ホルスタインとは、乳用種の一種になります。
「乳用種」とは牛乳を取ることを目的とした牛の種類です。
国内で多いのがホルスタインで、他にはジャージー種、ブラウンスイス種などがあります。
今回は、ホルスタインについて深掘りしていきます。
- ホルスタインとはどういった牛なのかわかる。
- 和牛とホルスタインはどれくらいの価格が違うのか。
- ホルスタインの品質とはどういったもの?
- ホルスタイン肉質と味わい。
ホルスタイン牛の値段は?
ホルスタイン肉は和牛よりも約40%安く買えます。
その理由は、目的の違いです。
そもそも牛には「肉用種」と「乳用種」の2種類があります。
「肉用種」とはおいしくなるよう育てられ、「乳用種」は牛乳を搾るために育てられています。
いわゆる和牛は「肉用種」で、ホルスタインは「乳用種」です。
目的が違うことによって、価格差も違います。
和牛のリブロースの相場が1kgあたり3500円~4000円ほどですが、ホルスタインは1800円~2500円ほどになります。
部位と季節によって変化しますが、約40%ほど安くホルスタインが販売されています。
もちろん、その価格は市場にも反映されております。
ホルスタインと和牛はどう違う?
ホルスタインの原産地はドイツのホルスタイン地方です。
ホルスタインという名前の由来にもなっています。
他にはオランダの北オランダ州・フリースランド州も原産地として挙げられます。
現在飼養されている乳牛の大半がホルスタイン種で占められています。
原産国は日本ではありませんが性質がおとなしく、環境適応性が高いことから日本で最も育てられている品種になります。
一方和牛は、日本の在来種をもとに作られた食肉専用の牛です。
和牛は4種類あり黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種。
本原産だと思われがちですが、歴史の中で品種改良により外来種との交配が進み、純粋種といえるものは現在ほとんどありません。
ホルスタインと和牛を見分けられる?
和牛、交雑種、ホルスタインのリブロースを並べてみました。
左から和牛A5(ブランド牛)、真ん中が交雑牛B3、右端がホルスタインC2になります。
違いがわかりますか?
ホルスタインは、国産という表示において販売されているため、わかりづらいものではないかと思います。
国産として売られているものは主に2種類あります。
「ホルスタイン」と「交雑種」です。
交雑種はF1(エフワン)とよばれていて、主にホルスタインと和牛の掛け合わせとなっています。
一般的には「雑種」と言うほうがわかりやすいかもしれません。
この2種類が現在の市場に出回っている国産となります。
ホルスタインか交雑種か調べるには、ラベル表示してある11桁の個体識別番号をチェックします。
ただし、ミンチ材や切り落としで販売されているため表記がない場合は、お店での確認が必要です。
ホルスタインの特徴とは?
ホルスタインは乳用種として分類され、以下のような特徴があります。
- 和牛と比べて大型で発育が良い。
- 赤身肉が効率よく取れる。
- 黒白の斑点模様の毛色。
雌の体高は148cm、体重は730kgと大きい体格ではありますが和牛と比べ肉質は劣ります。
それは飼養目的が違うからです。
和牛は、肉専用種と呼ばれ人間が食する前提で飼養され、ホルスタインは牛乳を搾りだすために飼養されているからです。
ホルスタインを食べるときに、臭いが気になったことはありませんか?
「乳臭い」「草の臭いがする」と言われたこともあります。
現在ではホルスタインといわれず、「牧草牛」や若い乳用種は「国産若牛」とも言われています。
穀物で育てられる和牛と比べ、牧草を食べるホルスタインは環境に優しいと言えます。
さらに安さ・赤身率の高さからホルスタインを選ぶ方が増えています。
この肉はホルスタイン?交雑種?
国産牛として販売されているものは、交雑種かホルスタインだと説明しました。
ではどのようにしたら、この交雑種とホルスタインの見分けられるのでしょうか?
