肩ロースをステーキに使うときは、「肩ロースなら全量を厚切りにできる」と考えず、小割りごとの筋・繊維・断面を確認します。本記事は、海外で使われるカット名を参考にした加工例です。
部位全体の特徴や商品価値は肩ロースの特徴・整形・用途で確認し、ここでは写真に沿って小割りとカットの判断点を紹介します。
海外独自のステーキカットは豊富にある

エムマート市場にある牛肉の肩ロースには、品種問わず様々な肩ロースがあります。
参考動画:Mマートを紹介する番組です。海外の肩ロースカット手順を示す動画ではありません。 埋め込みが表示されない場合は、YouTubeで動画を開くことができます。
国内・海外では枝肉の分割線や整形条件が異なります。Chuck Eye Roll、Chuck Flap等の名前だけで日本の肩ロース・小割りと同じ規格だとは判断せず、筋肉構成・分割線・脂肪厚・重量を規格書で確認します。海外の人は顎が強いから硬い肉を食べられる、といった一律の説明は用いません。
また、肩ロースは肉質のかたい部分とやわらかい部分が交差している部位です。
一般的には小割せずにそのままスライスして、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用で販売していますが、それぞれの部分の肉質の特徴を活かした商品化をすることで、バラエティーの豊富さを打ち出すことができます。小割りの必要性は、メニュー、作業時間、残材の利用先から判断します。ブロックをそのまま薄切りにする方が適する場合もあります。
肩ロースの小割方法
表面の骨肌、スジ、余分な脂肪をトリミングします。(線はチャックアイの分割ライン)
脂肪除去あとからスジに沿ってナイフをいれます。
肋骨除去あとからスジに沿ってナイフをいれます。
1=チャックフラップと、2=チャックアイロールに分割します。
チャックフラップは表面の脂肪、スジをトリミングします。
繊維が交わるところ(目なりが変わるところ)で写真のように2分割しておきます。
肩ロースのステーキカット
チャックアイステーキ
肩ロースの芯の部分=チャックアイは、脂肪が適度に入り、風味のよい部分です。
ロース芯側はステーキの候補になりますが、取れる枚数は原料寸法・整形・1枚重量で変わります。「8枚前後」を固定の歩留まりにはせず、ステーキに使う範囲と、残りをスライス・コマ材等へ回す範囲を実物で決めます。
チャックアイ(写真2の部分)からのステーキ作り。
厚さ2cmは写真のカット例です。必ずおいしくなる厚みではなく、筋の残り方・1枚重量・設備に合わせて試作します。
フラップステーキ
写真でチャックフラップと呼ぶ部分は、脂肪交雑や繊維方向を確認してステーキ・角切りへ分ける加工例です。「フラップ」だけでは他の部位を指す規格もあるため、名称を省略せず確認します。やわらかさや取れる大きさは個体と整形条件で変わります。
角切りは大きさをそろえると加熱を管理しやすくなります。串焼きにも展開できますが、中心までの加熱を確認し、焼き色だけで仕上がりを判定しないでください。結着・成形したサイコロステーキとは商品を区別します。
フラップのうち、スクウェアにとった1の部分もおいしいステーキがとれます。
繊維に直角に、厚さ1,5cmほどにカッティングします。
サイコロステーキ
同じフラップのスクウェアにとった部分を厚さ2cmにカットします。
さらに角切りにして、一口サイズのステーキにします。
カッティングのポイント
- チャックアイは身割れしやすいので、しっかりと形を整えることが大切です。
- チャックフラップは、筋肉の流れに添って柵どりし、やわらかさを引き出します。
- 柵どりは、用途にマッチさせます。
飼料区分とカット規格は分けて確認
グラスフェッド、グレインフェッドは飼養方法に関する区分です。呼び名だけで無脂肪・健康効果・やわらかさ・霜降りを保証するものではありません。定義や認証は産地・制度ごとに異なるため、仕入先の規格を確認します。
海外のカット例は米国食肉輸出連合会の部位案内も参考になります。国内では日本食肉格付協会の部分肉規格を参照し、名称が似ていても分割線が同じとは決めつけないでください。
加工・加熱・保存の注意
硬い筋を除き、繊維を断つ方向に切ることを基本に厚さを調整します。筋切り器で処理する場合は、器具の洗浄・消毒と処理後の中心加熱を管理します。
加熱用牛肉は中心まで十分に火を通します。特に筋切り(テンダライズ)・調味液の浸透・結着・牛脂注入などの処理肉やひき肉は、中心75℃で1分間以上、または同等の加熱条件を確認してください。焼き色や肉汁の色、表面の焼き時間だけでは判定せず、温度計で中心温度と保持時間を確かめます。 厚生労働省掲載の衛生管理資料(加工処理肉の加熱)をご確認ください。
長時間の常温放置で室温に戻す方法は勧めません。解凍は冷蔵庫等の管理された低温で行い、生肉の器具と加熱後に使う器具を分けます。保存日数は一律に「冷蔵3日・冷凍1か月」と決めず、表示期限・保存温度・開封/解凍履歴・自店の衛生管理基準に従います。牛肉の解凍と温度管理もご参照ください。
加工例と販売商品を区別する

当社Mマートの国産牛肩ロースID118は、国産ホルスタイン経産牛のネックなし・冷凍ブロック、1本約10〜15kgの販売規格です(2026年10月15日掲載確認)。掲載用途は薄切り・焼肉・コマ材等が中心で、本記事の厚切りステーキ加工を全量に保証する商品ではありません。基本はブロック原料での提供です。
掲載単価は税込3,024円/kgです。当社確認では販売可能な在庫があり、暫定金額36,288円(税込、12kg換算)で案内可能です(2026年10月15日確認)。不定貫の実重量・確定金額・送料・在庫・納期を注文前にお問い合わせください。厚切り希望の場合は、部位の範囲・必要枚数・1枚重量を伝えて用途適合を確認します。
まとめ
肩ロースは小割りと繊維方向の確認によって、ステーキ、焼肉、薄切り、コマ材へ使い分けられます。写真の厚みや枚数は加工例として捉え、同じ規格・加熱条件で試作して食感と歩留まりを確かめましょう。
肩ロース全体の特徴と商品価値、牛肉の希少部位の特徴も合わせて確認してください。



コメント
コメント一覧 (1件)
[…] エムマート(畜産市場)の肩ロースで海外でのステーキを作る方法とは?https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/1471/御覧頂きありがとうございます。 今回は、エムマート市場における「肩ロース」を使ったステーキを使った方法について… […]