サガリとハラミはどっちが高い?値段・部位・味・業務用原価を比較

「サガリとハラミは、どちらが高いのか」

「味ややわらかさに違いはあるのか」

「業務用では、どちらを仕入れるべきか」

焼肉店や精肉店でも、判断に迷いやすい部位です。

結論から言えば、価格に絶対的な上下関係はありません。

一般的には、知名度と需要の高いハラミが、高値になるケースがあります。

しかし、国産・輸入、品種、整形状態によって価格は逆転します。

サガリの方が高い商品も珍しくありません。

業務用では、kg単価だけで比較してはいけません。

次の条件をそろえて判断します。

  • 原産地
  • 品種
  • 冷蔵・冷凍
  • 整形状態
  • 脂肪や筋の量
  • 使用可能部分
  • ロット
  • 送料
  • 継続供給

この記事では、ハラミとサガリの違いを解説します。

さらに、焼肉店での1人前原価まで計算します。

目次

結論|ハラミとサガリはどちらが高いのか

同じ条件なら、ハラミが高値になる場合があります。

ハラミは知名度が高く、焼肉店でも人気があるためです。

ただし、これは絶対的な法則ではありません。

価格を左右するのは、部位名だけではないからです。

例えば、次の商品は同列に比較できません。

  • 輸入牛の冷凍ハラミ
  • 国産牛の冷蔵サガリ
  • 未整形のハラミ
  • 筋引き済みのサガリ
  • 和牛のハラミ
  • ホルスタインのサガリ

国産の整形済みサガリが、輸入ハラミより高い場合もあります。

反対に、未整形のサガリが安く見える場合もあります。

したがって、結論は次のとおりです。

部位名だけで、どちらが高いかは判断できません。
同じ原産地、品種、加工状態で比較する必要があります。

真ん中がサガリ、上下がハラミ

ハラミとサガリの違い

ハラミとサガリは、どちらも牛の横隔膜です。

見た目は赤身肉に近いものの、食肉分類では内臓に含まれます。

農林水産省の部位紹介では、ハラミは横隔膜の腹側です。

サガリは、横隔膜の腰椎に近い部分と説明されています。

ハラミとは

ハラミは、横隔膜の腹側にある部分です。

適度に脂肪が付き、濃い味を感じやすい傾向があります。

焼肉では、知名度の高い人気商品です。

主な用途は次のとおりです。

  • 焼肉
  • ステーキ
  • 味付け肉
  • 弁当
  • 冷凍加工品
ハラミ

サガリとは

サガリは、横隔膜の腰椎に近い部分です。

ハラミより赤身感を感じる商品もあります。

農林水産省では「ビワハラミ」とも紹介されています。

主な用途は次のとおりです。

  • 焼肉
  • ステーキ
  • サガリ定食
  • 味付け肉
  • 串焼き
  • 弁当
サガリ

流通上の呼び方には違いがある

販売現場では、ハラミとサガリをまとめて扱う場合があります。

地域や出店者によって、商品名の使い方も異なります。

「ハラミ」と書かれていても、内容にサガリが含まれる場合があります。

業務用で仕入れる際は、商品名だけで判断しません。

商品規格書や現物写真を確認してください。

ハラミとサガリの比較表

比較項目ハラミサガリ
部位横隔膜の腹側横隔膜の腰椎に近い部分
分類内臓肉内臓肉
味の傾向脂のコクを感じやすい赤身感を感じやすい
食感やわらかさと弾力やわらかさと肉感
知名度高い地域により差がある
主な用途焼肉、味付け肉焼肉、ステーキ
価格需要により高くなる場合がある規格により高くなる場合がある
注意点脂肪と筋の量を確認筋と膜の処理を確認

