肉の専門家が厳選!注目をあびつつある牛肉希少部位13選!

希少部位のミスジ
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牛肉においては数多くの希少価値の高い部位が存在します。

例えば、「ミスジ」「いちぼ」「しんしん」という部位の名前が最近では注目されるようになりました。

しかしながら希少価値の高い部位なんてのは、まだまだ沢山あります。

法規できまっている部位から全て集約していくと200以上あるといわれています。

今回は、話題にあがっている希少部位の解説、注目をあびつつある希少部位など13部位をご紹介します。

この記事を読むとわかること

  • 牛肉の希少部位が知ることができる。
  • 人気のある部位から注目されつつある希少部位がわかる。
  • 希少部位の特徴を知ることができる。
  • 希少部位の料理用途が知ることができる。

目次

あなたはどれだけ知っていきますか?希少部位の13部位をまとめ!

パックされている牛肉の表示ラベルで記載がある部位には、13部位があります。

13部位でもそれぞれ小割していきくと「希少価値」の高い部位がでてきますが、それぞれ非常に硬く食べづらいものなど多数存在します。

しかし、中でも肉そのものの味わいが楽しめ、焼肉として可能な部位を厳選して、それぞれの部位の特徴や味わいを厳選してご紹介します。

ただし、硬過ぎたり、味が引き立たず、焼肉には難しいものがありますので品種(和牛、ブランド牛、交雑種など)によっては可能ではないものがありますので注意が必要です。

希少部位13選掲載リスト
  • ともすね部位「たわら」
  • うで部位「みすじ」
  • うで部位「くり」(かたさんかく)
  • 肩ロース「ザブトン」
  • ともばら部位「かいのみ」
  • ともばら部位「フランク」
  • かたばら部位赤身部分
  • ネック部位「ヒモ」
  • そともも部位「千本すじ」
  • しんたま部位「シンシン」
  • しんたま部位「しんたまかぶり」
  • らんいち部位「らんぼそ」
  • らんいち部位「しゃしくし」


どれも一頭から1kgもとれないような希少部位を中心にご紹介していきます。

牛肉の国産牛と和牛はなにが違うの?



「すね」部位からとれる「たわら」とは?

ともすねといわれ、牛の後ろ脚にある肉になります

ともすねといわれ、牛の後ろ脚にある肉になります

 

「すね」部位には「まえすね」「ともすね」があります。

「まえすね」は前肢であり、「ともすね」は後肢となっており、運動量がはげしいことから非常に硬く、すじばっている部位であり、煮込むと肉の味が非常に味が染み出る部位として、煮込み料理に多く使われます。

「たわら」部位

ともすねのたわら部位位置

ともすねのたわら部位

「たわら」部位は、「まえすね」の一部分ではありますが、この部位は一頭で約600~800gほどの希少価値の高い部位になります。

すね部位にしてはやわらかく、冷蔵庫で肉をしめてから薄切りに焼肉カットすると食べやすくなります。

品種にもよりますが食感や味わいは、「タンもと」のように脂と肉そのものの味がうまくからみあった味わい深いものになっています。

「うで(かた)」部位からでる希少部位とは

牛肉のうで部位になります。

牛肉のうで(かた)部位は向かって左側が本体で、右側がとうがらしという部位です。

 

うで部位は、うで本体とトウガラシ(関西名トンビ)のセットとして販売されています。

本来は、複雑に肉がからみあって構成されたものですので、手間をかけずに一部のスジや脂をのこして安価な「しゃぶしゃぶ用」や「すき焼き用」として使われることが多いのです。

あっさりした味わいが特徴となっています。

ただ、肩甲骨の裏側にあたるミスジにおいては、サシが入り、味がのっているため希少部位として注目をあびるようになりました。

ミスジの詳細レビューについてはこちらから

ルビーのような輝き!?牛肉のみすじを松坂牛のやまとで選ぶワケとは?

「くり」部位

うで部位のなかには、様々な部位が存在します。

その中でも「くり」という部位がありますが、本来は「かたさんかく」といいます。

ミスジにおされあまり知られていない「かたさんかく」は、赤身肉ではありますが、意外に肉の味が濃厚な部位です。

しかし、若干硬めでありますので薄切りにしたほうがよいでしょう。

牛肉のくり部位。

黒線より下側が硬い部分になります。

 

くり部位は場所によって硬い部分と柔らかい部分があります。

柔らかい場所から徐々に硬くなっていきますが、硬い部分は焼肉としては使いにくい部分になります。




肩ロース部位からでる希少部位

牛肉の肩ロース

牛肉の肩ロース

 

肩ロースはキメが細かくあっさりした部位ですが、ロースの中では硬い部位になります。

ネック側に近づけばより硬くなる傾向にあることから、すき焼きとして扱われることが多いです。

味わい、硬さからスライスした後にネック側は、細切れかミンチ材としてもつかわれる反面。

ほんの一部だけが柔らかい部位があります。

それが「ザブトン」と言われています。

希少部位ザブトン

肩ロースザブトンの位置

肩ロースザブトン

 

分割したザブトンには繊細な肉質の味わいが堪能できます。

見た目は脂肪がはっきりでており、濃厚な焼肉と思われがちですが赤身肉のようなあっさりしています。

しかし、あっさりとしているといっても肉の味わいが感じることができ、食感もあることから隠れファンが多い部位になります。

「ともばら」部位からでる希少部位

ともばら部位は、中心にそって分割され「なかばら」と「そとばら」としてわけられます。

牛肉の中では、特に水分量が少ないためカリっとした焼き上がりになります。

バラ系統ではありますので焼肉として使われますが、カルビとして店頭に並ぶことが多いです。

ただ、脂肪が多いため、濃厚な味わいが特徴です。

牛肉のなかばら

牛肉のなかばら

「かいのみ」部位

「なかばら」部位の一部分になる「かいのみ」部位があります。

牛肉のかいのみ

牛肉のかいのみ

ハラミと対(つい)になる部位ではありますが、ハラミのように赤身であり、あっさりとした味わいが特徴です。

 

ハラミとサガリの違いとは!?

