焼肉店で人気メニューの一つ「ハラミ」という部位があります。
牛の内臓を吊っている横隔膜とよばれ、「ハラミ」「サガリ」に分けられるようになっています。
地域によってはハラミとサガリの両方をハラミと販売したり、ハラミ、サガリと名称を分けて販売されているところがあります。
牛の腹部にかいのみ部位とつながりのあるハラミ、また、ハラミにくっついているサガリ。
現在の流通としては内臓に隣接しているためホルモンとして区分されています。
ハラミとサガリはどちらも肉の繊維の間隔が広く、濃い赤身が特徴的です。
ホルモン特有のカロリーがバラでとれるカルビより低カロリーであるため、味わいがタンパクで食べやすいので、人気の理由ではないかと思います。
- ハラミとは?サガリとは?
- サガリとハラミとは一体どのように違うのか?
- ハラミとサガリの選び方のポイントは?
- 注意しておきたいハラミとサガリの取り扱いかたとは?
- ホルモンの特徴とまとめ
ハラミとサガリの違いを中心におさえておきたい代表的なホルモンのまとめもご紹介していきます。
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ハラミとサガリは横隔膜|ホルモンとして扱われどちらも赤身の肉質
ハラミとサガリは、横隔膜といい内臓を吊っている筋肉になります。
腹腔の内壁に付いている横隔膜の肉になります。
画像ではハラミとサガリは別々となっていますが、ハラミとサガリはくっついています。
肉質はハラミのほうが脂肪が含みやすい傾向にあり、サガリのほうが赤身傾向になりますが、ハラミのほうがやわらかくサガリのほうが硬い傾向にあります。
関東では「ハラミ」と「サガリ」を区別せず、どちらもハラミと呼ばれています。
和牛、交雑種、ホルスタインの品種によって、肉質、色合いがかわります。
和牛は、肉の厚みや柔らかさがホルスタインや交雑種よりやわらかく、食べるために切り方としては厚みのある焼肉になります。
ホルスタインになると厚みが薄く、硬めになるため肉の繊維をみながらやわらかく食べられるように薄く切ります。
このように品種によっても違いがありますので、肉質で切り方が変わったり食感が変わります。
なお、交雑種は和牛とホルスタインの中間にあたります。
国産と和牛の違いについてはこちらの記事で紹介しています。
また、ホルスタインになるほど赤身が濃く、和牛は薄くなりますがハラミとサガリで赤身を求める場合は交雑種やホルスタインを選び、やわらかさでは和牛の選択肢がよいでしょう。
ハラミとサガリは、ホルモンとして流通しています。適度な脂肪とやわらかさがあり、コクがあります。
バラの牛カルビの100g/455kcal
ハラミは100g/342kcal
サガリは100g/266kcalとカロリーはバラのカルビよりは低い。
ハラミとは
ハラミの英語読みはインサイドスカートとよばれており、対となる部位はアウトサイドスカートは「かいのみ」にあたります。
インサイドスカートとアウトサイドスカートは対になっていますが、肉質は似たような傾向にありますので隠れた人気があります。
横隔膜の上部にあたるハラミは、和牛や交雑種になると脂肪が多く付着するようになりますが霜降りが入り、厚みや肉質がやわらかくなります。
かいのみについての詳細記事はこちらから
【和牛 100gあたり】
エネルギー 342kcal
脂質 30.2g
カルシウム 2mg
ビタミン 7(A)μg
コレステロール 72g
サガリとは?
サガリは、横隔膜の腰椎に近い部位(下部)のことで、ハラミより厚みがあり、肉質がやわらかく適度な脂肪があるので焼肉によく用いられます。
英語読みでバベットとも呼ばれています。
和牛には厚みがありますが、国産の交雑やホルスタインになると脂の量が減り、赤身が濃く肉厚が薄くなります。
【和牛 100gあたり】
エネルギー 266kcal
脂質 19.2g
カルシウム 5mg
ビタミン 3(A)μg
コレステロール 81g
ハラミとサガリの下処理|やわらかくする方法
ハラミとサガリの下処理では、肉の中側にすじがほとんどなく、外側の脂肪とすじの除去が必要となります。
ただし、ハラミとサガリのまわりに厚みのある膜があり、これは串ものの牛すじとして使えます。
適度な食感があり、輸入ものでは「メンブレン」とも呼ばれています。
やわらかくするには植物酵素を用いたほうが香りにもアクセントがつきます。
例えば、梨をすりおろし漬け込むことによってやわらかくなり、さらに消化の助けとなります。千切りにしてサンチェと合わせると夏と秋の旬にあわせた料理になります。
また、梨とニンニクをすり下ろし、醤油、酒、砂糖、みりんを煮詰めた調味液を合わせて冷蔵庫で冷やすと、焼肉のつけダレとして使えます。
「ハラミとサガリにもうすこし味わいをもたしたい!」
と、感じたら作ってみるとよいですね!
