待して使うと、ホルスタインサーロインは物足りなく感じられることがあります。
しかし、赤身の多さやあっさりした味わいを理解し、火入れ、カット、味付け、メニュー設計を工夫すれば、業務用原料として活用できる場面があります。
サシが少なく赤身が多い
ホルスタインサーロインは、和牛サーロインと比べるとサシが少なく、赤身が多い傾向があります。
そのため、和牛のような濃厚な脂の甘みや口どけを期待すると、淡白に感じられる場合があります。
ただし、赤身が多いことは欠点だけではありません。赤身系ステーキ、タリアータ、ローストビーフ、スライス、味付け商材などでは、脂の重さを抑えたメニューづくりに活用できます。
肉厚・盤面に差が出やすい
ホルスタインは、和牛と体格や肉の付き方が異なるため、サーロインの肉厚や盤面に差が出る場合があります。
ステーキカットをしたときに、和牛サーロインほど厚みや大きな盤面が出にくいことがあります。見た目の迫力を求めるステーキメニューでは、この点に注意が必要です。
一方で、スライス、薄めのステーキ、ローストビーフ、カット済み惣菜などでは、肉厚や盤面の課題を調整しやすくなります。
厚切りステーキでは火入れに注意が必要
ホルスタインサーロインを厚切りステーキとして使う場合は、火入れに注意が必要です。
加熱しすぎると水分が抜け、硬さを感じやすくなる場合があります。焼成後の休ませ方、カット幅、提供温度、ソースとの組み合わせによって、食感や味わいの印象が変わります。
厚切りでやわらかさを前面に出すよりも、薄めのステーキ、カットステーキ、タリアータ、ソースを合わせた定食メニューなどにすることで、使いやすくなる場合があります。
用途を間違えると評価が下がりやすい
ホルスタインサーロインは、和牛と同じメニュー設計で使うと評価が下がりやすい部位です。
たとえば、「霜降り」「とろける食感」「脂の甘み」を売りにするメニューでは、和牛と比較されてしまいます。
一方で、「国産牛赤身」「あっさり食べられる牛肉」「ソースと合わせたステーキ」「ローストビーフ」「スライス惣菜」として設計すれば、特徴を活かしやすくなります。
ホルスタインサーロインは、まずい牛肉ではなく、用途設計が必要な牛肉です。
ホルスタインサーロインを業務用で活かす考え方
ホルスタインサーロインを業務用で活かすには、単価だけでなく、歩留り、仕込み時間、カット方法、メニュー単価まで含めて考える必要があります。
特にBtoBでは、牛肉そのものの味だけでなく、現場で使いやすいか、原価計算しやすいか、商品化しやすいかが重要です。
単価だけでなく実質原価で見る
牛肉の仕入れでは、kg単価だけを見ると判断を誤ることがあります。
たとえば、仕入れ単価が安くても、整形ロスが多い場合や、カット後に使いにくい部分が多い場合、実際に使える部分の原価は上がります。
実質原価を考える場合は、以下のように計算します。
実質原料単価 = 仕入単価 ÷ 想定歩留り
たとえば、税抜仕入単価が2,400円/kg、想定歩留りが90%の場合、実際に使える部分の実質原料単価は約2,667円/kgになります。
※上記は計算例です。販売単価・仕入単価は税込・税抜の前提を必ず確認してください。
※想定歩留りは商品規格、整形状態、カット方法、用途によって変わります。
※運賃、調味料、人件費、光熱費は含まず、牛肉原料のみで試算しています。
ステーキだけでなくスライス・ローストビーフにも使う
サーロインというとステーキをイメージしやすいですが、ホルスタインサーロインはステーキだけで考えない方が使いやすくなります。
薄めのステーキ、カットステーキ、タリアータ、ローストビーフ、焼きしゃぶ風、スライス、牛肉定食、味付け焼きなどに展開することで、赤身の特徴を活かしやすくなります。
特にローストビーフやスライス用途では、火入れとカットを工夫することで、あっさりした赤身感を活かした商品設計ができます。
味付け・ソース・カット幅で価値を出す
ホルスタインサーロインは、和牛のように脂の甘みだけで勝負する牛肉ではありません。
そのため、ソース、タレ、スパイス、だし、付け合わせとの組み合わせが重要です。
飲食店では、和風ソース、ガーリックソース、玉ねぎソース、赤ワインソースなどと合わせることで、赤身のあっさりした味わいを補いやすくなります。
精肉店や惣菜製造では、味付けステーキ、味付けスライス、ローストビーフ惣菜、弁当用牛肉惣菜として展開できます。

