エムマート(食材卸売り場)で注目されている牛のホルモンのまとめ

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ホルモンとは、医学用語の体内の組織や器官の活動を調整する生理的物質の総称です。

過去には「すてるもんやからホルモン」という説もありましたが、実質的には「生理的物質」の総称であります。

また、滋養強壮に富む料理は、ホルモン料理とも呼ばれています。

今回は、牛の内臓に絞って特徴や料理等についてご紹介していきます。

目次

牛肉の内臓肉を特徴や料理用途等をまとめてみました

エムマート(食材卸売場)で注目されている牛内臓肉について、あまり知られていないものもあるかもしれませんが、数多くの牛のホルモンが存在します。その代表的なものをまとめてみました。

一般的に精肉店やスーパーでは、処理済み(洗浄やトリミング)のものが売られていますが、家庭でももみ洗いをした後、熱湯でさっと茹で、水にさらしてから調理すると良いです。

調理する前に切り込みを入れておくと食感を失わずに柔らかさが増します。副生物(ホルモン)は、枝肉と違って酵素の働きが活発なため、変質や腐敗が早く進みます。色鮮やかなものを選んだら、購入後は速やかに調理するようにしましょう。熱をしっかりと通すことが大切です。

栄養価においては、ビタミンやミネラルが豊富で、風味や食感が変化に富んでいる牛内臓肉。それぞれの特徴を抑えながら記載していきますので、参考にしてみてください。

牛タン

牛の舌は「牛タン」と呼ばれ、網焼きや「タンシチュー」などに用いられます。

一頭から取れる量は約1~2kg。栄養分としてはタウリンが豊富です。肉質は硬いですが、脂肪が多く長時間煮込むとやわらかくなります。

表面の皮は食べられないので、一般的には皮をむいたもの、スライスしたものがあります。タン先は煮込みに使いますが、根元に向かって柔らかくなっていきます。最も根元に近いものはタン元と言いますが、その煮込みに使う部分と焼肉として使う部分の境目は、手の間隔で図ります。

根元に近いほど「上タン」として販売されます。

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ほほ肉

焼肉や加工品として使われる事が多いほほ肉。

「かしら」、「天肉」などと呼ばれますが、脂が多く味がよいので、「赤ワイン煮」などレストランメニューにも登場するようになりました。ゼラチン質がたっぷり含まれているので、煮込むほどに肉のうま味が濃厚になります。韓国ではスタミナスープ「ソルゲタン」に用いられます。

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BSEの規制により現在のほほ肉は、そとほほですが規制以前では、うちほほもありました。地域によってはこめかみの部分も食されています。

ハツ

クセがなく食感が印象的なハツですが、成牛では、重さが2kgもある牛の心臓です。

臭みが少ないので、副生物の中でも比較的食べやすい部位といえます。また、タンパク質とビタミンなどや鉄分が多く、貧血のある人や元気になりたいときにおすすめです。

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下処理には、水洗いした後に目的用途(焼肉用など)に応じて柵どりしてから血や膜などの脂肪分を除去します。必ず加熱して食しましょう。

レバー

栄養価の高い牛の肝臓です。

タンパク質、ビタミンA、B2、鉄などのミネラルも豊富に含まれています。内臓の中でも比較的重さがあり、5~6kgのものもあります。

新鮮なものは鮮明な赤褐色で弾力性に富んでいますが、その肉質はやわらかく、独自のクセがあります。和牛の内臓になるとうすい膜を除去したときにきれいな鮮紅色となり、血液などの臭みがあまりなく、甘味があります。

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ただ、血管が多くある箇所にはなりますので血管(細菌)は必ず除去して食するのが大切です。

ミノ

牛の4つある胃の第一の胃。見た目が蓑に似ていることから名付けられたと言われています。

胃の中では最大に大きいもので、肉厚で歯ごたえがあります。下準備では、皮をむいて、包丁で切れ目を入れる作業が必要です。肉厚の部分は上ミノとして扱われることが多いです。

ハチノス

第二の胃のことです。胃の内壁の形が名のとおり蜂の巣のようにひだになっていることから「ハチノス」と呼ばれています。

下処理に手間がかかるものの、胃の中では最も味が良いといわれています。あっさりして食べやすく、独特な弾力感があります。煮込み料理やもつ焼きなどに利用される人気の部位です。

