硬い牛肉を柔らかくする方法|牛バラ・薄切り・ブロック肉別に解説

「牛肉を焼いたら硬くなってしまった」

「安い牛肉や輸入牛を、柔らかく調理したい」

「牛バラや切り落としは、どのように下処理すればよいのか」

牛肉を柔らかくする方法は、一つではありません。

薄切り肉、牛バラ、ステーキ、ブロック肉では、硬くなる原因が異なるからです。

結論から言えば、牛肉を柔らかく仕上げる基本は次の5つです。

  1. 肉の繊維を断つ
  2. 硬い筋や膜を取り除く
  3. 肉の厚さをそろえる
  4. 料理に合った加熱方法を選ぶ
  5. 加熱しすぎない

片栗粉、重曹、キウイやパイナップルなどを使う方法もあります。

ただし、調味料や酵素だけでは、太い筋や膜まで完全に柔らかくできません。

大切なのは、手元の牛肉が硬い理由を見極め、その肉に合った方法を選ぶことです。

この記事では、国産牛を枝肉から脱骨・整形してきた食肉卸の立場から、牛肉を柔らかくする方法を肉の種類別に解説します。

この記事でわかること

  • 牛肉が硬くなる原因
  • 牛バラやカルビを柔らかくする方法
  • 薄切り・切り落とし・牛こまの下処理
  • ステーキを柔らかく焼く方法
  • 牛ももブロックを料理別に使い分ける方法
  • ハラミやサガリの筋を処理する方法
  • 片栗粉、重曹、果物の酵素の違い
  • 飲食店や惣菜製造で食感を安定させる方法
目次

結論|牛肉の状態別・柔らかくする方法

最初に、手元にある牛肉に合う方法を確認してください。

牛肉の状態主な原因最初に行う対処
牛バラ・カルビが硬い筋、繊維方向、焼きすぎ筋を確認し、繊維を断って短時間で焼く
薄切り肉が硬い水分流出、加熱しすぎ片栗粉や油を薄くなじませ、短時間で加熱する
切り落とし・牛こまが硬い部位や厚さが不ぞろい厚さをそろえ、一度に大量に焼かない
ステーキが硬い筋、膜、繊維、過加熱筋切りを行い、繊維を断って切る
ももブロックが硬い料理と部位が合っていない焼く・煮る・薄切りにする方法を使い分ける
ハラミ・サガリが硬い膜、太い筋、カット方向膜を除去し、繊維を断って切る
煮込み肉が硬い加熱時間不足、部位選び水分を保ちながら時間をかけて加熱する
焼いた後に硬くなった水分流出、過加熱薄く切り、タレやあんと合わせる

牛肉の柔らかさは、筋繊維、結合組織、脂肪、熟成、部位、加熱条件など複数の要因で決まります。

「この調味料に漬ければ必ず柔らかくなる」という単純なものではありません。

牛肉が硬くなる5つの原因

そともものしきんぼ断面(硬い部位の筋繊維)