「フランク」部位

「そとばら」部位の一部分になります。

牛肉のフランク

牛肉のフランク

別名「ささ肉」「笹の葉」ともよばれ、笹の葉のように葉脈のようにサシが入り、似ていることからこのような名前が付けられています。

サシが多いく、見栄えが美しく、綺麗な肉色ではありますが、バラ系統にかかわらず、非常にあっさりとした味わいです。

お店によっては「笹の葉カルビ」という名前で売られています。



かたばら部位からでる希少部位

通常は、スライスものとして使われ「切り落とし」や「こま切れ」として使われることが多い「かたばら」は、非常に硬い部位となります。

牛肉のかたばら(ブリスケ部分)

牛肉のかたばら(ブリスケ部分)

しかし、そのように硬い部位にしては希少価値の高くやわらかい部位が存在します。

「ブリスケ(赤身部分)」

かたばらの赤身部分の一部になります。

※2の部分

先の細い部分の一部分は、品質がよければ柔らかく「焼肉」としてつかわれます。

肉の味はあっさりしていますが、噛めば噛むほど肉の味がしっかり残る味わいのある部位です。

細かな部位名としてありませんが、「肉うどん」としても使われることが多いです。

また、かたこぶの一部分を「こうね」として販売さている地域があり、焼肉としてお酒のおつまみとして人気がある部位があります。

ネック部位

牛肉のネック

ネックは非常に硬い部位のため敬遠されがちの部位ではあります。

コマ材やミンチに使われることが多いですが、きちんと肉質の判断ができれば良い活かし方がわかります。

ヒモ

ネックにあるヒモ状のものを呼びます。

牛肉のネックから取れるヒモ

牛肉のネックから取れるヒモ

鶏でいえば、「せせり」の部分にあたります。

とれる量があまりにもとれないため非常に高価な部位になります。

鶏の部位で一番うまいのは「せせり」と言われることが多いですが、牛でも隠れた人気商品であり肉の味わいと食感が人気をよんでいます。




「そともも」部位からとれる希少部位

そとももは、もも部位の中でも非常に硬いものになります。

安めのしゃぶしゃぶ用として使われることが多く、輸入やホルスタインであれば「しぐれ煮」用としても使われることが多い部位です。

「千本すじ」

そともも部位を小割していくと「はばき」といわれる部位があります。

牛肉のそともものはばきから取れる千本すじ

牛肉のそともものはばきから取れる千本すじ

「はばき」部位をさらに小割していくと「千本スジ」と呼ばれる部位ができます。無数のすじの集合から「千本すじ」とよばれています。

見た目は硬そうですが、意外にやわらかく、食感もあります。

一時期オークションでかなりの高値で売買され、反響があったこともありました。今でも一部のマニアの中でも高値で取引されることが多いようです。

 

【ヒレ】より希少な肉部位の【千本すじ】とは?

「しんたま」部位からとれる希少部位

しんたま部位には多くの部位があり、しんしんやかめのこなど有名な部位があります。

しんたま

 

シンシンとは?肉のプロがこっそり教える選び方のコツ!

しんしん部位(芯芯)

この部位は、あまり小割することなく安価な「しゃぶしゃぶ用」として使われることがありますが、お店によってはオーダーカットで希少部位を注文することができますので食してみると良いです。

ただ、厚切りにすると硬いので、なるべく薄めにカットすると良いでしょう。

牛肉のシンシン(芯芯)

牛肉のシンシン(芯芯)

味わいはもも部位ならではのあっさりとしたものです。真ん中部分は柔らかい部位ですが、両端にいくほどすじがばっているので硬くなります。

といっても焼肉として使えるのは、交雑牛か和牛の品質のよいものでないと硬すぎて食べづらいです。

「しんたまかぶり」

あまり知られることなく、ミンチやこま切れとして使われるカブリです。

一部分では「にこいち」とも呼ばれ、品質がよいものは「焼肉」としても使われることがあります。

牛肉のしんたまかぶり

牛肉のしんたまかぶり

「らんいち」部位からとれる希少部位

らんいち

らんいちといえば、準高級部位として「サーロイン」とつながった部位になります。

「イチボ」ステーキという名前で出されることは多いですが、この中でもあまり注目をあびることがない部位が存在します。



あっさりステーキの「らんいち」の牛肉部位を解説!!

「らむしん(らんぼそ)」

らむしんとしての名前より「らんぼそ」と呼ばれることのほうが多いかもしれませんが、「ランプ」ステーキや焼肉としても使われることが多いのではないでしょうか。

牛肉のラムシン(らんぼそ)

牛肉のラムシン(らんぼそ)

ただ、肉の味がしっかりしていることから、「ローストビーフ」にも着目されるようになりました。

「しゃくし(ネクタイ)」

ネクタイやご飯を移す時に使う杓子のような形をしていることからこの名前がついたとされています。

たんぱくな味わいが特徴ですが、おつまみのように一品で出されることが多かった時もありました。香辛料とうまく組み合わせるとで良いおつまみになります。



まとめ

いかがだったでしょうか。

希少価値の高い部位は、まだまだありますが一握りの10の部位を選び、紹介させていただきました。

どのような部位から希少価値のある部位があるのか明確になったと思います。また、それぞれ意外な味わいをもった特徴的な部位となっていますので、参考になればと思います。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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