整形済み・規格品は仕込み効率を高めやすい
業務用では、仕入れた肉を現場でどれだけ手間なく使えるかも重要です。
整形済みや規格が整った商品は、仕入れ単価だけを見ると高く感じる場合があります。しかし、整形時間、端材処理、脂やスジの除去、廃棄ロスを考えると、現場の実質コストを抑えやすい場合があります。
人手不足の飲食店や惣菜製造現場では、仕込み時間の削減は大きなメリットです。ホルスタインサーロインを仕入れる際も、肉厚、盤面、整形状態、カットしやすさを確認することが大切です。

業態別|ホルスタインサーロインの活用例
ホルスタインサーロインは、業態によって活用方法が変わります。
飲食店、精肉店、惣菜製造業者、食品メーカーでは、求める規格や商品化の方法が異なります。仕入れる前に、どの用途で使うかを明確にしておくことが大切です。
飲食店向け|ステーキ、定食、タリアータ、ローストビーフ
飲食店では、ホルスタインサーロインを国産牛赤身メニューとして活用できます。
厚切り高級ステーキよりも、薄めのステーキ、カットステーキ、タリアータ、ローストビーフ、牛肉定食などに向いています。
あっさりした赤身感を活かし、ソースや付け合わせで満足感を出すと、原価管理しながら国産牛メニューを作りやすくなります。
メニュー名では、「国産牛赤身サーロイン」「国産牛サーロインステーキ」「国産牛ローストビーフ」など、国産牛としての価値を伝える表現が使いやすいです。

精肉店向け|国産牛赤身サーロイン、ステーキ用、スライス用
精肉店では、ホルスタインサーロインを和牛サーロインの代替として売るよりも、赤身系の国産牛サーロインとして提案する方が伝わりやすくなります。
ステーキ用、カットステーキ用、焼きしゃぶ用、スライス用、味付け用として展開できます。
売場では、「国産牛赤身」「あっさり食べやすい」「ステーキ・ローストビーフ用」など、用途がわかる表示をすることで、お客様が選びやすくなります。
また、味付け商材として販売すると、ホルスタインサーロインの淡白さを補いやすくなります。
惣菜製造業者向け|ローストビーフ、弁当、牛肉惣菜
惣菜製造業者では、ホルスタインサーロインをローストビーフ、弁当用牛肉惣菜、カットステーキ惣菜、味付け焼き惣菜などに活用できます。
特に、ローストビーフやスライス惣菜では、赤身の多さを活かしやすくなります。
製造現場では、規格の安定性、歩留り、加熱後の縮み、スライス後の見た目、1食あたりの原価が重要です。
仕入れ時には、ブロック形状、肉厚、脂の状態、カット後の歩留りを確認しておくと、商品設計がしやすくなります。
食品メーカー・加工業者向け|スライス原料、コマ材、味付け加工
食品メーカーや加工業者では、ホルスタインサーロインをスライス原料、コマ材、味付け加工品、冷凍惣菜、業務用キット商品などに活用できます。
サーロインは部位名としての認知度が高いため、商品名に使いやすい反面、食感や品質への期待値も高くなります。
そのため、厚切りで使うのか、スライスで使うのか、カットして使うのか、味付け加工にするのかを明確にする必要があります。
加工業者では、規格、ロット、脂の状態、スライサー適性、加熱後の歩留りを確認して仕入れることが大切です。

ホルスタインサーロインを仕入れるときの注意点
ホルスタインサーロインを仕入れる際は、価格だけでなく、肉厚、盤面、整形状態、歩留り、用途との相性を確認することが重要です。
「安いから仕入れる」のではなく、「自社のメニューや商品に合うから仕入れる」という判断が必要です。

肉厚・盤面を確認する
サーロインは、ステーキやスライスにしたときの見た目が重要な部位です。
ホルスタインサーロインは、和牛サーロインと比べて肉厚や盤面に差が出る場合があります。
ステーキ用に使う場合は、カット後のサイズ、厚み、見た目を確認しましょう。
ローストビーフやスライス用途で使う場合も、ブロック形状やスライス後の見た目が重要になります。
歩留りと整形ロスを確認する
仕入れ時には、想定歩留りを確認することが大切です。
脂、スジ、不要部分が多い場合、kg単価が安くても実際に使える部分の原価は上がります。
反対に、整形済みの商品はkg単価が高く見えても、仕込み時間や廃棄ロスを抑えやすい場合があります。
サーロインは単価が高くなりやすい部位なので、歩留りとロスの確認は特に重要です。