1.肉の繊維に沿って切っている

牛肉には、筋繊維が一定方向に流れています。

繊維と同じ方向に切ると、長い繊維が口の中に残り、噛み切りにくくなります。

牛肉を柔らかく感じさせる基本は、繊維に対して直角に包丁を入れることです。

ブロック肉の場合は、肉の表面を見て、線状に走っている繊維の向きを確認します。

その繊維を短く断ち切るようにスライスしてください。

【既存画像を使用】

  • 牛肉の繊維方向が分かる写真
  • 繊維に対して直角に切っている写真
  • 正しい切り方と間違った切り方の比較

2.硬い筋や膜が残っている

牛肉には、加熱すると柔らかくなる筋と、硬さが残りやすい太い筋があります。

特にステーキ、ハラミ、サガリ、肩系部位では、表面の膜や太い筋が食感へ影響します。

筋を見つけたら、次のいずれかで対処します。

  • 筋を包丁で取り除く
  • 筋へ数か所切り込みを入れる
  • 繊維を断つように薄く切る
  • 煮込み料理へ変更する

太い筋が多い牛肉を、調味料だけでステーキ向けに変えるのは困難です。

格子状に繊維を切った牛肉
格子状に繊維を切った牛肉

3.加熱しすぎている

肉を加熱すると、筋肉のたんぱく質が変化し、水分が外へ出ます。

加熱時間が長すぎると、水分が失われ、パサつきや硬さを感じやすくなります。

薄切り肉や切り落としは、火が通ってからもフライパンへ置き続けないことが重要です。

表面の色が変わったら、料理に応じて早めに取り出します。

調理後のしきんぼう

4.料理に合わない部位を使っている

牛肉は、部位によって筋肉の使われ方や結合組織の量が異なります。

例えば、短時間で焼くステーキには、筋や膜が少ない部分が向きます。

一方、すねや筋の多い部位は、短時間で焼くより、煮込み料理に向いています。

硬い牛肉を無理に柔らかく加工する前に、料理と部位が合っているか確認してください。

和牛のロース芯は筋繊維がきめ細かい

5.厚さがそろっていない

厚さが不ぞろいな牛肉を同時に焼くと、薄い部分だけが先に加熱されます。

薄い部分へ火を通しすぎないためには、次の対策が有効です。

  • 厚さをそろえて切る
  • 大きさごとに分けて加熱する
  • 厚い肉から先に焼く
  • 一度にフライパンへ入れすぎない

特に切り落としや牛こまは、厚さの違いに注意してください。

牛肉のカットの方法
牛肉の繊維が横に流れている。

牛バラ・カルビが硬いときの対処方法

「牛バラは脂が多いから柔らかい」と思われがちです。

しかし、牛バラには筋や膜があり、カット位置や個体によって食感が異なります。

牛バラを柔らかくする手順

  1. 肉の表面にある太い筋を確認する
  2. 筋へ数か所、浅く切り込みを入れる
  3. 繊維に対して直角に切る
  4. 厚さをできるだけそろえる
  5. フライパンや焼き網を十分に加熱する
  6. 一度に大量の肉を載せない
  7. 加熱しすぎる前に取り出す

焼肉用の牛バラは、長時間焼くほど柔らかくなるわけではありません。

高温で表面を焼き、必要以上に水分を失わせないことが重要です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

中落ちカルビが硬い場合

中落ちカルビには、骨の周辺にある筋や膜が残っている場合があります。

厚切りのまま使うと硬さが出る場合は、次の方法を試してください。

  • 筋へ格子状の切り込みを入れる
  • 繊維を断って細長く切る
  • 味付け焼肉へ変更する
  • 片栗粉を薄くなじませる
  • 煮込みや牛丼原料へ用途を変更する

「カルビ」という名称だけで柔らかさを判断せず、実際の筋の状態を確認します。

薄切り・切り落とし・牛こまを柔らかくする方法

薄切り肉は、長時間漬け込むより、水分を逃がさず短時間で加熱する方法が向いています。

基本の下処理

牛肉300gに対して、次を目安にします。

  • 酒:大さじ1
  • 食用油:小さじ1
  • 片栗粉:大さじ1程度

全体へ薄くなじませ、冷蔵庫で短時間置きます。

片栗粉は肉質そのものを分解するものではありません。

肉の表面を覆い、水分が急激に流出するのを抑えることで、柔らかく感じやすくします。

炒めるときのポイント

  1. フライパンを温める
  2. 油を入れる
  3. 肉を広げて入れる
  4. 一度に大量の肉を入れない
  5. 表面の色が変わったら一度取り出す
  6. 野菜やタレを調理してから肉を戻す

肉と野菜を最初から一緒に長く炒めると、牛肉だけが過加熱になりやすくなります。

牛丼や肉野菜炒めでは、牛肉を一度取り出す方法が有効です。

薄切り牛肉がすでに硬くなった場合

一度硬くなった牛肉を、生肉の状態へ完全に戻すことはできません。

次のように料理を変更します。

  • 繊維を断ってさらに細く切る
  • だしやタレで短時間温め直す
  • とろみのあるあんと合わせる
  • 卵とじにする
  • カレーやハヤシライスに加える

