牛肉のステーキでインジェクションステーキとは一体なに!?

gyuuniku sute-kidon
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さまざま牛肉の流通の中で、インジェクションステーキをみかけたことがありますか?

牛肉のステーキには、数多くの種類があります。

大きくわけて品種別と牛肉の部位別になります。

例えば和牛ステーキ、国産牛ステーキ。また、サーロインステーキやイチボステーキといった形で販売されているかと思います。

さまざまなステーキの中で「インジェクションステーキ」とは言った何か?

についてご紹介していきます。

この記事を読むとわかること
  • 牛肉のインジェクションステーキとは一体何か?
  • インジェクションステーキのメリットとは?
  • どのようにしてつくられているのか?
  • インジェクションステーキの見分け方
  • インジェクションステーキを購入する前と購入した注意点とは?


以上の内容をご紹介していきます。

 

目次

牛肉のインジェクションステーキは「うまい」を追及した新たなステーキ!

現在では、牛を生産方法の改善や品種改良によって牛肉そのものの味わいが消費者にとって受け入れやすくなっています。

和牛がうまいのは当たり前のように感じられますが、過去から先人達による試行錯誤があって現在のおいしさにつながっています。

ただ、そのような中で乳用種のように搾乳目的でつくられた牛は、「くさい」「まずい」「肉色が悪い」などと多くの販売者を困らせたことでしょう。

そこでうまれたのが、和牛とホルスタインの掛け合わせが交雑種になります。

牛肉の国産牛と和牛はなにが違うの?

和牛とホルスタインの掛け合わせですので、価格や品質も中間として国産牛肉という名前で多くの方が食しています。

ただし、牛肉の部位においてはどうしても個体差があることから品質が安定しないこと、味わいに難があるのは確かです。

そういった中で先人達はどのように考えたのでしょうか。

海外からハム・ソーセージなどの加工技術を導入し、新たな牛肉の加工品として生まれました。

その中の一つがインジェクション。

すなわち、現在のインジェクションステーキになります。

では、深堀していきます。



牛肉のインジェクションステーキとは一体何か?

インジェクションとは、注入という意味になります。

一つの製法としてあげられますが、インジェクションステーキとは牛脂を注入したものになります。

ハム・ソーセージやベーコンを作る際にはピックル液を注入したり、塩漬をする製法がありますが、牛脂注入とは牛の脂を牛肉の繊維の中に注入することになります。

なぜこのような技術が必要になるのかといいますと?

  • 過去においてサシが入っていない赤身肉は、消費者にとっていやがられていたから。
  • 硬い牛肉をやわらかくするには繊維を断ち切る必要があった。
  • 味がうすい赤身の牛肉は、脂の味わいで補うことで解決できたから。

になります。

どうしても売れない牛肉は、廃棄されます。

どのようにしたら売れるのかを追求した形が、現在の一つの加工技術として残っています。

牛肉のインジェクションステーキのメリットとは?

牛肉をインジェクションステーキにすることで、「見栄え」「安く」「やわらかく」「味がはっきりする」といったことがあげられます。

現在の流通のなかでインジェクションステーキは、輸入牛をベースに国産か和牛の脂を注入したもの、もしくは、国産牛肉に和牛の脂を注入したものがあります。

過去の輸入牛肉が臭い、硬い、まずいの三拍子がそろったものが多く、味や品質が安定しないものでした。

現在では生産の改良で、臭いは軽減し、味わいや硬さがかなり軽減されています。

ただ、まだまだ満足がいくことできないものが多く、インジェクションにすることで改善できたのです。

では、どういった製造をされているのかちょっとだけお見せします。




どのようにしてつくられているのか?

