ステーキや焼肉の味を調整するときは、強い香りを足す前に、肉の部位・脂・調理法と、狙う香り・辛みを決めましょう。この記事では個々の香辛料・ハーブの名称、使いどころ、加えるタイミングと保存を紹介します。完成したタレの使い分けや配合レシピは関連記事で確認できます。
スパイスとハーブで牛肉の香り・辛み・彩りを選ぶ
スパイスやハーブは、料理に香り・辛み・色などを加えるための素材です。特定地域だけで発達したものとはせず、ここでは牛肉料理での使い分けを見ていきます。
スパイスとして使われるものは、植物の根、茎、種子、実、花などです。スパイスには香りを目的としたもの、辛味を与えるもの、またはこれらの目的を二つ以上もっているものなどがあります。
すべてが辛いわけではありません。香りを足すもの、辛みを付けるもの、色を添えるものなど、目的を分けて選びます。
代表的なものに、唐辛子、マスタード、こしょう、わさびなどがあります。
香辛料を加えても、食中毒予防・保存期限の延長・消化や医療上の効果を保証することはできません。傷んだ肉の臭いを隠して使う目的では使用しないでください。
香味料に使われるのは、主にローリエ(月桂樹の葉)、ナツメグ、クローブ、セロリなどです。
色を用いるのは、サフラン、パプリカ、ターメリック(うこん)などがあります。
ハーブとは?
ハーブは、料理では主に香りのある葉や茎などを使う香草を指します。スパイスとの区分は用途や呼び方によって重なる場合があります。
高い香りと独特の風味をもつ草類のことです。
パセリ、チャービル、タラゴン(仏・エストラゴン)、タイム、セイジ、バジル、マージョラム、アンゼリカなどがこれに属します。
生のハーブと乾燥ハーブがあり、料理の香りづけに使います。同じ重量で同じ香りになるわけではないため、製品表示やレシピを起点に少量から調整します。
また数種の香草を取り合わせ糸で結んだもののことをブーケ・ガルニ(香草の束)といいます。
煮込み料理やブイヨンなどを作るときに一緒にいれます。
ブーケガルニの作り方
古くから伝わるブーケ・ガルニはタイム、ローリエ、パセリを束ねます。
その他ハーブや野菜の茎や葉を加えてもよいです。
図はセロリとリーク(ネギ)を加えたもの。

洋風料理によく使用されるスパイスとハーブ
スパイスとハーブの種類と使い方についてご紹介していきます。
こしょう(仏・Poivre,英・Pepper)
こしょうの実を乾燥させたもので、黒と白があります。
ブラックペッパーは、未熟な果実を果皮ごと乾燥したもので、力強い香りが特徴です。
ホワイトペッパーは、熟した果実の果皮を除いて乾燥したもので、比較的穏やかな香りが特徴です。白と黒を単純な辛さや品質の順位にせず、料理の色と香りで使い分けます。
肉料理にこしょうはよく使用されます。
焼肉やひき肉だんごには黒がよく、ホワイトソースやホワイトシチューなどには白、できれば粒をひいて使うと香りが生きます。
辛子(仏・Moutarde,英・Mustard)
からしの種子を使う香辛料で、粉末や練りタイプなどがあります。種類・製法・味付けは商品によって異なります。
粉末に水を加えることで辛味が得られます。
ハンバーグステーキ、肉のソテー、ソーセージのソースに最適です。
月桂樹の葉(仏・Laurier,英・Bayleaf)
月桂樹の葉を乾燥したもので、芳香を付けるために広く使われます。
ブイヨン、シチュー、ホワイトソース、マリネなど、とくに煮込みにいれるとグッと味が引き立ちます。
ナツメグ(にくずく/仏・Noix de Muscade,英・Nutmeg)
ニクズクの種子の仁を乾燥したスパイスで、粉末などをひき肉料理やソースの香りづけに使います。必須の材料ではなく、製造者の用途・使用量を優先して少量ずつ加え、大量使用は勧めません。