長時間再加熱すると、さらに水分が失われる場合があります。

ステーキを柔らかくする方法

ステーキは、焼き方だけでなく、焼く前の筋処理が重要です。

ステーキの下処理

  1. 表面の余分な水分を清潔なキッチンペーパーで取る
  2. 外側の太い筋や膜を確認する
  3. 筋へ数か所切り込みを入れる
  4. 必要に応じて肉たたきで厚さをそろえる
  5. 焼いた後は、繊維を断って切る

肉を強く叩きすぎると、肉汁が流出しやすくなり、形も崩れます。

目的は薄く伸ばすことではなく、厚さをそろえ、硬い繊維を部分的に切ることです。

ミートテンダーライザーを使う場合の注意点

刃の付いたテンダーライザーや包丁で肉へ切り込みを入れると、表面に付着していた細菌が内部へ入り込む可能性があります。

農林水産省も、筋切りした肉や漬け込み肉は、表面の細菌が内部へ入る可能性があるため、中心部まで十分に加熱するよう案内しています。

テンダーライザーを使用した肉は、見た目だけで加熱状態を判断せず、中心まで加熱してください。

ジャガーノートやテンダーライザー
ジャガーノートやテンダーライザーを使用

牛もも・赤身ブロックを柔らかくする方法

ブロック肉は、どの料理へ使うかで方法が変わります。

「ブロック肉を柔らかくしたい」というだけでは、正しい方法を選べません。

ステーキにする場合

  • 筋や膜を除去する
  • 繊維を確認する
  • 繊維を断って切る
  • 厚さをそろえる
  • 筋切りを行う
  • 加熱しすぎない

もも肉の中でも、うちもも、しんたま、そとももなどで肉質が異なります。

すべてのもも肉が、同じ厚切りステーキに向くわけではありません。

【内部リンク:牛もも肉とは?部位別の特徴・硬い理由・柔らかくする方法】

ローストビーフにする場合

ローストビーフは、加熱後の切り方が食感へ大きく影響します。

  • 筋や膜が少ない部分を選ぶ
  • 太さをできるだけそろえる
  • 中心温度計で加熱状態を確認する
  • 加熱後に繊維方向を確認する
  • 繊維を断って薄く切る

低温調理は、外側の色や肉汁だけで安全性を判断できません。

食品安全委員会は、一般に入手できる牛肉を低温調理する場合、中心温度が63℃へ到達してから30分間、または同等以上の加熱が必要と案内しています。70℃なら3分間、75℃なら1分間が目安です。

設定した湯温と、肉の中心温度は同じではありません。

中心温度計を使い、温度へ到達してからの維持時間を管理してください。

しきんぼう(そとももの一部)

煮込み料理にする場合

すね、ネック、肩、筋の多いももなどは、湿度を保ちながら時間をかけて加熱する料理に向きます。

  • カレー
  • シチュー
  • 赤ワイン煮
  • 牛肉の煮込み
  • スープ
  • 牛すじ煮込み

煮込み料理では、沸騰させ続けるより、煮汁を保ちながら加熱します。

圧力鍋を使用すると、加熱時間を短縮できます。

ただし、脂肪や結合組織が少ない赤身肉を長時間加熱すると、繊維が乾いてパサつく場合があります。

圧力鍋は、すべてのブロック肉を柔らかくする万能道具ではありません。

料理に合う部位を選ぶことが先です。

まえすね
まえすね

ハラミ・サガリを柔らかくする方法

ハラミとサガリは横隔膜の一部です。

赤身肉に近い見た目ですが、膜や筋の処理によって食感が大きく変わります。

真ん中がサガリ、上下がハラミ

下処理の手順

  1. 表面の厚い膜を確認する
  2. 硬い筋や膜を取り除く
  3. 繊維方向を確認する
  4. 繊維を断って切る
  5. 厚さをそろえる
  6. 必要に応じて短時間漬け込む
  7. 加熱しすぎない

