日本でも牛肉の取扱いが多くなりつつある【ハラール】とは?

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宗教という言葉を「広辞苑」で調べると、『根本』という言葉にたどり着きます。

『ハラール』という言葉や看板を多くみるようになりました。

今回は、この『ハラール』『ハラル』とは、食品においてどのように関連してくるのかふれていきたいと思います。

目次

「不浄」なもの取り除く食品の取扱いに着目されるその安全性とは?

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ハラールとは

日本のイスラム教徒の人数は、20万人といわれ、アジアを中心に数多くの信徒がいます。

イスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語がハラール(ハラル)【アラビア語: حلال Halāl 】です。

反対に「禁じられている」と言う意味の言葉が「ハラーム(ハラム)」です。ハラームをノンハラール(ノンハラル)と言う人もいます。

ハラルやハラムはモノや行動が「神に許されている」のか「禁じられている」のかどうかを示す考え方です。

例えば、嘘をついたり物を盗んだりすることは「ハラム」とされます。

ハラルとは神に従って生きるイスラム教徒(ムスリム)の生活全般に関わる考え方であり、ハラルマーケットは、ムスリムの日々の生活全てに関わる商品やサービスなどの提供を全て含んだ、とても幅の広い市場なのです。ハラルについて、多くの方が「ハラル認証(後述します)」のイメージと結びついているようですが、しかし実際はイコールのものではありません。

ハラルビジネスをする(イスラム教徒向けの商品を供給する、サービスを提供する)際にはこの点の理解が大きなポイントになります。

現在では、多くの飲食店や大手企業の食堂にいたるまでハラールの認証基準に基づき食品の提供をおこなっています。

宗教とは根本との意味があり、この土台があってはじめて生活がなりたっていくということではないかと思いますが、その認証基準にのっとった考えがイスラム教徒の生活にとってかけがいのないものとなっています。

日本のと畜解体におけるカットの土台もこの考えからきているものが、一部の地域であります。

また、昔の日本でのと畜解体といえば、牛の眉間に銃弾を打ち込むか大きなハンマーなどで打撲するなど、と畜の言葉の由来でもあります。

現在においては、電気で気絶させ頚動脈にナイフをいれ放血させる方法が主流ですが、地域によってはこの方法をハラルカットとも呼ばれています。

全国的には、ほとんどがこの方法でと畜されています。

ハラール認証とは

食品加工技術、流通が発達するにつれ、一般的なムスリムの消費者には、目の前の商品がハラルなのか、ハラムなのか判別しづらくなってきました。

そこで宗教と食品科学の2つの面から、専門家が、ハラルであることを保証する制度が登場しました。

それが「ハラル認証」という制度です。1970年頃マレーシアで始まったと言われていて、ハラル認証制度には「農場からフォークまで」の考え方があります。

つまり原料から流通・製造を通じて消費者が消費するの瞬間までハラルであるべきと考えられています。

製造現場では、施設・設備が常にハラルである事、使用する原料が常にハラルである事が監査されます。

そしてその製造現場で作られた製品がハラルである事を認証することになります。

ハラル認証では従業員教育、組織としてのマネジメント体制の確認も求められます。現場の従業員、管理者の理解が不足していると、ハラルでないものが混ざってしまうおそれがあるからです。

世界のハラル認証現在ハラル認証機関は世界に200以上あると言われ、日本で確認しているだけで10以上の認証機関があるとおもわれます。

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ハラル認証には世界的な統一基準がまだありませんが、宗派や宗教指導者ごとの見解の違いがあり、ハラル性についての解釈が異なるためです。

たとえば、マレーシアなど国家レベルが整えた国内統一基準を持つ国もありますが、設立自体が自由であるため、それぞれの認証機関独自で定めた基準を使っている国・地域が多いです。

また、提携のような形で、他の認証団体と同じ基準でハラル認証を行なっていることを示す「相互認証」などの仕組みもありますが、基準を統一しようとする動きはあります。

国同士の統一基準の主導権を握ろうとする動きも起こっています。

ハラル認証団体については全世界的に規制がありません。

例えば、日本では許認可も届出も必要なく、誰でも始められる状況です。業界としては新しく、世界が注目し始めたばかりの市場なので、まだまだ変化が激しい時期と言えます。

日本おいて、認証の製品においては、

  • 醤油
  • 味噌
  • マヨネーズ
  • 海苔
  • 緑茶
  • 鶏肉(国産)
  • 牛肉(和牛・国産)
  • 和菓子(あられ、まんじゅうなど)
  • 洋菓子(カステラ、チーズケーキ、 ゼリーなど)
  • 飲料(ジュース)
  • 小麦粉
  • カレー粉
  • お米、米加工品(米粉パンなど)
  • 大豆加工品
  • ラーメン
  • うどん、そうめん
  • レトルトカレー
  • 食パン、菓子パン
  • ジャム
  • ゼラチン
  • 有機酸(食品添加物)
  • 香料
  • 健康食品

認証機関によって指導制が異なり実態がつかめずらものがあります。

まとめ

ハラールの実態は、宗教的観点での視野が含まれるためむずかしいものがありますが、世界宗教といわれたイスラムの食生活は、現代において科学的根拠と合間って複雑なものとなっています。

しかし、信徒の安心・安全の考えから食への規制がきびしいものの食品の食中毒などの観点からみれば、非常に大切な部分ではないでしょうか。

ただ、豚などを食べてはいけないことなのどからみれば、その信仰を保つには大変なものを感じます。

個人的な視点ではありますが宗教のための人ではなく、人のための宗教であってほしいと感じます。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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