和牛や国産牛の味を見極めるときの見分け方と選び方

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今回は、牛肉において見極めを中心にご紹介します。

品質の見極めかた「格付け」というものが基準にはなってきますが、最終的に決断するポイントはお店によって違いがあります。

その最終的なポイントとはどういったことなのでしょうか。

見極めるうえで大切な要素とはなんでしょうか。

少しまとめましたので、是非参考になればと思います。

目次

牛の品質を見極める大切な要素とは?

分割された枝肉(とも)

分割された枝肉(とも)

牛肉の良し悪しや等級は、肉の色沢、脂肪の色及び質、肉のきめ、しまりなどで判断することができます。

今回は、この味にも関連してきます見分け方と選び方について基本的な部分を記載していきます。各仕入れ先や販売者によっても違いますが、基本的な留意点のみおさえながら記載していきます。

牛肉色

牛肉の色は鮮紅色が標準的な色ですが、良いものは艶のある鮮紅色になります。これから述べる様々な条件によっても多少の色の変化が
見られます。

①年齢、性別、品種別

若齢のものは渋い紅色で、老齢のものは筋肉色素の沈着が進み濃い赤みを帯びています。

子牛の肉は、極めて渋いピンク色をしています。ほとんど筋肉色素が沈着していない、むしろ白色に近い肉色のものが良質のものとされています。

若齢肥育の乳用牛は、和牛に比べやや淡い肉色です。また、同じ月齢のものの比較は、雌牛は去勢牛よりやや濃い肉色をしています。

②部位別による色の差は、よく運動する部位のネック、すね、かた、ばら、そとももなどは、肉のきめは粗く、総体的に濃い肉色をしています。

③体調によるものについては、屠畜までの牛の管理状態で、微妙な肉色の変化が見られます。

長時間のトラック輸送、多頭数を係留して起こるストレスなどは屠畜後の肉色の赤みを強くし、精肉処理の段階でも良い発色作用が起きません。また、持続性がなく、早い時間で暗赤色へと変化します。

④熟成については、牛肉の良い風味と柔らかさを出すために、適正な温度管理(摂氏0~2℃)の下で屠畜後一週間程度の熟成が必要です。

屠畜後の新しい牛肉は、鮮やかな色はしていますが、見た目ほどうまさがありません。適正に熟成された牛肉は、赤みがやや沈んだ色となり、また、熟成が進みすぎると発色作用は短時間に終息してしまいます。

⑤発色作用については、牛肉を部分肉から精肉にする過程で、肉の断面の色合いに次のような変化がおこります。

カットされた表面は、処理後30分位でやや沈んだ赤色から鮮やかな紅色に発色します。上質なものは、更に「艶」のある紅色に発色します。これは、筋肉色素(ミオグロビン)が空気中の酸素に触れて起こる酸化現象です。

よく肥育され、十分な脂肪交雑を伴った牛肉は、発色による良い色が長時間継続されます。時間の経過と共に発色作用は次第に弱まり、ミオグロビンはメトミオグロビンに変化し暗赤色になります。

スライスや切り身を積み重ねた部分が暗赤色になっていることがありますが、これは十分空気に触れていないために発色作用が起こらなかったからです。

また、時間が経過したため暗赤色に変わったものを、変質または腐敗していると判断するのは誤りですが、風味の点でやや劣ることは否めません。

腐敗への肉色の変化は、暗赤色を通り過ぎますと黒みが増し、青みが強くなります。このようになると、やや黄色ネトが発生し異臭を放ちます。

この段階のものは、もちろん廃棄処分となります。

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脂肪の色及び質

良い脂肪とは、色は白色または乳白色で適度な弾力と粘りのあるものです。このような脂肪は、優れた芳香とうまみをもっていて、牛肉の味を一層引き立てます。

和牛の理想飼育(24ヵ月から~29ヵ月)からロース部位などに霜降り状態の脂肪交雑が入り、風味や柔らかさは格別のものとなります。

脂肪の色や質は、飼料に影響されるところが大きく、穀物のうち大麦、燕麦などは良い脂肪を作るものとして知られています。

また、カロチン(黄色色素)が多く含まれる緑草、とうもろこしなどを多給しますと、脂肪にカロチンが沈着し、黄色から褐色の脂肪となり、更に、老齢のものも各種の色素沈着が進み、このような色合いになるものが多くあります。

栄養学的には、いずれの色も問題ありませんが、飼料に起因する香りが移る場合があります。調理の過程で香草野菜や香辛料で調整する方が良いでしょう。

牛肉の脂肪は、融点が高いので、牛肉料理は熱いうちに提供するのが一般的ですが、冷やして食べる料理は、脂肪をなるべく除去して調理するのが良い方法です。

きめ、しまり

肉のきめは、細かいとか粗いという表現になりますが、これは肉の良し悪しを判定するものは意味が違います。

肉のきめが細かい部位は、運動をあまりしないところで肉質は柔らかいのが特徴です。

牛肉の部位を表す文体図を見ますと、おおかた背中にある部分のかたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ランプなどがそれに相当し、いわゆる高級部位と呼ばれ、評価も高いところにランクされています。

一方、よく運動する部位のネック、かた、すね、ばら、そとももなどは、肉のきめは粗く肉質は硬い部分です。

柔らかい部位は、確かに高い評価になっていますが、これを以て良い肉と連想するのは誤りです。肉の良し悪しは、その料理に向く最適な部位かどうか
が一番肝要なことで、煮込みなどに適した部位は相対的にきめの粗い硬いところの方がベターです。

すなわち、エキス分、ゼラチン質などが多く含まれていて、煮込み料理に欠かせないうまみの決めてになる成分が豊富に含まれているからです。

また、しまりは、部分肉から細かく精肉に処理した段階でよくわかります。しまりの良い肉とは、形が崩れることなく当初の姿をきっちり保って肉質のことです。

これは、十分肥育したものほど良い状態となりますが、若齢の水っぽい肉は、しまりが悪く肉質の劣るものとなります。

まとめ

私のまわりでもこんなことをおっしゃる方がいます。

「和牛はやっぱり柔らかいからおいしい・・・」と、この発言は、肉そのものの味を知らないとこのような発言になってしまいます。

牛肉の見極める重要性についての基本的な部分を記載しましたが、肉を知る事が本当においしい肉を堪能することができるのではないでしょうか。

是非活用してみてください。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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