ハラミやサガリが硬い場合、漬け込み時間よりも、膜の除去とカット方向を最初に確認してください。

【内部リンク:サガリとハラミはどっちが高い?値段・部位・味・業務用原価を比較】

牛肉を柔らかくする5つの方法を比較

牛肉の繊維をたたく

1.包丁・肉たたき・テンダーライザー

肉たたきで肉の繊維を粉砕
肉たたきで肉の繊維を粉砕

向いている肉

  • ステーキ
  • 牛バラ
  • 厚切り肉
  • ハラミ
  • サガリ
  • ももブロック

メリット

  • 肉の味を大きく変えにくい
  • 短時間で処理できる
  • 硬い筋へ直接対応できる

注意点

  • 叩きすぎると形が崩れる
  • 切り込みを深く入れすぎない
  • 使用器具を十分に洗浄・消毒する
  • 筋切り後は中心まで加熱する

2.片栗粉と油を使う

しきんぼ麹粉漬け

向いている肉

  • 薄切り肉
  • 切り落とし
  • 牛こま
  • 細切り肉
  • 炒め物

メリット

  • 表面の水分を保ちやすい
  • 調味料が絡みやすい
  • 家庭でも再現しやすい
  • 短時間で準備できる

注意点

  • 片栗粉を付けすぎると食感が重くなる
  • 強火で放置すると焦げやすい
  • 太い筋や膜は柔らかくできない

3.重曹を使う

重曹は肉の表面の環境を変え、保水性や食感へ影響を与える方法です。

研究でも、重曹を使った処理によって牛肉の柔らかさやジューシーさが改善した例があります。

向いている肉

  • 牛肉の細切り
  • 薄切り肉
  • 炒め物用
  • 味付け焼肉

使用時のポイント

  • ごく少量から試す
  • 肉全体へ均一になじませる
  • 冷蔵庫内で処理する
  • 加熱前に余分な重曹を取り除く
  • 使用量を毎回記録する

重曹を入れすぎると、独特の風味、色、表面の食感が出る場合があります。

業務用では、感覚で量を変えず、重量比で管理してください。

4.キウイやパイナップルなどの酵素を使う

生のキウイやパイナップルには、たんぱく質へ作用する酵素が含まれています。

キウイ由来のアクチニジンや、パイナップル由来のブロメラインによって、牛肉の硬さが低下した研究があります。

すりおろしたキウイフルーツに漬ける場合
すりおろしたキウイフルーツに漬ける

向いている肉

  • 赤身ステーキ
  • ハラミ
  • サガリ
  • 焼肉用肉
  • 筋繊維の太い肉

注意点

酵素は、長く作用させればよいものではありません。

処理が強すぎると、肉の表面が崩れ、ペースト状の不自然な食感になる場合があります。

少量・短時間から試し、肉の厚さや酵素の強さに合わせて調整してください。

加熱処理された果物製品は、生の果物と同じ酵素作用を期待できない場合があります。

また、漬け込みは室温ではなく、冷蔵庫内で行います。

輪切りにしたパイナップルの上に肉を敷き詰める
輪切りにしたパイナップルの上に肉を敷き詰める

5.煮込み・圧力調理を使う

向いている肉

  • 牛すね
  • ネック
  • 筋の多い肩肉
  • 牛すじ
  • 煮込み用ブロック

メリット

  • 結合組織の多い部位に対応できる
  • カレーやシチューへ展開できる
  • 圧力鍋なら時間を短縮できる

注意点

  • 赤身だけの肉はパサつく場合がある
  • 水分量を管理する
  • 調理後に室温で放置しない
  • 大量調理は速やかに冷却する

牛肉を柔らかくするときの失敗例

フルーツへ長時間漬け込む

果物の酵素を長く作用させると、表面だけが崩れる場合があります。

長時間漬ける前に、小さな肉で試してください。

酸味の強い調味料なら必ず柔らかくなると思う

ワイン、酢、果汁など、酸性の調味料を使えば必ず柔らかくなるわけではありません。

濃度や時間によっては、保水性や風味へ影響します。

味付けと柔らかさを分けて考えてください。

常温で長時間漬け込む

生肉を室温へ長時間置いてはいけません。

食品の温度が高くなると微生物が増えやすくなるため、漬け込みや解凍は冷蔵庫内で行います。

生肉を水で洗う

肉を水で洗うと、飛び散った水を通して周辺へ汚染を広げる可能性があります。

農林水産省も、肉は洗わず、肉を扱った包丁やまな板を速やかに洗浄するよう案内しています。

余分なドリップは、清潔なキッチンペーパーで取り除きます。

しきんぼ麹水洗い

「常温へ戻せば必ずおいしく焼ける」と考える

生肉を室温へ長時間放置する方法は推奨できません。

冷蔵庫から取り出した後は、調理の準備を整え、必要以上に放置せず加熱します。

厚い肉は、室温放置ではなく、火力や加熱時間、中心温度で管理してください。

色だけで加熱状態を判断する

肉の色や肉汁だけでは、安全な加熱ができたか判断できません。

特にブロック肉の低温調理、筋切り肉、漬け込み肉では、中心温度と時間を確認してください。

飲食店・惣菜製造で牛肉を柔らかくする場合

業務用では、一度だけ柔らかく仕上がればよいわけではありません。

誰が作業しても、同じ食感と歩留まりを再現できる必要があります。

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標準化する項目

  • 原料の部位
  • 仕入先
  • 冷蔵・冷凍
  • 肉の厚さ
  • 筋切り回数
  • 漬け込み材料
  • 調味料の重量比
  • 漬け込み時間
  • 保管温度
  • 加熱温度
  • 加熱時間
  • 加熱前後の重量
  • 1人前重量

