焼肉屋で特上、特選カルビなどの言葉を目にしたときに思わず注文したことありませんか?
特選や上カルビなどの違いとはなんでしょうか?
実は、部位によって高価な部分と安価な部分があるんです。
では、カルビと焼肉にはどんな違いがあるのでしょうか?
今回の記事は、上が付く理由とは?カルビと焼肉の違いからルーツについて掘り下げていきます。
- 焼肉のルーツとは?
- 「特上」「特選」「上」とは一体何を根拠としてるのか?
- どのような違いがあるのか?
- カルビとは?
何気ない商品メニューに牛肉の秘密をご紹介していきます。
牛肉を提供しているお店が希少性や分割した際の肉質によって決められています!
焼肉店などのメニューで見かける「特上カルビ」や「上カルビ」の根拠とはどういったものなのでしょうか。
実際のカルビとは、「まえばら」を分割したに「さんかく」という部位の胸骨間の骨付き肉、そして「ともばら」「なかばら」の肋骨がついた骨付きの牛肉を「カルビ」として本来のカルビになります。
日本おいて、「焼肉」という言葉は二つの意味があり、肉を焼いた料理全般を指す場合と肉や内臓にたれをつけ直火で焼きながら食べる事をさす場合があります。
焼いた牛肉料理を指す「焼肉」という言葉は古く、例えば仮名垣魯文の『西洋料理通』(明治5年)にはバーベキューの訳語として使用されています。
明治5年の出版の『西洋料理指南』においては、獣肉を焼いた料理の意味で使用されています。
また、張赫宙の『権といふ男』(昭和8年)という小説では朝鮮料理の焼肉が登場していますが、後者の東洋料理を指し示す「焼肉」は現在広く使用されていて、調理器具として主に鉄板や焼網を用いたものをいいます。
総務省統計では「焼肉店」を東洋料理のものと限定しており、西欧料理(ステーキ店など)は含まないものとなっています。
日本においても古くから獣肉食の歴史がありますが、一方で食肉の屠畜方法や流通形態、下処理や調味・調理方法を使用する民具などによりそれぞれの文化や風俗の違いがありますが、これらについても文献から明確な起源が判明していることは多くはありません。
一説では、江戸時代のももんじ屋などでひっそり続いていた食肉文化があり、これは猪や鹿、犬、牛、馬など各地方や食文化により多種多様な様態をもっていました。
このように古くから牛肉を焼いて食べるということはありますが、「焼肉」という言葉は明治においてあったもので、この時点ではカルビとは言ってはいません。
また、戦後の深刻な食糧難の際に在日朝鮮人が料理屋として内臓類を調理して販売したところ好評を得ることができ、安価な食材で店を繁盛させる事が出来る事に気付いた在日朝鮮人により「朝鮮料理」として全国的に店舗を拡大させました。
しかし後に朝鮮戦争が勃発し、在日朝鮮人の中で韓国を支持し「韓国料理」と名を変える者と北朝鮮を支持し朝鮮料理を主張する者の二派に分かれましたが、日本人には理解されず、日本人にも理解し易い様、肉を焼くという意味で「焼肉」に統一され、これが戦後の日本で一般的に知られる焼肉のルーツと言われています。
では、カルビとはどの時点で言われていたのか、それは、朝鮮半島の歴史にヒントがあり掘り下げいきます。
朝鮮半島の焼肉とは?
