うちももとそとももの違いは、肉質が大きく異なります。
そとももよりうちももの方がやわらかいです。
硬い。というのがそとももですが、全部位の中でも最も安価な部位になります。
その点、うちももは形が整っているためブロック肉で販売されていたり、ローストビーフやたたきにも使われていました。
今回は「うちもも」と「そともも」はどのように違うのか?
それぞれの特徴を抑えたながら解説していきます。
- 「うちもも」と「そともも」の違いとは?
- 「うちもも」の特徴がわかる!
- 「そともも」の肉質がわかる!
- もも部位がどんなものかわかる!
を解説していきます。
うちももとそとももの違いとは?
ももを分割すると、「うちもも」「そともも」「らんいち」「しんたま」に分かれます。
「うちもも」と「そともも」は見た目も大きく違いますが、もっとも違いがでるのは牛肉の肉質が非常に違うということです。
肉質の硬さや柔らかさにおいて筋肉の運動量によって違いがあり、股にあるうちももはそとももより柔らかいです。
どちらも肉の水分量が豊富にあるため、焼き上げた時はパサつきやすい部位になります。
また、そとももは肉の繊維やすじが硬いため焼いたときには肉の収縮が激しいのが特徴です。
どちらも肉質が硬い傾向にありますが、調理には工夫が必要です。
牛肉のうちももを解説!
牛肉のうちももは関西名では「うちひら」と呼ばれ、関東名では「うちもも」と言います。
「うちももかぶり」「こもも」「まごもも」などにおおまかに小分けできます。
形もよく、小分けして硬いすじを除去していくと赤身肉である全貌がお目見えします。
肉の味わいがあるもののあっさりとしたうちももは、ももブロックやローストビーフに向いている肉として、重宝され、そとももよりもお値段が高めとなります。
なぜなら、国産牛の卸値では1kgあたり1600円~3200円と人気商材となるため、価格が高騰する場合があります。
重量で言えば平均的に8kg~14kgになるため、一番安いうちももで12800円ほどになります。
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そとももを徹底解剖!
関東名でいえば「そともも」、関西名でいえば「そとひら」といわれる部位は希少性の高い部位も含みます。
海外においては、「シルバーサイド」ともいわれますが、脂肪交雑が入りにくい赤身が中心の肉になりますが、硬めの肉として、コマ材やすき焼き、しゃぶしゃぶのように煮込み料理によく使われます。
その味は非常に淡泊なもので、「牛肉は食べたいがあっさりとしたものがいい」というかたに適した部位となっています。
そのなかでも「せんぼんすじ」といわれるものは、肉の味が濃厚なうえに食感があり、ホルモンを彷彿とさせるような希少性のはらんだものがあります。
また、分割(小割)した場合には「なかにく」「はばき」「せんぼんすじ」「しきんぼう」にわかれ、関西では、なかにくを「かけ」ともいわれます。
地域によっては様々な呼び方があり代表的な呼び名になります。
うちももとそとももでは、部位名の違いで味が違うのかといえば箇所によっては大きく異なりますが、うちももには、「しんたま」と「そともも」に接している部分があります。
この部分においては硬めで「うちもも」本体の部分はやわらかい部分と硬い部分があり、肉そのももの味わいがあります。
国産牛肉の卸値で、1300円~2100円とうちももに比べ安価になります。
重量は、8kg~16kgほどで一番安いもので10400円ほどになります。正直、硬い部位で薄切りか、こま切れなどのスライスものしか使えないため、安価な商品として重宝されます。
「そともも」の特徴
「そともも」は、もものなかでも運動をよくする部分で赤身が多い部位ですが、「しきんぼう」、「なかにく」「はばき」の3つに分割できます。
また、そとももは運動量が多い部分でうちももと比較すれば硬い箇所が多いです。
なかにくは硬い部分となりますが、多少きめが細かいのでそともも全体からみればやわらかいです。
肉質全体的にきめが粗く、硬い「しきんぼう」は、ほかの部位よりやや肉色が淡く、弾力性があり、しゃぶしゃぶ用によく用いられます。
