日本の和牛と交雑種|ホルスタインの魅力とは??

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ホルスタインとは、日本国内で流通している品種の中で乳用種として仕分けされているものです。

食肉の業界内ではホルスタインの去勢を「ヌキ」と呼ばれ、搾乳目的で飼養されている牛はホルスタイン経産と呼ばれています。

近年では搾乳された牛は「牧草牛」ともいわれ、エサが牧草のみとしてエコロジーな飼育方法として国内で販売されています。

赤身肉と特徴的なホルスタイン経産は、和牛や交雑牛のような高額な牛肉と比べ安価です。

肉質は硬めですので柔らかく調理してあげられれば肉の味わいがしっかりしているため、おいしく食べれることができます。

再肥育の牛も流通しているため、脂の味わいが苦手な方でも食べられます。

この記事を読むとわかること

  • ホルスタインの魅力とは?
  • 日本の和牛とホルスタインの違いは?
  • モモの特徴とおすすめの食べ方について解説します!
  • サーロインの部位や特徴、名前の由来について紹介

目次

ホルスタインの魅力とは?

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牛肉と言えば、日本では和牛が有名ですが、実は和牛以外にもおいしい牛肉があります。

それが、ホルスタインという品種の牛肉です。ホルスタインは、牛乳の生産に優れた牛として知られていますが、その肉も見逃せません。

ホルスタインの特徴と魅力について詳しく解説します!

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ホルスタインは、白と黒のまだら模様が特徴的な牛です。

この品種は、オランダのフリースラント地方で発祥したと言われています。

ホルスタインは、世界中で最も多く飼育されている牛の品種で、日本でも約90%の乳牛がホルスタインです。

ホルスタインの魅力は、その豊富な牛乳の生産量と、その牛乳から作られるチーズやバターなどの乳製品です。

ホルスタインは、一日に約30リットルもの牛乳を出すことができます。

その牛乳は、脂肪分やタンパク質が豊富で、栄養価が高いです。また、その牛乳から作られるチーズやバターは、風味やコクが抜群で、世界中で愛されています。

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ホルスタインの名前の由来とは?

ホルスタインという名前は、オランダの北ホラント州に由来しています。

この地域は、牧草地が広がっており、牛の飼育に適していました。

ホルスタインは、18世紀にアメリカに渡り、そこで改良されて現在の姿になりました。

アメリカでは、ホルスタインをホルスタイン・フリージアンと呼びます。

フリージアンとは、フリースラント地方のことです。

日本では、ホルスタインという呼び方が一般的です。

ホルスタインの特徴と性格

ホルスタインは、大きくてがっしりとした体格をしています。体重は、雄で約900キログラム、雌で約600キログラムになります。 体高は、雄で約150センチメートル、雌で約140センチメートルです。

ホルスタインは、活発で好奇心旺盛な性格をしています。

人になつきやすく、飼い主とのコミュニケーションを楽しむことができます。

しかし、気分屋でわがままな一面もあります。 牛舎や牧草地の環境に敏感で、ストレスを感じやすいです。

ホルスタインと牛乳の関係

ホルスタインは、牛乳の生産に優れた牛として知られていますが、その理由は何でしょうか?

ホルスタインの牛乳の生産には、以下の要因が関係しています。

遺伝的な要因

ホルスタインは、牛乳の生産量や品質に関係する遺伝子を多く持っています。 特に、乳腺の発達や乳量の調節に関係する遺伝子が優性であることが、ホルスタインの牛乳の生産に影響しています。

栄養的な要因

ホルスタインは、大食いであり、多くの飼料を消費します。 その飼料は、主に牧草や穀物などの植物性のもので、繊維質や炭水化物が多く含まれています。 これらの飼料は、牛の第一胃で発酵されて、乳脂肪や乳タンパク質の原料となります。

環境的な要因

ホルスタインは、寒さに強く、暑さに弱いです。 牛乳の生産には、体温の調節が重要です。 体温が高くなると、牛はエネルギーを消費して体温を下げようとします。 その結果、牛乳の生産量や品質が低下します。 そのため、ホルスタインは、涼しい気候の地域で牛乳の生産に適しています。

ホルスタインの食べられる側面について考察します!

ローストビーフ

ホルスタインは、牛乳の生産に優れた牛として知られていますが、その肉も見逃せません。

ホルスタインの肉は、和牛とは異なる特徴を持っています。ホルスタインの肉の特徴とおすすめの食べ方について、考察します。

ホルスタインの肉は、赤身が多く、脂肪が少ない

肉の味が濃く、しっかりとした食感があります。 脂肪が少ない分、カロリーも低く、ヘルシーな食材です。

ホルスタインの肉は、和牛に比べてコラーゲンやエラスチンといった繊維質が多く含まれています。

これらの繊維質は、加熱すると硬くなります。 そのため、ホルスタインの肉は、短時間で高温で焼くのがおすすめです。 そうすることで、肉の表面はカリッ

と焼けて、肉汁が閉じ込められます。 肉の中は、ややレアに仕上げることで、柔らかくジューシーになります。

ホルスタインの肉は、和牛に比べて鉄分やビタミンB12などの栄養素が豊富!

これらの栄養素は、血液の生成や神経系の働きに重要です。 また、ホルスタインの肉には、コエンザイムQ10という抗酸化物質も多く含まれています。 これは、細胞のエネルギーを高める効果があります。

日本の和牛とホルスタインの違いは?

和牛とホルスタインは、それぞれに特徴的な肉質を持っています。

それぞれの肉の特徴とおすすめの食べ方について、以下のようにまとめました。

【牛肉】モモの特徴とおすすめの食べ方について解説します!