味や食感には、個体差があります。

品種、肥育方法、熟成、冷凍状態でも変わります。

表は、あくまで一般的な傾向です。

値段が変わる7つの理由

1.国産か輸入か

国産と輸入では、供給量や流通経費が異なります。

ただし、国産だから必ず高いとは限りません。

為替、需要、輸送費によって輸入品も上昇します。

2.牛の品種

同じハラミでも、品種によって価格が変わります。

  • 和牛
  • 交雑牛
  • ホルスタイン
  • 輸入牛

和牛は高値になりやすい傾向があります。

一方、ホルスタインや輸入牛は、業務用で使いやすい商品があります。

3.冷蔵か冷凍か

冷蔵品と冷凍品では、流通条件が異なります。

冷蔵品は、賞味期限と納品計画の管理が必要です。

冷凍品は、在庫管理しやすい利点があります。

解凍後の状態も確認してください。

4.未整形か整形済みか

未整形品には、膜、筋、脂肪が残っています。

価格は安く見えても、除去後の重量が減ります。

整形済み商品は、kg単価が高くなる場合があります。

しかし、仕込み時間を短縮できます。

5.歩留まり

歩留まりとは、仕入れ重量に対する使用可能重量の割合です。

未整形品を10kg仕入れても、10kgすべては使えません。

筋や膜を除去すると、使用可能重量が減ります。

6.ロットと送料

小ロットは、1kg当たりの送料負担が増えます。

ケース単価だけでなく、送料を含めて比較します。

7.需給と入荷時期

ハラミとサガリは、供給量が限られる部位です。

需要が供給を上回れば、価格は上がります。

継続メニューに使う場合は、供給の安定性も確認します。

ハラミとサガリの値段を比較する方法

値段を比較するときは、条件をそろえます。

次の比較は正確ではありません。

未整形サガリ2,000円/kg
整形済みハラミ2,800円/kg

サガリの方が安く見えます。

しかし、筋や膜を除去すると原価が上がります。

使用可能部分原価の計算式

使用可能部分原価=商品単価÷整形歩留まり

例えば、未整形サガリの条件が次の場合です。

  • 商品単価:税抜2,000円/kg
  • 整形歩留まり:75%

計算します。

税抜2,000円÷75%=税抜約2,667円/kg

整形済みハラミが税抜2,600円/kgなら、ハラミの方が安くなります。

表示単価だけでは、正しい比較ができません。

送料を含む実質原価

業務用では、送料も原価へ加えます。

次の式で計算します。

実質仕入単価=商品代金と送料の合計÷納品重量

例えば、次の条件です。

  • 商品:10kg
  • 商品単価:税抜2,800円/kg
  • 送料:税抜2,000円

商品代金は税抜28,000円です。

送料を加えると税抜30,000円です。

税抜30,000円÷10kg=税抜3,000円/kg

実質仕入単価は、税抜3,000円/kgです。

焼肉1人前の原価計算

焼肉店では、1人前の重量から原価を計算します。

計算例

  • 商品単価と送料:税抜3,000円/kg
  • 整形歩留まり:85%
  • 1人前:80g

まず、使用可能部分原価を求めます。

税抜3,000円÷85%=税抜約3,529円/kg

次に、1人前原価を求めます。

税抜3,529円×0.08kg=税抜約282円

肉原価は、1人前税抜約282円です。

これには、次の費用を含んでいません。

  • タレ
  • 薬味
  • 付け合わせ
  • 人件費
  • 水道光熱費
  • 家賃
  • 販売手数料

販売価格を決める際は、すべての費用を確認します。

どちらがおいしいのか

どちらがおいしいかは、顧客の好みで変わります。

ハラミが向いている顧客

  • 脂のコクを求める
  • 濃い味を好む
  • 焼肉らしい満足感を求める
  • 知名度の高い商品を注文したい

サガリが向いている顧客

  • 赤身感を求める
  • 比較的あっさりした味を好む
  • 肉らしい食感を楽しみたい
  • 地域性のある商品を求める

部位名だけで味を断定してはいけません。

実際の商品を試食して判断します。

どちらがやわらかいのか

ハラミとサガリは、どちらもやわらかさのある部位です。

ただし、常にどちらかがやわらかいとは限りません。

食感は次の条件で変わります。

  • 品種
  • 個体
  • 筋の位置
  • 膜の除去
  • カット方向
  • 厚さ
  • 焼き加減

繊維に沿って切ると、噛み切りにくくなります。

繊維を断つようにカットしてください。

加熱しすぎても硬さが出ます。

部位名より、下処理と焼き方が重要です。

ハラミ・サガリの業務用メリット

焼肉店の定番商品にできる

ハラミは、消費者の認知度が高い部位です。

メニュー名を見ただけで、料理を想像しやすくなります。

サガリは、赤身商品や地域メニューとして提案できます。

味付け商品へ展開できる

ハラミとサガリは、タレとの相性を作りやすい部位です。

次の商品へ展開できます。

  • 味付け焼肉
  • 焼肉弁当
  • ステーキ丼
  • 串焼き
  • 冷凍ミールキット

客単価を上げやすい

希少部位や国産牛として訴求できる商品があります。

通常商品と上位商品を分ける方法もあります。

ただし、根拠のない「上ハラミ」表示は避けます。

品質や規格の違いを説明してください。

業務用でよくある失敗

kg単価だけで仕入れる

未整形品と整形済み商品を同列に比較すると、判断を誤ります。

歩留まりと仕込み時間を計算します。

