お店ではやわらかく食べられる牛肉が、自分で焼くと硬くなる。そんなときは、肉の種類だけでなく、厚さ、下準備、火加減や加熱時間を見直すことが大切です。
家庭と飲食店では、原料の規格や設備、作業の組み方も異なります。同じ牛肉を使えば、必ず同じ仕上がりになるわけではありません。ここでは元の写真を見ながら、準備と焼き方の考え方を整理します。
柔らかく仕上げることと、安全に加熱することは分けて確認します。レアやミディアムレアという呼び方、焼き色、肉汁の色だけで安全を判断しないでください。
焼く前は、解凍状態・厚さ・加工の有無を確認する

まず、使う肉が冷蔵品か解凍品か、内部まで解凍されているか、厚さや大きさはそろっているかを確認します。凍結部分が残る肉と、均一に解凍された肉では熱の入り方が変わります。
筋切り、テンダライズ、成形、ひき肉、内部への調味液の浸透などの加工がある場合は、菌が内部に広がる可能性があります。表面だけを焼く方法で済ませず、商品表示と必要な中心加熱条件を確認してください。
冷蔵庫から出して常温に放置する必要はない

以前の本文には「5℃で冷蔵していても、時間がたつと中心部だけが凍る」とありましたが、その説明は適切ではありません。庫内に冷たい場所がある、パーシャル機能を使っているなどの条件を分けて確認する必要があります。
肉をラップなしで常温に10~15分置けばよい、という一律の手順も勧めません。室温・肉の厚さ・初温で状態は変わり、長い常温放置は微生物を増やす原因になります。冷蔵管理を保ち、作業は必要な分だけ速やかに進めます。
表面の余分な水分は清潔な使い捨てペーパーなどで押さえ、塩・こしょうは料理の設計に合わせて使います。肉汁は水分やミオグロビンなどを含み、血のように見えることがありますが、色が正常でも安全を保証するものではありません。
焼き目と内部の加熱は別々に考える

焼き目を付けると香ばしさや風味が生まれますが、表面に焼き目を付けるだけで肉汁を密閉できるわけではありません。強火のまま長く焼くと表面が焦げる一方、内部の加熱が足りない場合もあります。
片面に焼き色を付けて返し、火加減を調整する、ふたを利用するなど、器具や厚さに合わせて熱を入れます。「触らず我慢すればよい」「ふたをして蒸せばミディアムレアでも安全」という決め方は避けてください。
焦げ目の付き方と中心の温度は同じではありません。原料の厚さや火力が変われば加熱時間も変わります。仕上がりをそろえるには、使う肉と器具の条件を決め、温度計で確認することが役立ちます。
中心温度計は温度と保持時間の両方を見る
安全な加熱の目安は、肉の中心部75℃で1分間以上、または同等以上の加熱効果が確認された方法です。目標温度に達するまでの時間と、その温度を維持する時間を分けて考えます。表面を測った値や、一瞬だけ目標に達した値では確認になりません。
温度計は清潔に扱い、製品の説明に従って、最も熱が入りにくい中心部分を確認します。生肉に使った器具や皿を、洗浄せずに焼いた肉やサラダへ使い回さないことも大切です。
低温調理器も、設定した湯温と肉の中心温度は同じではありません。肉の厚さ・形・初温、袋内の空気などで熱の入り方が変わるため、自己流で加熱条件を短くせず、検証された手順に従います。
参考:食品安全委員会:肉を低温で安全においしく調理するコツ/厚生労働省:家庭でできる食中毒予防の6つのポイント。
硬さが気になる場合は原料と切り方も見直す
十分に加熱したうえで硬さが気になるときは、部位、厚さ、筋の処理、繊維を横切る切り方、料理との相性を確認します。塩を付けて長く放置したり、加熱を減らしたりすることを解決策にしないでください。
筋切りや煮込みの使い分けは牛肉を柔らかくする方法の記事でも整理しています。具体的な写真で焼き方を確認したい場合は、下の関連記事もご覧ください。
まとめ
おいしく焼くための準備は、長い常温放置ではなく、原料の状態をそろえて衛生的に扱うことです。焼き目で香ばしさを付ける工程と、中心まで安全に加熱する工程を分け、温度と時間を確認しましょう。
業務用では、ステーキに使う厚さ・加工状態・整形負担を決めてから原料を選ぶと、仕上がりと原価を比べやすくなります。 業務用の仕入れを行う事業者・組織・団体の方は、用途・規格・ロット・税込金額・送料・在庫・出荷条件を、五十嵐商会のMマート商品一覧でご確認ください。出荷日と到着日は分けて確認し、不定貫商品は実重量で金額が変わります。バナー内のサーロインを含め、この記事で紹介する全品目や加工への対応・在庫を保証するものではありません。
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