「少量」「適量」「しばらく置く」という表現では、作業者によって品質が変わります。

すべて重量と時間で記録してください。

柔らかさだけでなく歩留まりを確認する

加工によって食感が改善しても、重量が大きく減れば原価が上がります。

次の3つを記録します。

整形歩留まり

整形後重量÷仕入重量×100

加熱歩留まり

加熱後重量÷加熱前重量×100

使用可能部分原価

仕入総額÷加熱後の使用可能重量

例えば、税抜1,500円/kgの牛肉を10kg仕入れた場合です。

仕入総額は税抜15,000円です。

整形・加熱後に使える重量が7kgなら、

税抜15,000円÷7kg=税抜約2,143円/kg

表示単価は税抜1,500円/kgでも、実際に提供できる肉の原価は税抜約2,143円/kgです。

【内部リンク:牛肉の原価計算方法|歩留まり・経費・1食原価を業務用向けに解説】

下処理を増やす前に部位を見直す

柔らかくするために、次の作業を増やすと人件費が発生します。

  • 筋引き
  • 筋切り
  • 肉たたき
  • 漬け込み
  • 袋詰め
  • 保管
  • 洗浄
  • 記録

安い牛肉を仕入れても、下処理に時間がかかれば、利益が残らない場合があります。

業務用では、

どのように柔らかくするか

だけでなく、

最初からメニューに合う部位・規格を仕入れられないか

を検討してください。

五十嵐商会の現場で考える「柔らかさ」

五十嵐商会では、国産牛を枝肉で仕入れ、脱骨・整形して部分肉へ加工しています。

現場では、同じ部位名でも次の違いを確認します。

  • 筋繊維の太さ
  • 筋や膜の位置
  • 脂肪量
  • 肉の厚み
  • 水分
  • 肉色
  • 整形後の形
  • 商品化できる重量

牛肉の硬さは、品種名や部位名だけでは判断できません。

同じ「牛もも」「牛バラ」「サーロイン」でも、個体やカット位置によって用途が変わります。

部位を売るだけでは、顧客の利益改善にはつながりません。

焼肉、牛丼、ステーキ、ローストビーフ、弁当、惣菜など、作りたいメニューから原料を選ぶことが重要です。

よくある質問

牛肉を一番簡単に柔らかくする方法は何ですか

最も基本的なのは、繊維を断って切り、加熱しすぎないことです。

薄切り肉や切り落としは、片栗粉と油を薄くなじませると、水分を保ちやすくなります。

牛バラ肉が硬いのはなぜですか

筋や膜が残っている、繊維に沿って切っている、加熱しすぎているなどの原因があります。

脂肪が多い牛バラでも、必ず柔らかいとは限りません。

薄切り牛肉を柔らかくするにはどうすればよいですか

酒、油、片栗粉を薄くなじませ、一度に大量に焼かず、短時間で加熱します。

肉の表面の色が変わったら、一度取り出す方法も有効です。

牛ももブロックを柔らかくするにはどうすればよいですか

料理によって方法を変えます。

ローストビーフなら中心温度を管理し、繊維を断って薄く切ります。

煮込みなら、筋の多い部位を選び、水分を保ちながら加熱します。