「はばき」は、中央の「せんぼんすじ」を分割して、すじをひいてから商品化され、「なかにく」は、スライス、角切りなどにして煮込み料理によく用いられます。
また、牛の飼育時にビタミン剤など注射される箇所ですので色合いの変化やしこりがあったりします。
そとももの分割から整形・すじひき
表面脂肪の汚れを取り除き、「なかにく」上面の太いすじをひきます。
「しきんぼう」上面のすじをひきます。
「はばき」上面のすじをひきます。
「はばき」内側の「せんぼんすじ」を除去します。
「はばき」内側のすじをひきます。
「はばき」を分割します。
「せんぼん(A)」、「はばき(B)」「そともも(C)」。
すじ引き後の「そともも」
「はばき」を中央太いすじで分割します。
すじ引き後の「はばき」
「そともも」と「しきんぼう」を分割します。
「しんきんぼう」は円柱状になっていますので、左手でナイフの進む方向を確認しながら分割します。
分割後、すじ引き後の「しきんぼう」。
すじ引き後の「なかにく」
では、そとももを分割したところでそれぞれどのような商品になるのでしょうか。
早速ですが、ご紹介していきます。
なかにく部位
小割しない場合、一般的に2ミリ程度にスライスして「野菜巻き用」、1ミリ程度にスライスして「しゃぶしゃぶ」用などに提供されます。
しきんぼう部位
適当な大きさに形を整えて「ローストビーフ用」や厚さ1ミリ程度にスライスして「しゃぶしゃぶ用」に。
1/2の大きさに柵どりして厚さ3ミリ程度にカッティングして提供する場合があります。
はばき部位
一般に他の部位とあわせて「切り落とし」にスライスされ、2分割にしてすじの少ないほうは、厚さ5ミリ程度にカッティングして焼肉ように提供される場合もあります。
せんぼんすじの部位
2センチ程度の厚さにカッティングしてして「カレー・シチュー用」として使用。
せんぼんすじの肉質に応じて焼肉にも可能です。
まとめ
うちももとそとももは、部位名が似ているためか同じようなものにとらえがちですが、実際には味や硬さ、色合いが異なります。
牛肉は、部分肉から分割される場合のほとんどは、肉質の変化や調理用途などでカッティングされておりそれぞれが特徴があるからです。
適当にしているのはなく意味があってカットしています。
ですから用途や肉質の変化を見極めながらカットしていくわけですが、多様な知識や技術が必要になっています。
私もよく経験したていたのですが、ナイフをのこぎりのように何度も何度も切ってしまうような場合は、肉の表面がガタガタになってしまいます。
この状態が肉の変化を影響し、見た目も悪くなってしまいます。
また、諸先輩によく教えられていたのですが、「ナイフが切れないものは仕事ができない」といわれていました。ですから、脱骨だろうと焼肉のカッティングだろうと毎日早めに職場に来てナイフを研いでいます。
事実ナイフが切れないと仕事ができません。また、仕上がりも大きく違います。
日々、叱咤されながらも技術と知識を学び続けていた時もありましたが、今となっては、他者から評価されるまでに至りました。
牛肉は、幅広い知識が必要ですが学びがいのあると今でも感じています。そして、知れば知るほど新しい商品ができ、数多くの商品や味を作ることができました。
牛肉は、まだまだ発展途上です!楽しみが広がることは間違いないです!
コメント
コメント一覧 (8件)
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[…] ほとんど肉の味がしないため、正直、牛肉の部位の中では不人気な部位です。 牛肉の部位「うちもも」と「そともも」の違いとは?https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/486/もも部位を分割すると、「うちもも」「そともも」「らんいち」「しんたま」に分かれます。 今回は、 「うちもも」と… […]
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