ホルスとは、ホルスタインの略称になります。
ホルスタインを使ったローストビーフが飲食店で使われるようになりました。
私が出店しているローストビーフ用のホルスタインは、歩留りがひじょうによく、約250円/100gと安価なため定評があります。
また、ホルスタインは赤身率がひじょうに高いため、脂の味わいが邪魔されることや牛肉の繊維が粗めであることからタレと絡みやすい傾向にあります。
ただし、ホルスタインは硬い肉質にありますので工夫が必要です。
今回は、ホルスタインを使った「ローストビーフ」の焼き方と焼き加減についてご紹介していきます。
- 形をくずないようにするタコ糸の縛り方とは。
- 下準備に必要な牛肉の取り扱い方。
- 焼き方について。
適切な温度と調理の仕方でローストビーフの仕上がりが違う!
ローストビーフとは、蒸し焼きによるものですが、オーブンまたは厚手のなべを使用します。
この調理は、硬い部位でも柔らかくする方法の代表的な方法ですが、ヒレなどの部位に使用すると硬くなる場合があります。
要は、肉のきめ(筋肉繊維の収束)によって適さない場合がありますので、注意が必要です。
今回は、ホルスタイン(ホルス)を使ってローストビーフの焼き方と焼き加減について記載していきます。
適切な部位や調理、肉の温度によってローストビーフの味が数段変わってきます。
下準備編
ローストビーフには、まず、やや柔らかい部位を使用します。
安い部位では、モモ系統(しんたま、らんぷ、うちもも)などが経済的で形良く使用できますのでおすすめです。
また、分量はオーブンの場合は、空気熱による加熱法なので水分が蒸発しやすく、ある程度の大きさがないと焼き上がりがパサついてしまうので、最低1kgは必要です。
- 肉は室温に戻しておきます。冷え切った肉を焼けば、それだけでオーブンに入れる時間が長くなり肉が硬くなります。焼く30分位以前に冷蔵庫から出します。(内部温度10度程度が目安です)
- オーブンはあらかじめ200℃前後に熱しておきます。
- 肉をタコ糸で縛ります。これは焼いている間の変形を防ぐためです。まず、肉を平らにおいて横にたこ糸をかけ、肉をくぐらせながら3~4cm間隔に締めていき、ひっくり返します。縦の長さを見積もって糸を切り、画像のように横にかかった糸に1本ずつかけて結びます(きつく締めすぎると火の通りが悪くなるので軽く締めます)。
- 塩は焼く直前と途中とに分けてふります。焼く前に塩をふると浸透圧によって肉の水分が出て硬くなってしまいます。
- 肉の表面に油を塗ります。これは肉に被膜を作って熱の当たり具合を間接的にし、乾燥を防いで、柔らかい焼き上がりにするためです。
たこ糸のかけ方
最初は2~3回糸をからげると、結び目がゆるまない
手に糸をかけて、輪を作ります
肉をくぐらせ、糸を締めていきます
横がかけ終わったらひっくり返し、縦も糸をくぐらせていきます
焼き方
ローストは、初めから終わりまで高温で焼く方法と、初め高温で肉の表面を焼いたら、次に温度を下げて焼く方法の2通りがあります。どちらをとるかは、肉の部位や分量によって決めるのが良いでしょう。
- 初めオーブンは200~220℃の高温で肉の周囲を焼き固めて、おいしい肉汁を逃さないようにします。
- 肉質と分量にあわせて、温度と時間を調節します。上質の柔らかい肉ほど火の通りが早いので、ヒレやロースは焼き終わりまで高温でも良いのですが(ロース1kgで約30分)、肉質が硬くなるほど時間がかかります。焼き始めて15分くらいたったら180℃、もも部位などは150℃に温度を下げ、時間も約40分~45分かけないとやわらかく焼きあがりません。
- 焼く途中、天板にたまる油をスプーンですくって肉にかけます。乾燥を防ぐとともに焼き色を良くします。
- 焼く具合を判断するには、赤身の部分を指でさわってみて弾力がありすぐ戻るようならレア(生焼け)、あまり弾力がないようならミディアム(中焼き)、硬く締まっていればウェルダン(よく焼き)で十分焼けています。
- 焼きあがった肉は、15~20分間そのまま置きます。この時点で肉の内部温度は2~3℃上がります。
- その他、天板に残った肉汁でソースを作ってローストビーフに添えて勧めます。ホースラディッシュ(西洋わさび)クリームも伝統的な組み合わせです。
ローストの火の通り加減と温度
牛肉において、ロースト火加減と温度の目安をおさえていきます。
- レアについては、55℃~65℃。
- ミディアムについては、65℃~70℃。
- ウェルダンにおいては、70℃~80℃。
- ベリウェルダンにおいては、80℃となります。
まとめ
今回は、ローストビーフについて記載していきましたが、大切な事は、肉の温度帯や調理の仕方、下準備が重要になってきます。
いずれかを怠っていてはよりおいしいローストビーフが出来上がりません。
また、牛肉の部位の選定の仕方は、もも部位が非常に経済的で(安価で購入できる)形がよいものに仕上がります。
とくに「うちもも」を使用するとよいのではないでしょうか。
これは、柵どりがしやすく、きれいな長方形の形ができやすくなり、好みの問題になりますが、サシ(脂肪交雑)が多く含むと口に残りやすくなります。
たたきなどつくる場合は、赤身部位を使用すると食感もよくあっさりしたものになります。
ロイン系を(リブロース、サーロイン、かたロース、ヒレ、)使う場合は、脂肪が多く含み、モモ系を使うと(しんたま、うちもも、そともも、らむいち)赤身肉となります。
この特徴を踏まえてローストビーフの食材の選び方をおさえておくのもよいのではないでしょうか。
コメント
コメント一覧 (4件)
[…] ホルスを使ったローストビーフの焼き方と焼き加減とは?https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/2085/御覧頂きありがとうございます。 […]
[…] […]
[…] ホルスを使ったローストビーフの焼き方と焼き加減とは? […]
[…] ホルスを使ったローストビーフの焼き方と焼き加減とは? […]