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センマイ

内壁に深いヒダと無数の突起物があり、まるで布きれを千枚重ねたように見えることから名付けられた「センマイ」は、牛の第三胃です。

特有の歯触りがあり、脂肪が少なく、鉄分や亜鉛を多く含みます。グレーの皮をむいてゆでて、丁寧に下処理すると、白く、シャキッとした食感を楽しめます。

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ギアラ

アカセンやアカセンマイとも呼ばれる牛の第4胃「ギアラ」。表面の黄白色に比べて内面が赤いのでこう呼ばれています。

第1から第3胃に比べて表面がなめらかで薄く、大きなひだと、うまみが増して口当たりもよくなります。全体的に脂肪が多く、濃厚なあじわいです。

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ハラミとサガリ

腹腔の内壁についている横隔膜の腹側の肉のことで、関東では「ハラミ」と「サガリ」を区別せず、どちらも「ハラミ」と呼ばれています。

一般的に「ハラミ」は横隔膜のうち上部のことで、上質になるほど肉厚があり、霜降り状にサシが入るのが特徴です。一方、「サガリ」は、横隔膜の腰椎に近い部位(下部)のことで、肉質が柔らかく、適度な脂肪があるので、焼肉に用いられます。

ハラミ

ハラミ

サガリ

サガリ

ショウチョウ

ヒモ、まるちょうとも呼ばれる大腸より薄くて細い「ショウチョウ」は、ヒモのようになっていることからもそのように呼ばれています。

他の内臓に比べてかたく、脂肪が厚いのが特徴です。通常はゆでてぶつ切りにしたものが大腸と一緒に「モツ」として売られています。内壁をよく洗浄するなど下処理をして、じっくり煮込むとおいしく食べれます。

また、地域によっては、脂をつけて販売するか、脂をつけないで販売しているかなどの好みが分かれます。

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ダイチョウ

シマチョウ、テッチャンとも呼ばれ、ショウチョウに比べると厚い牛の大腸は、かたいので、下処理などえ長時間煮ることもあります。

通常はゆでてぶつ切りにしたものがショウチョウと一緒に「モツ」として売られています。炒めものや味噌煮などでおいしくいただけます。

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不飽和脂肪酸の比率が高いので、枝肉の脂とは違いあっさりしているのも特徴ですが、地域によっては脂がついていないものと、ついてあるものが販売されています。

チョクチョウ

牛の直腸です。開いた形が鉄砲ににているため「テッポウ」とも呼ばれています。脂肪が少ないのが特徴。

リオナーソーセージやレバーソーセージのケーシングの材料としても使用されています。

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モウチョウ

牛の盲腸は長く、主に、煮込みに用いられますが、子牛の盲腸はソーセージ(ボロニア)のケーシングとしても利用されています。

「ショウチョウ」「ダイチョウ」と同様かためで、煮込めば独特の風味と歯ごたえが楽しめます。

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アキレス

後肢のひざ下にあるアキレス腱のことを言います。腱は長時間加熱するとコラーゲンが溶け出し、やわらかくゼラチン状になるため、煮込み料理やおでんの材料として用いられています。

「アキレス」は家庭で切るのが難しいので、食べやすいサイズにカットされているものを選びましょう。よく煮込むとプルプルの食感が楽しめます。

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テール

コラーゲンが多い牛の尾の部分です。長さ60cm以上あり、太さは根元の部分で10cmほど。4~5cmの骨がつながっているので、関節で切り離して使います。

通常は、関節ごとに切ったものが売られているので、カットされたものを利用しましょう。長時間の加熱でコラーゲンがゼラチン化し、やわらかくてよい味になります。

ちなみに地域によっては、テール切断時の関節箇所が違いがありますので、テールが長くなったり短くなったりします。

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まとめ

今回は、牛内臓肉について記載しましたが、エムマート食材卸売場で注目をあびているものを中心にまとめてみましたが、BSE以前と以後では種類がだいぶ減り(規制のため)、また、地域によってあるものとないものがあります。

ただ、ほんの一部でしたが是非とも参考にしてみてはいかがでしょうか。
https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/1942/

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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