インジェクションが海外で製造方法があみだされ、日本に伝わってから約30年だといわれています。

まだ開発の途中の段階ではありますが、衛生面や品質の安定性、製造コストはかなりよくなっています。

日本ではまだ、あまり浸透はしておりません。

ただ、開発途中であった状況の中に流通しているため、商品の品質についてはかなりイメージが悪い時がありました。

現在ではインジェクションに関する商品は、安全性、利便性、味において非常に評価されるようになりました。

製造方法については、注入する牛脂を製造⇒注入器で牛脂を注入⇒牛肉を型にはめる⇒冷凍で固める。といった形になります。

上記の画像は、白い液体が牛肉の脂が液体化したところになります。

次に型にはめ形を整え包装します。

インジェクション

インジェクション

冷凍後、スライサーで牛肉をカットしてから再度個別包装し完成となります。

インジェクションステーキの見分け方とは?

インジェクションステーキと一般的にあるステーキの違いはほとんど区別がつきません。

ただし、見分ける方法はあります。

サーロインで見てみましょう。

サーロインステーキ断面

黒毛和牛ロサーロインステーキ断面

 

和牛のステーキは脂の入り具合がまばらに入るか、格子状にはいります。

サーロインのインジェクションステーキ

サーロインのインジェクションステーキ

インジェクションステーキの場合は、一点から放射状に脂が入り規則性があります。

これは、針から脂が注入されたことによりおこる現象になります。

焼いた後では、わかりづらいのですが肉が切れるというよりはほつれていく感じがします。繊維が柔らかすぎるために起こるからです。

味わいについては、輸入牛ならわかりやすいのですが、国産のサーロインステーキだとわかりにくいです。

牛脂の相性かと思いますが、一般的には輸入牛肉のサーロインに和牛脂を使って製造する事が多いのですが、肉質と脂が合わないため肉の味ではなく和牛の脂が全面にでてきます。

国産牛に和牛脂を使用すると、肉の味わいと脂の味わいのバランスが取れているので国産のステーキと味わいがわかりにくいです。



インジェクションステーキを購入前と購入後の注意点とは?

インジェクションステーキについては購入前と購入後において注意点があります。

まず、インジェクションステーキは牛脂を注入しているため、上記の画像からわかるようにサシの入りが波模様となっています。

インジェクションステーキと一般的なステーキの一番わかりやすいようになっています。

また、インジェクションステーキの流通は輸入品が多く、純国産(国産牛肉で国内で製造されたもの)というものはあまりありません。

また、製造する国内の工場は全国でも数えられるほどしかありませんので、品質に不安がある方は、信頼性のある純国産を選択されたほうがよいかと思います。

では、購入後ついては賞味期限は冷凍ですのでほぼ一年の商品が多いのですが、ブロックや部分肉でのインジェクションステーキを購入された方は、必ず開封後早めに使用されたほうがよいです。

開封後の酸化や冷凍であるため、品質劣化は非常に早いことがあげられます。

できれば、一枚ごとにカットされ真空包装されたものは使い勝手がよいです。

インジェクションステーキ真空

牛肉のインジェクションステーキは、商品によって冷凍のまま焼くことができます。

解凍による時間短縮にもつながり、早めに調理したい、早めにたべたい方にはよい商品になります。

ただ、解凍する場合については冷蔵庫内で半解凍するほうがよいです。

常温解凍や完全に解凍する場合は、冷凍した水分が外に漏れ出しうま味がにげていくことになり、焼くことによって繊維がかなりほぐれているため、ステーキ自体がバラバラになります。

以上の事を注意すれば、おいしく味わえます。




まとめ

いかがでしょうか。

インジェクションステーキとは、牛脂を注入したものになります。

製法についてはまだ、歴史が浅いため発展途上ではあります。

ただ、メリットとしては充分ありますので新たな味わいとして今後、期待したいものです。

価格については、業務用ですと一枚のサーロインステーキでワ500円以下で買えるものがあり魅力的です。

【業務用】純国産サーロインインジェクションステーキについてはこちら

ただ、注意すべき点は純国産を選ぶことが重要です。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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