ホルスタイン牛肉で作るローストビーフ|部位選び・焼き方・加熱のポイント

ホルスタイン牛肉は、赤身を生かした料理に使いやすく、飲食店や惣菜など業務用の原料としても活用されています。

とくに、うちもも・ランプ・しんたまなどのもも系部位は、形を整えやすく、ローストビーフなどの塊肉料理にも利用しやすい部位です。

一方で、ホルスタイン牛肉は部位や個体によって脂肪の入り方や肉質が異なります。ローストビーフに仕上げる場合は、部位選びだけでなく、肉塊の厚さや重量に合わせた加熱が重要です。

また、ローストビーフは表面の焼き色や肉の色だけで安全性を判断することはできません。中心温度計を使用し、肉の最も熱が伝わりにくい部分まで十分に加熱してください。

この記事では、ホルスタイン牛肉をローストビーフに使う際の部位選び、下準備、焼き方、加熱するときのポイントを食肉卸の立場から解説します。

この記事を読むとわかること

・ホルスタイン牛肉でローストビーフに使いやすい部位
・うちもも・ランプ・しんたまの特徴
・ローストビーフを作る前の下準備
・塊肉を加熱するときのポイント
・焼き時間や肉の色だけで判断しない理由
・中心温度を確認する重要性

目次

適切な温度と調理の仕方でローストビーフの仕上がりが違う!

ローストビーフとは、蒸し焼きによるものですが、オーブンまたは厚手のなべを使用します。

この調理は、硬い部位でも柔らかくする方法の代表的な方法ですが、ヒレなどの部位に使用すると硬くなる場合があります。

要は、肉のきめ(筋肉繊維の収束)によって適さない場合がありますので、注意が必要です。

今回は、ホルスタイン(ホルス)を使ってローストビーフの焼き方と焼き加減について記載していきます。

適切な部位や調理、肉の温度によってローストビーフの味が数段変わってきます。

下準備編

ローストビーフには、まず、やや柔らかく、赤身部位をおすすめします。

安い部位では、モモ系統(しんたま、らんぷ、うちもも)などが経済的で形良く使用できますのでおすすめです。

また、分量はオーブンの場合は、空気熱による加熱法なので水分が蒸発しやすく、ある程度の大きさがないと焼き上がりがパサついてしまいます。

  • ローストビーフには、形を整えやすい赤身系の部位が使いやすく、ホルスタインでは、うちもも・ランプ・しんたまなども選択肢になります。
  • 肉塊の大きさや厚さによって中心まで熱が伝わる時間は異なるため、重量だけで加熱時間を決めないことが重要です。
  • 肉を調理するまでは商品の表示に従って冷蔵保存し、必要以上に長時間室温へ放置しないようにしてください。
  • 形を整える必要がある場合はタコ糸を使用します。肉の厚さができるだけ均一になるよう整えると、中心温度も確認しやすくなります。
  • 塩・こしょうなどの味付けは、料理や使用するソースに合わせて調整してください。

たこ糸のかけ方

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最初は2~3回糸をからげると、結び目がゆるまない

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手に糸をかけて、輪を作ります

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肉をくぐらせ、糸を締めていきます

横がかけ終わったらひっくり返し、縦も糸をくぐらせていきます

ホルスタイン牛肉でローストビーフを作るときの焼き方

ローストは、初めから終わりまで高温で焼く方法と、初め高温で肉の表面を焼いたら、次に温度を下げて焼く方法の2通りがあります。どちらをとるかは、肉の部位や分量によって決めるのが良いでしょう。

  • はじめに肉の表面へ焼き色を付けることで、香ばしい風味を加えることができます。
  • ただし、表面を焼いたことだけで中心部まで安全に加熱されたとは判断できません。
  • 表面に焼き色を付けた後は、肉塊の厚さや重量、加熱開始時の温度、使用するオーブンや調理器具に合わせて中心まで加熱します。
  • 「1kgなら○分」「もも肉なら○分」といった時間だけを基準にせず、中心温度計を肉の最も厚い部分へ差し込み、必要な温度と保持時間を確認してください。
  • 一般的な食肉では、中心温度75℃で1分以上、またはこれと同等以上の加熱条件が目安です。
  • 焼き上がった後に肉を休ませる工程を取り入れる場合でも、余熱による温度上昇だけを安全性の根拠にはせず、必要な加熱条件を確認してから仕上げてください。

焼き時間や肉の色ではなく中心温度を確認する

牛肉の火の通り方は、肉の厚さ、重量、形、加熱開始時の温度、調理器具などによって変わります。

そのため、焼き時間、肉の色、肉汁、触ったときの弾力だけで十分に加熱されたかを判断することはできません。

中心温度計を使用し、肉塊の最も厚く、熱が伝わりにくい部分の温度を確認してください。

食中毒予防の一般的な加熱目安として、中心75℃1分以上、またはこれと同等以上の加熱条件があります。

牛肉を加熱するときの中心温度と時間

牛肉において、ロースト火加減と温度の目安をおさえていきます。

牛肉を安全に調理するためには、温度だけでなく、その温度をどれだけ維持したかも重要です。

一般的な食肉について厚生労働省が示している加熱条件の目安は次のとおりです。

  • 75℃:1分以上
  • 70℃:3分以上
  • 69℃:4分以上
  • 68℃:5分以上
  • 67℃:8分以上
  • 66℃:11分以上
  • 65℃:15分以上

肉の厚さや重量、調理器具によって中心温度が上昇するまでの時間は異なります。中心温度計を使用して確認してください。

天板に残った肉汁をソースに利用する場合は、生肉由来の肉汁が含まれている可能性を考え、ソースとして十分に加熱してから使用してください。

まとめ

ホルスタイン牛肉でローストビーフを作る場合は、肉質だけでなく部位の形や赤身の特徴を考えて選ぶことがポイントです。

とくに、うちもも・ランプ・しんたまなどのもも系部位は、赤身を生かしたローストビーフに活用しやすい部位です。

一方で、ローストビーフの仕上がりや安全性を「○分焼いた」「中心が赤い」「触った感触」といった一つの条件だけで判断することはできません。

肉塊の厚さや重量によって中心まで熱が伝わる時間は変わるため、中心温度計を使用して十分な加熱を確認することが重要です。

また、必要以上に室温へ放置せず、生肉を扱った包丁・まな板・調理器具から加熱後の肉へ汚染が移らないよう衛生管理にも注意してください。

ホルスタイン牛肉の特徴を理解し、適切な部位選び・下準備・加熱を組み合わせることで、赤身の特徴を生かしたローストビーフに仕上げることができます。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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