ハンバーグ等のひき肉料理、乳製品を使うソースや菓子などが用途の例です。
タイム(仏・Thym,英・Thyme)
シソ科のじゃ香草を乾燥したものです。肉類の臭みを消すのに役立ちます。
ソース各種、コロッケのほか、香草の束には欠かせません。
丁子(仏・Clou de Girofle,英・Clove)
花のつぼみを乾燥させた茶褐色のくぎに似た形のものです。
刺激性の香りが強く、ハムや豚肉に刺してオーブン料理に、粉末は焼きリンゴやブディングにも用いられます。
パセリ(仏・Persil,英・Parsley)
よく知られている香草の一種です。
茎を香草の束として魚や肉の煮込みに、またマリナードに使います。
葉のみじん切りは各種料理の風味付けと彩りに用います。
中国料理によく使用されるスパイス
中国料理に使用されるスパイスについてご紹介していきます。
にんにく
独自のにおいは、肉の下味や炒め物に適しています。
にんにく嫌いな人は塊のまま炒め、香りが立ったらとりだします。
しょうが
香味と香りが料理を引き立てます。
にんにくと併用することが多く、薄切り、千切り、みじん切り、すりおろしにして使います。
唐辛子
ピリッとした辛さが味を引き締めます。
ホール・輪切り・粉末などの形状と、油や加熱時間で風味の出方が変わります。最初か最後かだけで辛さを決めず、製品や料理に合わせて調整し、焦がさないようにします。
花椒(ホアジャオ)と実山椒は分けて選ぶ
中国料理で使う花椒と、日本の山椒は同じミカン科でも種類が異なります。実山椒を花椒の別名とは扱いません。花椒のホールは炒め物・煮込み、パウダーは仕上げなどに使い、しびれる風味を少量から調整します。
八角
八角(スターアニス)は星形の果実を使う香辛料で、フェンネル(ウイキョウ)とは別の植物です。似た甘い香りがあっても同じ材料として扱わず、食品用として販売された商品を使います。
強烈な香りは肉類や内臓料理の臭い消しに向きます。
内臓料理・ホルモンのおすすめレシピはこちら!
和風料理のスパイスとハーブ
前述の、しょうが、にんにく、唐辛子、実ざんしょうのほかに、木の芽、青じそ、あさつき、ゆず(かぼす、だいだい)、ごまなどは、肉料理の場合に、下味や仕上げの天盛りなどに使用されます。
乾燥品は製品表示に従い、湿気・光・高温を避けて密閉します。生のハーブは同じ保存方法とは限らず、表示に従って冷蔵などで管理します。清潔で乾いた器具を使い、開封日を管理し、鍋の蒸気が容器に入らないようにします。香りの低下と安全上の劣化は同じ判断ではありません。
加えるタイミングと使用量を調整する
ホールは煮込みや漬け込みで香りをゆっくり出す使い方、粉末は下味や仕上げなどが候補です。細かい粉末は香りが立ちやすい一方、長時間加熱で飛びやすいものもあります。生ハーブ、乾燥品、ホール、粉末を同量で置き換えず、製品の案内から試作して調整します。
下味を付けた肉も表示どおり低温管理し、生肉に使った器具を仕上げの調味料に使い回しません。香辛料を加えたことで、期限や温度管理の不備を帳消しにはできません。
名称や使い方の確認に使った資料
エスビー食品・こしょうの製法と形状による使い分け、エスビー食品・花椒と山椒の違い、エスビー食品・スターアニスを参照。ナツメグは同社のナツメグ解説も参考になります。個々の製品の原材料・使用方法・保存方法は手元の表示を優先します。
まとめ
香辛料は、肉や料理の状態を安全にする代用品ではなく、香り・辛み・彩りを調整する材料です。名前の似た別の素材を取り違えず、形状・使用量・タイミング・保存方法を合わせて選びましょう。
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