牛肉のうちもも
ホルスタイン経産のうちもも

モモは、牛の後ろ足の部位で、赤身の肉です。

モモは、筋肉量が多く、歩くときに使われる部位なので、肉に弾力があります。

モモの肉は、脂肪が少なく、肉の味が濃いです。

和牛のモモ

脂肪が少ない分、肉の旨味が際立っています。

和牛のモモは、煮込みや炒め物などの加熱調理に向いています。

煮込むことで、肉の繊維がほぐれて、柔らかくなります。

炒めることで、肉の表面に焦げ目がついて、香ばしさが増します。

ホルスタインのモモ

赤身の肉ながら、肉の中に細かいサシ(脂肪)が入っています。 ホルスタインのモモは、ステーキやローストビーフなどの焼き肉に向いています。

ステーキは、高温で短時間で焼くことで、肉の表面はカリッと焼けて、肉汁が閉じ込められます。

ローストビーフは、低温で長時間で焼くことで、肉の中まで火が通って、しっとりと仕上がります。

ホルスタインと和牛の掛け合わせ|交雑種とは?

少し蛇足になりますが、ホルスタインはどのように活用されているかという部分で交雑種について記載していきます。

ホルスタイン種は乳用種ですが、大型で発育が良く、赤身肉を効率よく生産する優れた能力があります。

ホルスタインは、和牛より肉質の評価は劣りますが、安価な供給元とし重要な位置を示している事が前述で記載しました。

ホルスタインのリブロース
ホルスタインのリブロース

そのホルスタイン種の雌牛に黒毛和種の雄牛を交配して作られる交雑種は、雄雌ともに肉用に仕向けられます。

交雑種のリブロース
交雑種のリブロース

黒毛和種の肉質とホルスタイン種の発育の良さをほどよく備え、和牛肉ほど脂肪交雑は入りませんが、和牛の次に安価でおいしい牛肉を供給しています。

サーロインの部位や特徴|名前の由来について紹介!

牛肉のサーロイン
ホルスタイン経産のサーロイン

サーロインは、牛の背中の上部にある部位で、脂肪が多く含まれる肉です。

サーロインは、肉の柔らかさやジューシーさが特徴です。

サーロインは、英語で「sirloin」と書きますが、これは「サー(騎士)のロイン(腰)」という意味です。

この名前は、イングランドの王が、この部位の肉を気に入って、騎士に叙任したという伝説に由来しています。

和牛のサーロイン

脂肪が多く、サシが入っています。

和牛のサーロインは、肉の脂肪が溶け出して、口の中でとろけるような食感が楽しめます。

焼肉やすき焼きなどの加熱調理に向いています。

焼肉は、薄切りにして、熱した鉄板でさっと焼くことで、肉の脂肪が溶け出して、香りが引き立ちます。

すき焼きは、醤油や砂糖などの甘辛いタレにつけて、鍋で煮ることで、肉の旨味がタレに染み込みます。

ホルスタインのサーロイン

脂肪が少なく、赤身の肉です。

ホルスタインのサーロインは、肉の味が濃く、しっかりとした食感があります。

ホルスタインのサーロインは、ステーキやローストビーフなどの焼き肉に向いています。

ステーキは、高温で短時間で焼くことで、肉の表面はカリッと焼けて、肉汁が閉じ込められます。

ローストビーフは、低温で長時間で焼くことで肉の中まで火が通って、しっとりと仕上がります。

イチボの部位や特徴について解説します。

イチボとランプ
ホルスタイン経産のイチボ(左) ランプ(右)

イチボは、牛のお尻の下の部位で、赤身の肉です。

イチボは、筋肉量が多く、歩くときに使われる部位なので、肉に弾力があります。 イチボの肉は、脂肪が少なく、肉の味が濃いです。

和牛のイチボ

脂肪が少ない分、肉の旨味が際立っています。

和牛のイチボは、煮込みや炒め物などの加熱調理に向いています。

煮込むことで、肉の繊維がほぐれて、柔らかくなります。 炒めることで、肉の表面に焦げ目がついて、香ばしさが増します。

ホルスタインのイチボ

赤身の肉ながら、肉の中に細かいサシ(脂肪)が入っています。

肉質が硬めなため、ローストビーフが中心になります。準高級部位のランイチでもとくにおいしいといわれるイチボの味わいは意外にもあっさりしています。

まとめ

これまでの歴史をたどると品種の改良や飼養方法などによって肉質の変化は、大きく変わってきました。

昔は、硬くて食べられなかったホルスタインも脂肪交雑が入ったりして、時代のニーズに合わせて変化してきました。

家畜のコスト低減と品質向上のためには、飼養技術の改善に加え、家畜の遺伝的能力の改良が重要です。

家畜の改良は、優れた能力を持つ個体を選抜し、その子孫を増やすことで進みます。

それには、人工授精、受精卵植と体外受精、核移植(クローン)、コンピューターによる遺伝能力の推定、DNA検査技術と様々あり、その向上が現在の食されている牛肉になります。

これは、日々進歩しており今後も改善されていくのは間違いありません。

次の10年、20年においては、一般的に食される品種や肉質も変化していくのは必然なのではないでしょうか。

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追記

牛肉には品種以外で、去勢、メス、未経産、経産が国内に流通しています。

それぞれ味わいが変わったり、硬さが違います。

未経産を「うまず」という方もいますが、和牛、交雑種、ホルスタインにそれぞれ「去勢」「メス」「未経産」「経産」があるということです。

これは、好みによってきますが味わいに違いがでます。

ホルスタインのみ販売しているところやホルスタイン経産のみ販売しているところもありますので、こだわりがある人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

ホルスタイン経産の販売はこちらから!

株式会社 五十嵐商会について

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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