もも部位の中でも最上位のステーキが味わえるイチボとは?

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「イチボ」とはご存じでしょうか?

イチボステーキという名前を目にしたことはあるのではないでしょうか?

イチボとはももの中でも希少性のたかく知名度の高い部位としてしられ、もも部位の一部分ということで、多くの部位の中では比較的栄養価の高い部位になります。

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  • 何故ステーキになるのか知ることができる。
  • イチボでもとくによいとされている部分とは?

についてご紹介していきます。

目次

牛肉の中でも深い味わいとあっさりとした「らむいち」のイチボ。

らんいち1

 

ここでは、ロイン系に次いで非常に人気のあるイチボを徹底的に解剖し、そのよさを記載していきます。

その味わいは、サーロインとの繋がりがあるもののどのような年齢を重ねた方でも非常に好まれる味わいと、脂のこってりとした味わいではなく肉そのものの味が楽しみめる部位となっており、隠れた人気を誇ります。

そのらんいちを分割したイチボに小割にしたあとの商品化から特徴まで細かく記載していきます。

らんいち(らんぷ)について

関東名・・・らんいち(らんぷ)
関西名・・・らむいち(ラム)
英語名・・・トップサーロインバット

らんいち(らんぷ)の特徴

らんいちは、サーロインの肉がとっくり部分につながっている部分です。

らんいちは、英語が語源のランとエイチボンの合体した名称で、この部分は、らんぷ、いちぼ、らむしん、しゃくし(ネクタイ)、めがね、雑肉からなっていて、全体的に皮下脂肪に覆われている赤身肉です。

また、ロース、ヒレについで柔らかくて味があります。ここまでサシが入ったものは少ないですが、肉質的に良いので幅広く年齢層に応える部位になります。

らんいち(らんぷ)の用途

ステーキ、ローストビーフ、すきやき、焼肉に適しています。

らんいち(らんぷ)の小割と整形

らんいちの分割時のポイント

  • らんと、らむしんの小割りは、らんとらむしんの間に沿って最初の、上の細いすじははねます。その下の太いすじに沿って割ります。
  • らむの皮下脂肪の風味は良いので、らむとイチボに薄くつけて脂肪のおいしさを生かすことが重要になってきます。

※らんぷとイチボを分割するとき、外側(皮下脂肪)より分割する人もいますが、これは内側から分割するのが基本です。そのほうが効率的で作業が素早くでき、利にかなっています。

らんいちの皮下脂肪を取り除く

らんいち3

  • 検印や汚れを取り除きます。
  • 皮下脂肪を5ミリ程度残して余分な脂肪を取り除きます。

※脂肪の厚さに差があるので注意いちぼのあたまの部分の脂肪を取り除き、その下のすじをひきます。

イチボの上の雑肉を取り除きます。

らんいち4

  • イチボの上の雑肉を、いちぼのすじに沿って取り除きます。
  • この状態でいちぼのあたま部分の骨肌をひきます。引き続き、らんぷ上面中央のすじをひきます。
  • 雑肉のすじや骨肌もひきます。

らんぷ上面の骨肌、すじをひきます。

らんいち5

  • らんぷ上面の骨肌をひき、つづいて横の薄いすじを引きます。
  • 雑肉の骨肌、すじも綺麗に丁寧にひきます。

らんぷ上面の雑肉を取り除きます。

らんいち6

  • 初心者で慣れない人は、その下側のしゃくし(ネクタイ)部位まで一緒に切り取ってしまうことがありますが、わけて取り除くようにする。

※ポイントは、矢印のところより雑肉としゃくし(ネクタイ)部分の境目にナイフをいれ、左手でめくりあげながららんぷより雑肉を取り除きます。

らんぷよりしゃくし(ネクタイ)をはずします。

らんいち7

  • しゃくし部位のスジに沿ってしゃくしを取り除く(しゃくし部位は取り除かないでらんぷと一緒に商品づくりをしている店が多い。)
  • しゃくし部位(ネクタイ)は取り除いた方が商品価値がたかくなるから是非ともおすすめしたいです。
  • 雑肉、しゃくしを除いた後のすじをひきます。

らんぷとイチボを分割します

らんいち8

  • イチボのあたまの方より切り離し、イチボのすじに沿って切り離します。
  • さらに、いちぼの肉に沿って皮下脂肪を切り離し、らんぷといちぼを分割します。

らんぷのすじひきと小割

らんぷのすじひきと小割についてご紹介していきます。

また、それぞれの部位の特徴や部位名についても詳しくご紹介していきます。

らんぷ外側のすじをひきます。

らんいち9

  • このすじは、透けて見えるほどうすいので慣れないと上手にひきずらいです。上達すれば綺麗に素早くひけます。
  • 脂肪を3ミリ残して余分な脂肪は再度削り取る(この脂肪はすべて除いたその下のすじを引くと、最上の赤身肉となります)。
  • このようなぐりむきの商品づくりをしているところもありましたが、脂肪の美味しさを損なうおそれがあるので注意します。

らんぷとらむしんの分割

らんいち10

  • 最初にでてくる細いすじははねておく。(らむしん部位にそのままつけて、分割後らむしんより取り除きます。)
  • その下側にある太いすじを左手の指先ですじが張るように引っ張り、すじに沿ってナイフを入れ、らんぷとらむしんを分割します。

※すじはらんぷ側につけて分割します。

らんぷ上方のすじをひきます。

らんいち11

らんぷ上方のすじに沿って割ります。そのとき、途中までで止め、あまり深く割らないようにします。上方のすじを取り除きます。

いちぼのすじひき

外側の脂肪を取り除き、あたま部分のすじをひきます。

らんいち12

  • いちぼの皮下脂肪を3ミリ位残して取り除きます。
  • いちぼのあたま部分の脂肪を取り除き、すじをひきます。

いちぼの内側のすじをひきます。

らんいち13

  • いちぼ上面の真ん中の薄いすじをひきます。
  • 外側左方のすじをひきます。

いちぼの幅の広いすじを引きます

らんいち14

  • 幅の広いすじをひきます。
  • ✖印のところまですじをひき、ここでは、すじが肉に食い込んでいますので、肉に10ミリ位食い込ませてすじを取り除きます。

※いちぼあたま部の真ん中の下方に食い込んでいるすじをひきます。

イチボについて

関東名・・・いちぼ
関西名・・・いちぼ
英語名・・・エイチボーン

いちぼの特徴と用途

らんいち17

長方形で先の方が三角形になっていて、外面は皮下脂で覆われています。肉はさほど厚みがありませんが、もも部位ではもっとも味が良いとされています。

肉質は、肉の目の変化している部位なので、部分によって柔らかさと硬さが非常に異なるので注意します。

用途には、焼肉ステーキ、しゃぶしゃぶ、ローストビーフ用に。またやや厚めに切ればすき焼きに可能です。

いちぼのポイント

らんいち18

いちぼのあたま部分(肉の厚い方)は硬く味も劣り、肉の目も逆になりますが本体に比べて商品価値が薄い部分です。

いちぼ本体は、品質のよい品はロース並に味もいいのですが、とくに柔らかいというほどでもないので、ステーキ用は、薄めのほうが良いかと思います。

脂肪のぐりむきのアイテムづくりは価値が高いです。この部分はロース並みの風味がありますので、こだわりのアイテムづくりが良いです。

まとめ

いちぼの商品価値は、非常に高いと言える箇所になります。また、希少価値の高い部分で、味わいも良いところになりますので、注目のアイテムとしてかかせないと思われます。

是非とも堪能していただければと思います。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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