あっさりとしてうま味を引き立てくれます。
ハラミとサガリの選び方のポイント|注意点について
牛肉のハラミとサガリの取り扱いについて注意すべき点があります。
牛肉、ホルモンなどはと畜後適正な温度管理によって熟成されます。これは、品質管理もありますが牛肉に含むアミノ酸(遊離アミノ酸)が変化するからです。
と畜後、一晩牛肉を寝かせてから解体処理し、店頭に並ぶまで4日ほどかかります。
この間に遊離アミノ酸が増加傾向にありますが、日数を経ていくうちに品質劣化がおきます。ハラミ、サガリは水分の含有量も多いので、より早く食することおすすめします。
また、品質保持のため冷凍保存をするのもよいですが、食するときは香辛料など使うとよいです。
香辛料には食品を劣化を抑制する効果と抗菌作用があるからです。
【食品劣化の抑制のある香辛料】
クローブに含むオイゲノール、タイムに含むチモールなどのフェノール化合物、ネギ属のアリルスルフィド類、しょうがのジンゲロンに強い抗酸化、コショウ、とうがらし、ターメリックなど。
【抗菌作用に強い香辛料】
ガーリック、クローブ、シナモン、マスタード
あわせて使うと香り付にもなりますで是非活用してみてください。
ホルモン部位のまとめ
牛内臓はタン、ハラミ、などの「赤物」と、小腸、大腸、胃袋などの「白物」といわれます。
- 第1はミノ
- 第2はハチノス
- 第3はセンマイ
- 第4は、ギアラ
ハツ(心臓)・・・筋繊維が細かいため。コリコリした歯ざわりがあります。たんぱく質とビタミンB1・B2が多い部位になり、下味をつけて焼くか串焼きに使われます。
レバー(肝臓)・・・たんぱく質、ビタミンA・B2、鉄が多い部位。血抜きをし、しょうがやにんにくのすりおろしたものや、酒、醤油などで下味をつけると食べやすくなります。
マメ(腎臓)・・・脂肪が少なく、鉄、ビタミンB2が多く、ぶどうの房状をしています。縦半分にカットして白い筋を除き、洗ってバター焼き、もつ焼きに使えます。
ミノ(第一胃)・・・牛の4つの胃の中で一番大きく肉厚でかたく、繊毛が密集しています。第一胃のうちとくに厚くなった部分は「上ミノ」と呼ばれ、焼肉店でもおなじみのものです。
ハチノス(第二胃)・・・胃の内壁の形が名のとおり蜂の巣のように、ひだになっていることから呼ばれています。蜂巣胃ともいい、煮込み料理やもつ焼きなどに利用されています。
センマイ(第三胃)・・・千枚のひだがあるような形で、特有の歯ざわりがあり、脂肪が少なく、鉄を多く含む。ゆでて売られていますがもう一度ゆでて、氷水にさらして臭みを除きます。
ギアラ(第四胃)・・・第一胃から三胃にくらべて表面がなめらかで、薄く、大きなひだがあるのが特徴。アカセンマイともよばれています。主に煮込み料理に使われています。
ハラミ(横隔膜)・・・焼肉用に使われ、輸入物は、アウトサイドスカートといいます。和牛になるとサシが流れるように美しく栄えます。
サガリ(横隔膜)・・・横隔膜の腰椎に接する部分で、ハラミと同様、適度にサシが入ります。肉質は柔らかく、ハラミとサガリをまとめてハラミという場合もあります。
ヒモ(小腸)・・・大腸より薄く、かたいのですが、じっくり煮込むとおいしく食べられます。付け焼きなどに向いています。シロやテツと呼ぶ方もいます。
シマチョウ(大腸)・・・ヒモに比べると厚く、かたいので長時間煮込む必要があります。シロ・テツと呼ぶ方がいます。
タン(舌)・・・脂肪が多く、かたいです。煮込むとやわらかくなり、売られている場合がありますが、舌先は硬く、真ん中あたりは焼肉に使われ根元の部分は、もっとも柔らかくサシがはいります。(上タン)
他にも、ホホ肉、テール、ハツモト、ノドスジ、フエガラミ、フワ、チチカブ、ノドシビレ、ハラ脂、コブクロ、モウチョウ、テッポウ、アキレスなどがあります。
まとめ
ハラミとサガリには横隔膜といい、内臓を吊っている役割があります。
それぞれには特徴がありますが、基本的には焼肉用に提供されることが多いです。
見分け方としては、カットされたものであればハラミは、流れるようにはいっていますが、サガリ一直線にはいっています。
お店の切り方によりますが、どちらともあっさりしていて肉の味が濃いといえます。
カットの方法によっては見栄えも大きく変わります。
また、内臓には、白物と赤物とわけられますが、まだ聞いたこともないような内臓がありました。
BSEの規制によって内臓の流通の制限がありますが、昔は健康のために脳みそも食べられていたそうです。(BSE規制前)
近年では、このBSEの緩和があり、今まで流通していないものも焼肉店で並ぶのではないでしょうか。
たとえば、現在のホホ肉は「外ホホ」と「内ホホ」があり、外ホホのみの流通でしたが、法律の緩和しだいでは「うち「ホホ肉」も食べられるようになるでしょう。
また、ホルモンの楽しみが増えるのではないでしょうか。
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