今回は、牛肉の料理を生かすための基本的なことをご紹介していきます。
牛肉は、ただ調理すればおいしいとは限りません。
物事は必ず基本から始まります。
基本をおろそかにすると、牛肉の本来の味わいが生かせません。
当たり前だと思ってもできないことも多々ありますので確認してみましょう!
- 牛肉の料理をする前の基礎知識。
- 牛肉料理をする上で素材の取り扱い方。
- 加熱調理をする上でのポイント。
牛肉料理の本当の価値を生かすのは基本から
牛肉の料理にはここだけは抑えておかなければならないことがあります。
「牛肉料理と素材選び」「調理と季節感」「たんぱく質と熱凝固」「牛脂と豚脂」「加熱の調理方法」「焼き方」などがあります。
一つ一つ基本的なことではありますので抑えておきましょう。
牛肉料理と素材選びとは?
牛肉の調理には牛肉の素材を生かし、いかに美味しく調理するのかで、その価値が決まります。
この美味しく調理する技術をいかにマスターするか大切なことではないでしょうか。
また、料理の出来上がりは素材によって決まるといわれるように、どんなに調理技術に優れていても鮮度不良の素材では良いものはできません。
それほど素材の吟味と管理は大切です。
牛肉の調理と季節感
お肉には旬というものがないので、とにかく季節感が出しにくいです。
したがって、味覚、季節感をアピールするためには、旬の野菜や果物を調理に取り入れることに心がける必要があります。
また、一つの素材を最大限に生かすには、同じ素材を利用した何種類かの食品を同時に作ることが効率よく、ロスも少ないのでメニュー構成にもこのことを考慮すべきです。
タンパク質と熱凝固
牛肉調理の目的は、肉を加熱することによりタンパク質を熱凝固させることにあります。
加熱時に注意すべきことは、畜種により仕上がり時の中心(内部)温度が異なり、中心温度を超えるとタンパク質が急激に凝固し、固くなり、まずくなるということです。
したがって、畜種別に調理の仕上がり中心温度を知ること、また、余熱が味に対し微妙な影響を与えるので、その点を考慮して仕上げることが大切です。
牛脂と豚脂の役割
牛脂と豚脂では口の中で溶ける温度が違い、牛脂は約40℃、豚脂は口の中の温度より低い約28℃です。
このため牛肉は、すき焼きやステーキなどの熱い料理に向き、豚肉はコールドミートやチャーシューなどの冷たい料理に向いています。
また、動物性脂肪は嫌われがちですが、肉のおいしさは脂のおいしさでもあり、赤身肉に対して20%程度の脂肪割合が、最も美味しいといわれています。
牛肉の料理のための各種加熱調理方法とは?
加熱調理の目的は、素材の肉をなんらかの方法で加熱することです。タンパク質の熱凝固にあります。
食肉は、一般的に熱伝導は良くありませんが、外部から熱が加えられた場合その表面が熱凝固します。
この熱凝固層が内部からの水分の蒸発や肉汁などが溶け出すのを防止し、旨味を外に逃さないようにしています。
最近では、料理をする前にウィルスなどの菌を防いだり、やわらかくする方法として低温調理することが大切だと言われています。
牛肉の中心を加熱すると菌の繁殖抑えることや硬さの原因である「繊維」をほぐすからです。
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焼く(直接又は、間接加熱)
焼くことは、肉料理の中でも人類最初の調理法ともいうべきもので、最も基本になる方法です。
牛肉の表面を加熱することにより壁を作り、その旨味を閉じ込めます。
きわめて短い時間に素材に変化を与えることから、火加減が最大のポイントです。
また、焼くという方法は、大きく炒め焼き(ソテー)とオーブン焼き(ロースト)に分類されます。
ロースト(直接及び間接加熱)
大きな牛肉のブロックを、オーブンの中の熱気で焼く調理法です。
熱が肉に間接的にあたるので、肉のうまみや水分を逃さずふっくらとやわらかく仕上がるのが利点です。
ただ、肉の体積が少なく、しかも牛肉のようにレアに焼きたいときは、直火で焼き色をつけてオーブンに入れると良いです。
煮る
昔から、調理のことを「煮たき」といわれてきたように、煮るという手法は加熱調理の中心になります。
しかし、牛肉料理に限っていえば「さっと煮る」ものから、「ことこと煮込む」ものまであります。
また和風、洋風、中華風とそれは様々ですが、特徴は他の調理法に比べて複雑な味付けができる点です。
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炒める
油が交じることによって牛肉に熱が伝わり、いわば「油で煮る」ともいえる調理法です。
加熱温度は、160℃~190℃で、煮る、蒸すよりきわめて高いのが特徴ですが、肉に油の風味が加わるのが利点です。牛脂をひいて焼くのもこのためです。
ゆでる
たっぷりある水分に素材を沈め、調理中は安定した熱を加えてことこと煮る方法です。シチューなどの煮る調理法と最も大きく異る点は、蓋をしないで煮込むところです。
肉の持ち味が素材に生かされ、澄んだスープがとれ、浮き上がってくるアクを丁寧にすくいとるのがポイントです。
その他には、真空包装を使った調理法があります。
蒸す
蒸しものは、100℃に加熱された水蒸気の循環運動を利用した調理法です。
素材に直接火が当たらないので、香りや色を損なうことなく、持ち味が最大限に生かされます。また、煮る場合ほど多量の水にふれないので、栄養の損失が少ないのも利点です。
畜種別の仕上がり中心温度
食肉の調理は、加熱温度で肉の美味しさややわらかさが大きく変わります。
しかも 牛肉、豚肉、鶏肉等の畜種によって仕上がりの中心温度は異なります。
したがって、牛肉の調理は、加熱方法と温度管理(コントロール)の調理といっても過言ではありません。
一般的には、熱凝固する直前のときが美味ですが、肉を焼くときには、中心温度が凝固点(65℃前後)に達するまで、表面はある程度焦がして香味を引き出すようにすることが大切です。
したがって、ローストビーフやステーキを焼くときは、やわらかい肉を厚く切り、強火で表面をある程度まで焦がしなら内部の温度を適度に調節することです。
注意すべきところは、中心温度を超えるとタンパク質が急激に凝固し、固くなりまずくなります。また、牛肉は品種によって違いがでます。
手早く調理や味を損ないたくない場合は真空低温調理器を使うのも良いかと思います。
- ローストビーフ オーブン取り出し温度 43℃
(放置15分で中心温度は48℃になる)
- 牛ステーキ(レア) 46℃
- ローストビーフ 48℃牛ステーキ(ミディアム) 55℃
- 牛ステーキ(ウェルダン) 60℃
- 鶏肉・胸肉(骨なし) 65℃
- 鶏肉(もも) 72℃
(これ以上の加熱は、肉がしまって固くなる)
あると便利なのが肉芯温度計になります。
だいたいの温度では料理の仕上がりに大きな違いがでるからです。
まとめ
野菜や魚にもあるように、牛肉にも料理をする前に必ず抑えておく基本があります。
また、その特性や特徴を知らないで調理をするとせっかくの牛肉の美味しさが損なわれてしまうので、是非とも行ってほしいです。
- 素材の見極め・鮮度管理は重要。
- 調理法は様々だが、それぞれの特性を知ると料理の幅が広がる。
- 牛肉の調理の仕上がりには、中心温度の管理が不可欠です。
大切なポイントを抑えることで、料理の深さや広がりが増えていくのではないでしょうか。
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