【ヒレ】より希少な肉部位の【千本すじ】とは?

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突然ですが、牛肉の『千本すじ』という部位をご存知でしょうか?

千本すじとは、そとももと言う部位の一部分にすぎませんが、一頭に対してわずか数百グラムしか取れない非常に希少な部位について紹介していきます。

ヒレは部位の中でも希少とされ、高級な部位とされていますが、とれる量においては一頭に2本(1本2~4キロ)とあります。そのヒレより少ない量しかない希少な部位とは何でしょうか?

「千本すじ」とは、、、

その味わいは濃厚かつ、ホルモンのシロのような食感は『牛肉の上シロ』と言っても過言ではありません。

この記事を読むとわかること

  • 希少価値の高い部位「千本すじ」とは?
  • どの部位にあるのか?
  • どのような特徴があるのか?


では、早速ご紹介していきます。

目次

牛すじは「そともも」から取れる極わずかしかない部位!

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牛肉の部位名を全国的に統一したのは日本格付協会という団体です。

現在においてはスーパーなどでラベル表示してあるネック、かたロース、かた(うで)、リブロース、サーロイン、ヒレ、かたばら、ともばら、うちもも、しんたま、そともも、らんぷ、すねという名称で規定されています。

実際には、あくまでも全国的に統一してあるだけで地域によっては呼び方が変わります。

例えば有名な関東読みで「ヒレ」といいますが、関西では「ヘレ」といいます。

海外ではフィレというところと、テンダーロインとも言います。

関東や関西の牛肉の部位名の違いをまとめ!!

牛肉自体は、複雑な筋肉組織の集合に成り立っています。

それぞれの味や肉質の特徴から調理用途によって細かく小割りされ、その数は200以上にものぼり、実際に言えば部位の数があまりにも多くなります。

この数の多さから全国的に大分類と中分類と小分類に分けられ、わかりやすいようになっています。

ではラベル表示においてはどの分類になるかというと中分類の一部分となり、実際にはまだ多く存在します。

小分類においては、小割と言われ、さらに細かい部分が千本すじがあります。

千本すじが販売されている業者はなかなかないと思いますが、実際にここまで小割していく手間や技術と知識や流通量を考えると手にいれるのは至難なことになると思います。

あくまでも噂ですが、業界内に広がったせんぼんすじがネットオークションで販売したところ、1本1万以上ついた話がでてました。

 

 

知っている人は多々おられるかと思いますが、千本すじを通してどの部位から派生し、どのような特徴があるのか記載していきたいと思います。




生体から牛肉部位まではどのようなに分割されているのか?

分割された枝肉(とも)

分割された枝肉

近年において消費者の店内作業の省力化により、部位の細分化が進んでおり、この小割・整形・すじひきの作業が拡大しつつあります。

また、牛肉の部分肉においての原価計算は、各部位の特徴から焼肉、ステーキ、こま切れ、カレー用などの構成比を決め、積数比から原価を割り出して行く方法がとられています。

このことからもそれぞれの大分割から各部位の脱骨、部位のから小割・整形・すじひきと重要になってきています。

又、流通において、生体から枝肉(半丸)に枝肉から部分肉に部分肉から小割へとなっていますが、ここでは大分類(大分割)・中分類(部分肉)・小分類を小割としています。

大分割の名称

大分割の際にロースからももまでのところをともとよび、肩からうで、ネック部分までをまえとよびます。「とも」を後ろとは呼んでいません。

  • 骨付きもも・・・・部分肉でいう、らんいち、うちもも、そともも、しんたま、ともすねを含んだもの。
  • 骨付きともロース・・・・部分肉でいう、リブロース、サーロイン、ヒレ。
  • 骨付きともばら・・・・部分肉でいう、ともばら(上)、ともばら(並もしくは中)。
  • 骨付きかた・・・・部分肉でいう、かたロース、かた(うで)、かたばら、まえすね。

分割において

  • 骨付きもも・・・・第1尾椎からせん椎の第1~5番目まで。
  • 骨付きともロース・・・・腰椎第1~腰椎第6と胸椎第7~胸椎第13まで。(枝は、6~7間で分割しあります)
  • 骨付きともばら・・・・骨付きともロースと同じ。
  • 骨付きかた・・・・頚椎の第1~第7と胸椎第1~第6まで。

以上が枝肉から部分肉までの分類となります。

名前と形をおぼえる事が大変な作業ですし、枝肉自体は生体を半分に割ったものなので一頭で枝が2体となり、部分肉は各二本ずつとなります。

更にそれぞれの特徴を覚える前に全体的にどのように構成されているのか、どこが柔らかいのか。

それぞれの部分肉と小割した状態の特徴がつかめないので知っておく必要があります。



そともも(部分肉)について

牛肉のそともも

牛肉のそともも

 

そともも部位は、ももの中でもよく運動をする部分で赤みが多い部分です。「しきんぼう」、「なかにく」、「はばき」の3つに分割できます。

関東では、そとももといい、関西では、そとひらといいます。海外では、シルバーサイドといわれています。

関西のほうでは、「なかにく」を「かけ」といわれ、しぐれ煮などに使われます。

肉質は、全体的にきめが粗く、硬い。「しきんぼう」は、他の部位よりやや肉色が淡く、弾力性があり「しゃぶしゃぶ用」に使われたりします。

「はばき」は、中央の「せんぼんすじ」を分割して、上面をすじひきした後に焼肉か、煮込み用に使われます。

牛肉の千本すじ

このせんぼんすじは、写真でもありますが、すじがたくさんあり千本というように数が多いことから名づけられていますが、ホルモンのように食感があり、肉の味がこいのが特徴です。

「なかにく」は肉質によりますが、肉の目と血管さえ注意すれば焼肉にも使えます。

また、そともも自体の使われ方の多くは、かたさゆえにスライスものが多く、はばきだけ小割してスライスに使われ、はばき自体は、コマ材やミンチに使われることが多いです。

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まとめ


牛肉の部位を知ることや部位名をおぼえることも大切なことですが、全体的な特徴をおさえながらどの部分が接合しているのか重要なことになります。

そうすることで、小割した部分の特徴も知ることができ、そうした中でようやく仕入れの見極めや原価計算の土台となることに繋がりますので、おさえておきたい部分です。

また、今回は、「千本すじ」でしたが、写真でみるとおり一頭で2本しかありません。

ヒレより重さがありませんので、非常に希少性は高いですが、手間と流通量で考えれば非常に店頭からでるのは困難かと思いますが、発見したら食べてみるといいかもしれません。

その味わいは、適度な食感と噛んでいくとジュワ~っとしたたる肉の味わいに誰もがホホが緩んでしまうでしょう。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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