税込・税抜、運賃、加工条件を確認する
業務用仕入れでは、表示価格が税込か税抜かを確認しましょう。
また、運賃、加工賃、ロット条件、納品形態、冷蔵・冷凍の違いも、実際の原価に影響します。
原価計算をする場合は、牛肉原料のみで見るのか、運賃、人件費、調味料、光熱費まで含めるのか、前提を明確にすることが大切です。
メニュー価格から逆算して仕入れる
ホルスタインサーロインを使う場合は、仕入れ単価から考えるだけでなく、販売価格から逆算することも重要です。
たとえば、飲食店であれば、1食あたり何g使用するのか、ソースや付け合わせを含めた原価率はどの程度か、販売価格はいくらにできるのかを確認します。
精肉店であれば、ステーキ用、スライス用、味付け用で販売単価が変わります。
惣菜製造では、1パックあたりの使用量、加熱後歩留り、販売価格、廃棄ロスを含めて判断します。
五十嵐商会が扱う国産牛ホルスタイン経産牛の商品群
五十嵐商会では、国産牛ホルスタイン経産牛を中心に、飲食店、精肉店、惣菜製造業者、食品メーカー向けの業務用原料を取り扱っています。
ホルスタイン経産牛は、和牛のような霜降りを前面に出す牛肉ではありません。だからこそ、部位ごとの特徴を理解し、用途に合わせて使うことが重要です。
ホルスタイン経産牛を用途別に提案
五十嵐商会では、ホルスタイン経産牛を、単に部位として販売するのではなく、用途に合わせた原料として提案しています。
たとえば、ローストビーフ用、スライス用、牛すじ、牛正肉、惣菜用原料、加工用原料など、業態ごとに使いやすい形があります。
サーロインについても、ステーキだけでなく、スライス、ローストビーフ、カットステーキ、味付け商材など、用途に合わせて検討することが大切です。
サーロイン以外の商品も用途に合わせて確認
ホルスタイン経産牛を仕入れる際は、サーロインだけでなく、他の部位も含めて検討すると、商品設計の幅が広がります。
ローストビーフ用であれば、うちももなどの赤身部位が向いている場合があります。
煮込みやカレーであれば、うでや牛すじが使いやすい場合があります。
加工原料であれば、牛正肉やコマ材が候補になります。
サーロインにこだわりすぎず、用途に合う部位を選ぶことが、原価管理と粗利改善につながります。

Mマートで商品一覧を確認できる
五十嵐商会の商品は、Mマートの商品一覧から確認できます。
国産牛ホルスタイン経産牛の商品群として、ローストビーフ用、スライス用、牛すじ、牛正肉、惣菜用原料、加工用原料などを掲載しています。
最新の価格、規格、ロット、在庫状況はMマートの商品一覧でご確認ください。
ホルスタインサーロインや関連する国産牛原料を検討する際は、自社の用途、メニュー、歩留り、仕込み時間、販売価格に合う商品を確認することが大切です。
まとめ|ホルスタインサーロインは用途を決めて使うことで価値が出る
ホルスタインサーロインと和牛サーロインは、同じサーロインでも特徴が異なります。
和牛サーロインは、サシ、脂の甘み、やわらかさを活かした高単価メニューに向いています。
一方、ホルスタインサーロインは、赤身が多く、あっさりした味わいが特徴です。和牛と同じ使い方をすると硬さや淡白さが気になる場合がありますが、用途を決めて使えば、国産牛原料として業務用に活用しやすい部位です。
飲食店では、赤身系ステーキ、タリアータ、ローストビーフ、定食メニューに。精肉店では、国産牛赤身サーロイン、ステーキ用、スライス用、味付け商材に。惣菜製造業者では、ローストビーフ、弁当用牛肉惣菜、カットステーキ惣菜に。食品メーカーでは、スライス原料、コマ材、味付け加工品に活用できます。
業務用で仕入れる際は、価格だけでなく、肉厚、盤面、整形状態、想定歩留り、仕込み時間、販売価格まで含めて判断することが大切です。
五十嵐商会では、国産牛ホルスタイン経産牛を中心に、業務用原料をMマートに掲載しています。
自社のメニューや製造用途に合う商品があるか、Mマートの商品一覧で現在掲載中の商品をご確認ください。




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