キウイやパイナップルで牛肉は柔らかくなりますか

生のキウイやパイナップルに含まれる酵素は、牛肉のたんぱく質へ作用します。

ただし、長時間処理すると表面が崩れる場合があるため、少量・短時間から調整してください。

牛乳やコーラで牛肉は柔らかくなりますか

味や保水性へ影響する場合はありますが、太い筋や膜まで確実に柔らかくする方法ではありません。

まずは、筋の除去、カット方向、加熱方法を見直してください。

圧力鍋を使えば、どの牛肉でも柔らかくなりますか

圧力鍋は、筋や結合組織の多い煮込み用部位に向きます。

脂肪や結合組織の少ない赤身肉は、加熱しすぎるとパサつく場合があります。

焼いて硬くなった牛肉を柔らかく戻せますか

完全に元へ戻すことは困難です。

薄く切り、タレ、だし、あん、卵などと合わせて食べやすくします。

業務用では、どの方法が一番安くなりますか

加工方法だけでは判断できません。

原料単価、整形歩留まり、加熱歩留まり、作業時間、1食重量を合計して比較します。

まとめ|牛肉を柔らかくする前に硬い原因を確認する

牛肉を柔らかくする方法は、肉の状態によって異なります。

基本は次の5つです。

  1. 繊維を断つ
  2. 筋や膜を取り除く
  3. 厚さをそろえる
  4. 料理に合った加熱方法を選ぶ
  5. 加熱しすぎない

薄切りや切り落としには、片栗粉や油を使う方法があります。

ステーキには、筋切りや肉たたきが有効です。

ハラミやサガリは、膜の除去とカット方向を確認します。

筋の多いブロック肉は、煮込みや圧力調理へ変更する方法があります。

果物の酵素や重曹も使えますが、処理が強すぎると風味や食感が変わります。

業務用では、柔らかさだけでなく、歩留まり、作業時間、1食原価まで確認してください。

下処理を増やすより、最初から用途に合った部位や規格を仕入れた方が、利益につながる場合があります。

業務用牛肉をお探しの方へ

五十嵐商会では、国産牛・ホルスタイン経産牛を中心に、飲食店、精肉店、惣菜製造、食品加工向けの業務用牛肉を取り扱っています。

  • 焼肉用の赤身肉を探している
  • ローストビーフ用原料を探している
  • 牛丼や弁当用の薄切り肉を探している
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  • 歩留まりの計算しやすい商品を探している
  • 現在使っている牛肉が硬く、部位を見直したい

このような場合は、用途、必要数量、希望原価、納期をお知らせください。

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用途、部位、歩留り、原価管理を確認しながら、自社に合う商品をご検討ください。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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