牛肉の国産牛と和牛はなにが違うの?

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社内研修の中で、こんなことを聞かれたことがあります?

「牛肉の種類や名前がたくさんあって違いがよくわからない」
「国産牛って和牛なの?和牛は国産だよね」

この問いかけの中で、何を基準にして区別しているのかわからないのだろう。

これを知らないと牛肉を販売している側だとかなりイタイことになりかねないのですが、ここはひとつ人肌ぬぎますか。

今回は、国産牛と和牛の違いから実写画像もふまえて和牛と国産牛を徹底的にご紹介します。




目次

牛肉の国産牛と和牛の違いは「飼育期間」と「品種」で分けられている!

図から解説していきます。

牛肉の国産と和牛の分類図

まずは、汚い図で申し訳ありません。

国内で販売されていることが前提となりますが、牛は飼育期間の長い生産地で国産なのか、輸入なのかが分類されます。

ですから国内で生まれた牛であってもアメリカ育ちが長い場合は、輸入とされます。

また、逆も同じです。

次に分類されるのが品種になります。

国産牛には交雑種、乳用種があります。

乳用種には、ホルスタイン種、ジャージー種などにわけられていますが、図の分類で説明すると日本での使用期間が長い外来種になります。

交雑種は、和牛とホルスタインに掛け合わせがほとんどです。言い方があまりよくありませんが「雑種」になります。

交雑と販売するとイメージしづらいので、現在は「国産牛」「国産牛肉」として販売されています。

和牛には、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種が主となります。

どれも日本原産だと思われがちですが、歴史の中で品種改良により外来種との交配が進み、純粋種といえるものは現在ほとんどありません。

輸入においては、アメリカ、オーストラリアがよく聞きますが、デンマークなどのさまざまな国の牛肉が販売されています。

赤身肉としてよく販売されているオーストラリアのアンガスにおいては、日本の和牛との交配により、味は日本人にとって受け入れやすいものになってきています。

10年以上前の海外の牛肉は、「草の臭いがする」「ゴムみたいな食感」など評判が悪かったものの、海外の方々も相当研究されたのだと思います。

では、国産牛の交雑種、ホルスタイン、和牛の実物をみながらそれぞれの特徴をおさえながらご紹介していきます。

牛肉の和牛はAランクだけではない!

今回は、それぞれの品種で「リブロース」をご用意しました。

と畜したばかりで日が浅いこともあり、肉色は濃い目ではありますがご紹介していきます。

まずは、和牛からになります。

和牛のリブロース
和牛のA4

こちらの和牛はA4の格付けをもち、ブランド牛として販売されています。

800kgぐらいの牛になりますが、牛の重量や大きさなどの体格によってリブロースの断面の幅、大きさがかわってきます。

一般的にはわかりませんが、肉の色合いが非常に鮮やかなことがうかがいますが、品種、血統、飼育方法によってサシの入り具合が格子状になったりもします。

和牛B3
和牛の安いもの

こちらは、和牛のB3になります。

牛の大きさは、さきほどのリブロースと比べ400kgほど牛になります。格付けがさがることで肉の色合いがかわったことがわかります。

牛肉自体のしまりが悪いため全体的に下押し出されている(つぶれている)ことがわかります。

これらから価格も下がりますが、食感をはぶいたら結構味がしっかりしています。(和牛なので)

では引き続き国産牛の交雑種にまいりましょう。




牛肉の交雑種は、和牛とホルスタインの中間?

前述のとおり、交雑種は和牛とホルスタインの交配したものになります。

牛肉の肉質、味わい、価格もやはり中間といえるでしょう。

交雑種のB3
交雑種リブロース

先ほどのA4の和牛と同じような体格になりますが、和牛より硬めの肉質となります。

色合いが和牛と比べ、牛肉の色合いが濃くなっていることがわかりますし、脂の量が増えています。

ただ、一般の人ではわかりませんよね?この違い。

だからこそ、間違いがないようにラベル表示は大切です。

では、ホルスタインに進んでいきましょう!

ホルスタインの体格が変わってきている!

和牛は、肉専種といわれていることから牛肉を食べることを意識して育てられいます。

穀物飼育のためボリュウーム感がありますが、対してホルスタインは牛乳をしぼるために育てられているため、牧草飼育になります。

ですから、その違いが大きくでるといっても過言ではありません。

ホルスタイン
ホルスタインC2

冷蔵庫に入っていたため、画像が白くて申し訳ないです。

見て通り、色が断然濃いのがわかります。

牛肉の肉質はかなり硬めになりますが、今では乳をしぼるだけではなく食することも目的としているので、体格、肉質はかなり変化しています。

おいしくなったかどうかといわれると難しいのですが、肉質は変化していると判断していただければと思います。

一昔前は、脂が黄色だったにもかかわず現在では、真っ白に。牧草飼育だから草の臭いがするのかと思えばしないようになっています。

ただ、乳臭いといわれる方はいます。

では、これだけではすべての違いがわからないので並べてみましょう。

リブロース

わかります?

左から、交雑種、和牛、ホルスタインになります。

ホルスタインはわかりますよね。

全部並べてみました。

左から和牛、和牛のB3、交雑種、ホルスタインになります。

上から見たリブロース

左から和牛、和牛B3、交雑種、ホルスタインになります。

同じ規格でカットされたリブロースになりますが、ホルスタインの体格は胴長になりますので、リブロースの長さがひときわ目立ちます。




まとめ

いかがでしょうか。

牛肉の国産牛と和牛の違いには、品種と飼育期間で変わるとありました。

また、それぞれの品種によって形、肉質、色合いが変わる違いもわかっていただけたかと思います。

では、最後に交雑種のリブロースを半分に切ったらどうなっているでしょう。

おまけ画像になります!

ありがとうございました!

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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