肉の専門家が実践!ミスジを焼く前の準備の4つのポイントとは?

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ミスジの塊肉には必ず特徴があります。

特徴には、肉の硬さややわらかさ、肉のしまり具合、色合い、味など様々でそれにあった料理をする必要があります。

ある程度は調理方法や機械などに頼ることでカバーはできますが、そもそも基本は不変です。

基本とは何か・・・?

「切る」「たたく」「筋切りと縮めもどし」「染み込ませる」「まぶす」です。

当たり前では?

知らない人なんていないんじゃないの?と思うことがあるかもしれません。

ただし、基本がわかっていたとしても実際はどうなのか?

ポイントを抑えながら解説していきます。

この記事を読むとわかること

  • 4つのポイントを抑えることで硬いミスジや味のしないミスジもおいしさが増す。
  • ミスジの状態でどのポイントを使えばよいのかわかる。
  • ポイントを抑えることで、牛肉料理の基礎が覚えられる。
  • 下ごしらえで牛肉は激変!?準備の大切さがわかる。

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目次

ミスジの下準備には4つのポイントを抑えておくべき!

飛騨牛ミスジ

ミスジステーキ

 

今回の記事には、4つのポイントに抑えてご紹介していますが、ミスジだけでなく様々な肉料理の下準備としても活用できます。

4つのポイントから活かせる肉料理は?

  • 塊肉
  • ブロック肉
  • 焼肉
  • ステーキ

いずれの4つのポイントには、すべてしなくてはいけない!ということではありません。

どれか一つでもしてあげるとミスジがおいしくいただけるようになります。

 

ミスジとは、肩甲骨の裏側にある部位です



切るとは!?

切るとは読んで字のごとくと思いきや、ただ切ることではありません。

切ることは子供でもできますが、何故切る動作が必要なのか?というところが大切です。

「切る」ということは?

  • 硬いものを食べやすく。
  • 消化吸収を良くするため。
  • 材料に火や味が平均的に通りやすくする。

先立って行う動作になります。

肉は切って長く置くと肉汁が出て切り口の鮮度が落ちるので、塊肉の場合は調理の直前に切るようにします。

切断面が粗く、肉汁の流出を防ぐよう、ナイフはよく切れるものを使用します。

塊肉を切るときは、肉の繊維に直角に切ると柔らかく、熱の通りも良くなります。

ただし、これは短時間の加熱に適する方法で、長く火を通すと肉汁が出て味も落ちます。

肉の形や大きさは料理の種類により、加熱時間や煮汁の量にあわせて決めます。

中国風の千切り炒めなどは、繊維に沿って切ると、火を通しても縮れたり、バラバラに崩れたりしないので綺麗に仕上がります。

 

たたくとは!?

肉たたきで肉を軽くたたいておくと、肉の繊維がつぶされるため柔らかく食べられます。

また、1cm厚み程度の肉を短時間に焼く場合は、焼き縮みを防ぐことができます。

しかし、肉は調理の下準備の段階でいつもたたくとは限りません。

例えばステーキの場合、ヒレ肉のように柔らかく厚めのものはたたきません。

ロースの場合も軽く押さえる程度で、ミニュッツステーキの場合はたたいて薄くします。

ステーキを活かす下準備になります。

お肉が硬いと感じるのは、「肉の繊維」が原因。たたくことでお肉をやわらかくします!

筋切りと縮め戻しとは


豚はとくにしますが、ステーキやフライにする場合。

筋があると焼いてから縮んで反り返るので、(肉と筋の加熱による縮み具合が違うため)赤身と脂身の境目にある筋を切っておきます。

ミスジの場合は、中心に太いすじがあるので切り込みを入れるとよいです。

このように筋を切った肉でも、焼くと多少は縮みます。

この時なるべく平に縮まるように筋切りした肉は、手で軽く元の形に縮め戻しておきます。

こうすることで平均に美しい焼き色が付きます。

ステーキやブロック肉、塊肉に使います。

 

 

染み込ませるとは!?

肉の自然の持ち味に、更に良い香りや味を添える事です。

方法は、焼き肉や焼き豚のようにあらかじめ調味液に浸して下味をつけたり、洋風に漬け込むこと(マリネ)をします。

漬け汁のことをマリナードといい、大別するとオイル系とワイン系の二種類があります。

オイル系マリネはステーキ用に適しています。

オイル系マリネの方法

にんじんの薄切り、セロリの葉やパセリ、ローリエ、セージ、タイム、粗びきこしょうなどを肉の上下に挟み、オリーブ油(肉重量の10%程度)をかけ、ラップで覆い2~3時間の早漬けか、一昼夜くらい置きます。

肉質をならして熟成も進みます。

ワイン系マリネはシチュー用などの肉の下処理に適します。

 

ワイン系のマリネの方法

ワインは赤、白どちでも良く、肉の20%と香味野菜や香辛料はオイル系に準じます。肉と漬汁をポリ袋などに入れ、空気を抜いて口をしっかりと留め、冷蔵庫内に1~2日保存します。

肉を取り出した後のマリナードは材料と共に調理するか、または他の料理のたれなどに利用できます。

ステーキ、塊肉やブロック肉に活用するとよいでしょう。

塩麹や味噌にもこの方法が使えます!

まぶすとは!?

肉を油で炒める場合、肉の表面に小麦粉を薄くまぶします。

その理由は材料に早く焼き色を付けるためと、粉で膜を作って中の肉汁が逃げるのを防いだり、また口触りをやわらかくします。

フライの時には粉をまぶした上に、さらに溶き卵とパン粉を付けます。

これは材料に油が染み込まないように、また材料から水分がでないように壁の役目を果たし、更にパン粉の香ばしいにおいが付いてサクサクした歯ざわりも楽しむためです。

最初の粉はなるべく薄くまぶします(厚く付けると卵がはじかれて絡み付きにくくなるため)。

全卵だと手軽で失敗は少ないのですが、ただパン粉が多く付きすぎて衣が厚くなります。

溶き卵は、ほぐした卵の2分の1量くらいの牛乳か水で薄めると良いでしょう。

薄い衣は舌触りが柔らかく肉の持ち味がよく味わえます。パン粉を付けたままで長く置くと材料から湿り気が出るので良くありません。

また、パン粉を付け終わった肉の重ね置きも良くありません。

焼肉などに適しています。

まぶすなどは、調味料や香辛料にも言えます。グッと美味しくするには下記の記事を参考に!




まとめ

いかがだったでしょうか?

基本中の基本といえるような内容ではありましたが、肉をいかす上でたいせつなことではないかと思います。

今回のまとめ

  • 下準備の基本の4つは「切る」「たたく」「筋切りと縮めもどし」「染み込ませる」「まぶす」。
  • ステーキ、焼肉、塊肉、ブロック肉によって使い分ける。
  • 使う道具などは切るものはちゃんと切れるようにしておく。
  • 下準備をすることでさらにおいしさが増したミスジができあがります。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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