ハラミという商品名だけで判断する

商品によっては、サガリを含めて販売している場合があります。

規格と原料を確認してください。

写真だけで品質を判断する

写真と納品商品には、個体差があります。

脂肪量、筋、重量の許容範囲を確認します。

解凍後歩留まりを測らない

冷凍商品では、解凍後に重量が変わる場合があります。

冷凍重量だけで原価を決めてはいけません。

継続供給を確認しない

スポット商品を定番メニューにすると、欠品する可能性があります。

継続入荷、代替商品、納期を確認してください。

売価から逆算していない

人気部位でも、利益が残らなければ継続できません。

目標原価率から、仕入上限を逆算します。

ハラミ・サガリを仕入れる際の10項目

  1. ハラミかサガリか
  2. 原産地
  3. 牛の品種
  4. 冷蔵か冷凍か
  5. 未整形か整形済みか
  6. 1本当たり重量
  7. 整形歩留まり
  8. 最低ロット
  9. 送料
  10. 継続供給の可否

不明な内容は、購入前に出店者へ確認します。

ハラミ・サガリが入手できない場合

ハラミとサガリは、入荷が安定しない場合があります。

欠品時に、無理に同じ商品名で代替してはいけません。

提供したいメニューから、代替部位を選びます。

赤身焼肉を作りたい場合

  • ランプ
  • イチボ
  • しんしん
  • うちもも

味付け焼肉を作りたい場合

  • 牛正肉
  • かた
  • そともも
  • バラ系赤身

ステーキ商品を作りたい場合

  • ランプ
  • イチボ
  • サーロイン
  • インジェクションステーキ

ハラミの代用品として販売するのではありません。

新しい商品価値を設計してください。

五十嵐商会の現場で見るハラミ・サガリ

五十嵐商会は、国産牛を枝肉で仕入れています。

脱骨加工の現場では、同じ部位名でも個体差を確認します。

特に見るのは、次の項目です。

  • 肉の厚み
  • 脂肪量
  • 筋の入り方
  • 肉色
  • 水分
  • 整形後の形
  • 商品化できる重量

大切なのは、ハラミかサガリかだけではありません。

その商品から、何人前取れるかを考えます。

さらに、どの価格で販売できるかを計算します。

部位を売るのではありません。

焼肉、弁当、定食というメニューへ変えます。

最終的には、顧客の利益改善へつなげます。

よくある質問

サガリとハラミはどちらが高いですか

ハラミが高値になる場合があります。

ただし、原産地、品種、整形状態によって逆転します。

同じ条件で比較してください。

サガリとハラミは同じ部位ですか

どちらも横隔膜ですが、位置が異なります。

ハラミは腹側です。

サガリは腰椎に近い部分です。

ハラミとサガリは肉ですか、ホルモンですか

見た目は赤身肉に近いものの、分類上は内臓肉です。

サガリの方があっさりしていますか

赤身感を感じやすい商品があります。

ただし、脂肪量や品種によって異なります。

業務用ではどちらがおすすめですか

商品名ではなく、提供するメニューで選びます。

知名度を重視するならハラミが候補です。

赤身感や地域性を訴求するならサガリが候補です。

価格はどこで確認できますか

現在の商品ページで確認してください。

価格記事の数字は、時間とともに古くなります。

商品代、送料、歩留まりを合わせて比較します。

牛肉 ステーキ

まとめ|価格より使用可能部分の原価で選ぶ

ハラミとサガリは、どちらも牛の横隔膜です。

ハラミは腹側にあります。

サガリは腰椎に近い部分です。

価格は、ハラミが高くなる場合があります。

しかし、部位名だけでは判断できません。

次の条件で価格は変わります。

  • 国産・輸入
  • 品種
  • 冷蔵・冷凍
  • 整形状態
  • 歩留まり
  • ロット
  • 送料
  • 需給

業務用では、kg単価だけを見てはいけません。

使用可能部分の原価を計算します。

さらに、1人前原価まで落とし込みます。

安く仕入れることだけが目的ではありません。

顧客が注文したくなるメニューを作ります。

そのうえで、利益の残る価格を設計してください。

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業務用の牛肉をお探しの方へ

五十嵐商会では、国産牛ホルスタイン経産牛を中心に扱っています。

ハラミやサガリは、入荷状況が変わる場合があります。

商品がない場合は、用途に合う代替部位もご提案します。

仕入れでは、次の条件をご確認ください。

  • 用途
  • 必要数量
  • 希望原価
  • 希望納期
  • 冷蔵・冷凍
  • 継続使用の有無

入荷状況や代替部位をご相談ください

「国産牛ハラミの在庫を確認したい」

「サガリに近い赤身原料を探している」

「焼肉1人前の原価を抑えたい」

「定番メニューとして安定供給したい」

このような場合は、使用用途と必要数量をお知らせください。

在庫、部位、歩留まりを確認し、用途に合う原料をご案内します。

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用途、部位、歩留り、原価管理を確認しながら、自社に合う商品をご検討ください。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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