李氏朝鮮(1329年)の時代にすでに宮廷料理として精肉(枝肉)を用いた焼肉料理があり、一般(庶民)の方が食べれるようなものではありませんでした。
李朝時代の焼肉は煖炉会と呼ばれソウル周辺の風習として記録されていますが、高級貴族が初冬の節会に屋外で楽しんでいたもので、李朝末期の風土記である洪錫謨の『東国歳時記』(1849) にはレシピが記述されており、前処理としてタレに漬け込んだ肉を鉄なべで野菜などと焼くもので、今日のプルコギないしはすき焼きに近い料理でした。
肉の下処理など調味方法は独自のもので、内臓(ホルモン)は使いませんでしたが、日本でみられる「韓国風焼肉店」の品揃えのうち、韓国・朝鮮式のものの一部はこの宮廷料理の調理方法を応用したものであり、前処理としてタレを揉み込み、あるいは漬け込むこの調理方法がしだいに一般の焼肉店にも広がり採用されたものと考えられています。
一方で焼き上がりをタレにつけ食べさせるスタイルは、大阪市の食道園が始めたものとされ、韓国ではこの食べ方は一般的ではありません。
朝鮮語においては、「焼肉」を意味する言葉に「コギグイ(고기구이)」(肉焼き)とありますが、これは肉を焼いて調理する韓国料理の総称となっています。
コギグイの具体的なメニューとしては「プルコギ(불고기)」(火肉)、「カルビグイ(갈비구이)」(カルビ焼き)、「サムギョプサル(三겹살、삼겹살)」(三枚肉)等があるり、プルコギは日本のすき焼きに近い料理になっています。
カルビグイやサムギョプサルは、日本の焼肉(東洋料理)に近い料理ですが、それ単体を供する外食店は一般でなく、韓国ではメニュー名の一つとなっている。また韓国では、ホルモンをメニューとして提供する焼肉店は一般的ではありません。
以上のことから朝鮮半島から伝わる焼肉の文化が日本に伝わりカルビという名称がきたとされていますが、このカルビグイという意味は骨付き肉もしくは、骨周りの肉が本来の意味あいとなり、前述で記載の肋骨や胸骨のあたりがカルビとしていえるのではないかと言われています。
日本人がつけた「特上」「特選」の意味と違いとは?
日本の焼肉文化は、東洋と西洋の食文化が入り交じり名称や調理など多種多様になっています。
特上という言葉の意味は、「上」のうえであり特別に上等なことをあらわします。
要は、一般的なものより上等なものが扱われますが、その根拠は、お店によって違いがあります。
ただ、意味合いもなく、つけていないことはないとおもいますが、基本的にはそれぞれの部分肉において分割したときの特徴性を抑えて、かつ希少性の高いものを選んで差別化を図ることが多いです。
例えば、「まえばら」にある「さんかく」という部位には、さらに小割していくとやわらかいや色合いの違いがでる部分があり、食感も変わってきます。
「ともばら」もそうですが「なかばら」と「そとばら」に分けられ、それぞれ分割していくと肉質の変化があり、違いがでてきます。
一つの部位において肉質、柔らかさ、味、食感が違うため、さまざまな特色の集合体となります。
その違いによってお店側の判断による「特上カルビ」「上カルビ」などの違いと価格差をだしています。
画像の焼肉においては赤身の濃い色合いの方がカルビで、赤身の色合いが薄いものを上カルビや特上のカルビとして販売されているところがあります。
要は、一つの部位の中でも味わいが変わる箇所があるということです。
このように差別化をつけることによりお店の独自性をだしています。
ただし、焼肉店などの飲食店においてはこの表示の仕方に問題がありませんが、法規においては小売り(精肉店)やスーパーなどのお店においてこの表示をする際には根拠となるものの明示が必要です。
例えば、格付け(A4などの評価)において上カルビは、A3の格付けをあたえらたものやA5においては「特選カルビ」などの根拠となるものが必要です。
まとめ
焼肉という言葉からカルビという言葉を作り出してきた東洋の料理文化は、今でも日本に息づいています。
その歴史がいつどこで伝わったのかの判断は難しいものがありますが、明らかに朝鮮半島から伝わってきて現在の日本人がもともとあった知識と交じりあいながら現在に至ります。
牛肉を食するといってもまだまだ未開発の部分があり、近年にある豚の「とんとろ」などは、豚の首にあたります。
これは、頭と胴体の切断箇所が西日本と東日本の違いがあるため一部分だけ肉がとれるようになり、新たな名称として近年になって生まれました。
牛肉を食するといっても古い歴史がありますが、焼肉文化は浅くまだまだ新たな食べ方や調理の仕方、部位がでてくる可能性はあります。
牛においては、ネックの一部分で新たな焼肉ができる部分がありますし、大切なのはそれぞれの部位の特徴を知り尽くしていくことにあると思います。
食の文化は、新たな発見によさがあるのかもしれません。
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