【牛肉の卸が語る】牛肉の部位の一番安いところはどこ!?

「一番安い部位を仕入れたい」と思っても、kg単価だけでは利益が残るか分かりません。そともも、すね、切り落としなどが候補になりますが、品種・等級・整形状態・ロット・時期によって価格の順序は変わります。

牛肉は、子牛の生産・肥育・と畜・枝肉取引・部分肉加工・卸売・精肉加工などを経て流通します。取引経路や加工内容によって諸経費も変わります。

この記事では、既存の過去相場資料を残しながら、仕入れ判断で確認したい価格条件と実質原価を整理します。下の相場画像は2013年7月~2016年4月の資料で、2020年3~4月の追記とも、2026年現在の販売価格とも異なります。

目次

枝肉相場と部分肉の取引価格を分けて考える

市場の枝肉価格は取引の指標の一つですが、全国の販売価格が一律に決まるわけではありません。相対取引などもあり、地域、品質、需給、契約条件で価格は変わります。

枝肉kg単価は骨や脂肪等を含む枝肉重量に対する価格で、整形した部分肉のkg単価や精肉の小売価格とは分母が異なります。直接比較せず、加工歩留まり・副産物評価・加工費などを分けて考えます。

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実際の枝肉の競り場
実際の枝肉の競り場

ここからは旧掲載の相場資料です。対象は2013年7月~2016年4月、部分肉は首都圏チルドの和牛「3」・交雑牛「3」・乳牛「2」、参考の枝肉は東京市場の和牛去勢A-3・交雑牛去勢B-3・乳牛去勢B-2です。表の単位は円/kg・%で、税込価格です。

同じ年月・部位・地域・温度帯でも等級が異なるため、品種だけによる価格差や現在の安値順位を証明する比較ではありません。出典表記は部分肉が日本食肉流通センター「年報・業務月報」、枝肉が農林水産省「食肉流通統計」です。

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和牛の過去相場|2013年7月~2016年4月

「資料 : 部分肉価格(センター「年報・業務月報」)、枝肉価格(農林水産省「食肉流通統計」)

旧資料の和牛チルド「3」(首都圏)では、2016年4月のそとももが3,484円/kgと記載されています。従来の「現在約3,500円/kg」はこの過去資料の説明であり、2026年現在の当社販売価格ではありません。

セットの内容や半頭/1頭分の扱いは取引規格で確認し、単品価格と同じ条件で比較してください。そとももは薄切り・加工原料・煮込み等に検討できますが、用途に合う整形と試作が必要です。

交雑牛の過去相場|同じ条件で比較する

「資料 : 部分肉価格(センター「年報・業務月報」)、枝肉価格(農林水産省「食肉流通統計」)

交雑牛は和牛と乳用種の交配などによる牛です。旧表は交雑牛チルド「3」の価格を示しますが、和牛との差を常に500円/kgとすることはできません。比較する月・部位・等級・整形状態・数量をそろえて判断します。

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乳用種の過去相場と用途の選び方

「資料 : 部分肉価格(センター「年報・業務月報」)、枝肉価格(農林水産省「食肉流通統計」)

旧表の乳牛チルド「2」と、乳牛去勢B-2の枝肉価格は、経産牛やすべての乳用種の取引価格を代表するものではありません。乳用種だから必ず最安値・硬いと決めず、月齢、個体、整形、熟成、用途を確認してください。

最新の公表値は日本食肉流通センターの部分肉価格情報で対象年月と比較条件を確認できます。本記事では未確認の最新相場への数値差し替えは行いません。

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まとめ

「一番安い部位」は固定ではありません。必要な料理に使える重量と加工時間まで含めて選ぶことが大切です。

使用可能部分の原料原価は「仕入kg単価÷整形歩留まり」で考えます。計算の仮定例として、1,800円/kgで整形歩留まり80%なら2,250円/kgです。現在価格や当社の実測歩留まりではありません。加熱後に提供する商品なら、加熱歩留まりとスライス端材、送料・加工費・包材費を別に加えて1人前原価を確認します。

歩留まりと経費を含む原価計算、業務用牛肉の仕入れ比較を参考に、五十嵐商会のMマート商品一覧で用途に合う商品を選んでください。現在の価格・規格・ロット・送料・在庫・納期は購入時点で確認します。

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過去の追記|2020年3~4月当時の記録

以下は旧記事に掲載した2020年3~4月当時の市場に関する所感です。個別の公表系列・比較条件は確認できていないため、価格変動の確定統計や2026年の市場状況としては扱いません。

牛肉の価格が高騰しつつある中、2020年3月時点で新型コロナウイルスによる牛肉の価格は減少しつつあります。

ただし、買い需要は高価な和牛や交雑牛ではなく、ホルスタイン経産のような安価なものにシフトしています。

それは、ミンチ材やこま切れなどの需要が高くなっているものと思われ、2020年4月では和牛、交雑牛はかなりの安価に。和牛経産やホルスタイン経産は横ばいかもしくは価格が上がり傾向にあります。

部分肉では、多くの卸業者の在庫に残りやすいものがロイン系(サーロイン、リブロース、ヒレ)になり、部分肉の相場より価格が大きく下落しています。

この追記は当時の所感として保存しています。現在の購入判断は、最新の見積りと販売条件で行ってください。

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業務用牛肉の仕入れをご検討中の方へ

五十嵐商会では、国産牛ホルスタイン経産牛を中心に、飲食店・精肉店・惣菜製造業者・食品メーカー向けの業務用原料を取り扱っています。

用途、部位、歩留り、原価管理を確認しながら、自社に合う商品をご検討ください。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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