それは、「個体識別番号検索」です。
現在では牛肉の表示義務がありますが、交雑と乳用種の表示義務がありません。
スーパーで販売されている表示に義務がありませんが、卸会社のラベルには記載されていることはあります。
表示ラベルの11桁の番号からネットで調べられます。
こちらを個体識別番号検索サイトで調べると、
品種、出生、飼育地や誰が飼養し、どこの会社が購入しているかなど結果として表示されます。
交雑種ですときちんと「交雑種」と明記されますので活用するとよいでしょう。
日本の牛肉はすべて検索システムで結果表示されますが、ないものについては購入は控えた方がよいです。
和牛とホルスタインの品質の違いとは?
品質の違いといえば。
和牛は、A1~A5ランクと格付けがなされます。
しかし、ホルスタインの場合はC1~C5になります。
ホルスタインを育てる目的は「乳をしぼる」ためです。
その肉質は和牛と比べ劣る傾向があります。
しかし味があっさりしていて、脂が少ないため非常に赤身が際立っています。
おいしさでいえば賛否がはっきりしていますが、健康的にたくさんの量を食べたい方には向いているものだと思います。
主に加工目的で使われていることが多いことから、例えば、ミンチ(ハンバーグの材料)、柔らかい部位になると「コマ切れ」「薄切り肉」として販売されています。
牛肉を安く食べたいなんて思うことがあるかもしれませんが、ホルスタインの場合は牛肉の中でも非常に安いものとして流通しており「特売用」としても使われていることがあります。
「国産で安い牛肉!」を探している方にはホルスタインがおすすめです。
ここで気になるのが、「なぜホルスタインは和牛より安いのか」ではないでしょうか。
その秘密は、飼養期間と飼養にかかる手間です。
乳用種は肉用として子牛から育てるよりコストが抑えられます。
牛の生産者は、繁殖するところと肥育するところと大きく2箇所になります。(全てではありません)
牛が生まれると子牛のセリにかけられ繁殖農家のもとで素牛として約8~9ヵ月間育てられます。
そのあと肥育農家に買い取られ29ヶ月から30ヵ月(生まれてから)の間育てられます。そのあと卸業者などにセリにかけられ市場に出回ります。
重量でいえば和牛の場合は、おおよそ500kgから700kg。ホルスタインは約700kgまで育てられます。
ちなみに牛が1kg体重を増やすのに8kgから10kgの餌が必要といわれています。妊娠期間は285日間で、一回の分娩に一頭しか産めません。
牛、豚、鶏の中で値段が違うのはなぜ?
豚においては、6ヵ月間育て体重が約100kgで出荷されます。年に2回ほど子供を産み。一回の分娩で10頭位の出産になります。体重を1kg増やすのにえさは約3kg必要といわれています。
鶏は、卵から21日にふ化して、素ひなとして生産農場で育てられます。小型ですと約4か週から5週間飼育され1,7kgくらいで出荷されます。大型サイズでは約7週間(3kg~3,5kg)で出荷されます。
牛、豚、鶏においての出荷までの期間や出産量、えさ代、流通の仕組み自体の違いが市場にでまわるので価格が違うのです。
また、ホルスタインと和牛の価格の違いにおいては、育てる目的の違いや肉質の違いからホルスタインの方が安くなります。
まとめ
この記事ではホルスタインの特徴や見分け方などを解説しました。
お肉は「乳用種」と「肉用種」の2種類に分けられます。
牛乳を搾るために育てられた「乳用種」のほとんどがホルスタインです。
ホルスタインは、和牛と比べ品質は劣りますが、価格が安いことから消費者にとって手に届きやすい価格になっています。
ただ、牛は、豚や鶏に比べて非常に手間と時間、お金がかかっており、市場の価格に影響しています。
「牛肉をたくさん食べたいな」という日には、和牛よりもリーズナブルなホルスタインを選ぶのがおすすめです。
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