今回は、ホルスタインのサーロインについてご紹介していきます。
ホルスタインのサーロインの肉質は、和牛や交雑とは違った肉質がありますので、購入前にはしっかりとおさえておきたいところです。
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品種が異なると肉の見極め方が変わります
牛は、世界的に見れば、たくさんの品種が存在しています。その土地の気候風土によく順応する在来種を主体に、それぞれの地域で改良が進められ今日に至っています。
日本で生産される牛肉は、肉専用種の黒毛和牛を代表とする「和牛」と牛乳生産のため飼育されているホルスタイン種を代表とする「乳牛」に大別されます。これらの交雑(和牛と乳牛の掛け合わせ)が、相当生産されるようになりました。
では、和牛と乳用牛との違いは、なんでしょうか?そこに肉の見極めにおいて重要な足掛かりがあります。今回は、その足掛かりによってホルスタインサーロイン肉にどのように影響し、どのように見極める必要があるのか検証していきます。
和牛と乳用牛には、そもそも品種自体の違いから骨格、体格が違う、また、和牛は食べられる目的で飼養され、乳用牛は「牛乳」を生産するために飼養されているため、肉のきめ、しまり、色、脂肪、脂肪の色、味わい、それぞれの部位の大きさに違いがでます。
これらの違いによって肉の見方が変わり、料理用途が変わってきます。この品種と飼養目的の違いによって、どのように肉質が変化するのかを抑えていくことに今回の主題が見えてくるようになります。
和牛とホルスタインの品種の特徴
和牛とホルスタインは、品種の違いによって骨格や体格、飼養目的が違うため肉そのものに大きな影響をもたらしています。例えば、和牛の体格は足が短く、体長が短い。
また、ホルスタインの体長は長く、足が長い。また、ホルスタインと和牛の与えられる飼料(飼養目的の違いから)が違うため、肉、脂肪の色合が変わります。
ちなみに和牛の肉の色は、鮮紅色(牛肉の発色後)で、脂肪の色は乳白色です。ホルスタインの肉の色は白っぽい紅色(屠畜間もない場合は、濃厚な赤色になります)になり、脂肪の色は黄色になります。(飼育の仕方で白色のものもあります)
ホルスタインの肉色には、ビタミンの欠乏によって肉色に影響し、牧草を中心に食していることから脂肪の色合いに影響しています。
和牛の特徴
和牛の代表格の「黒毛和種」は、和牛全体の90%以上を占めています。
松坂牛、近江牛のように古来銘柄牛肉として名高いものは、全てが黒毛和種です。良く飼育されたもののリブロースの断面をみますと、鹿子模様の見事な脂肪交雑が入り、霜降り状態となっています。肉質は、きめが細かく柔らかく、風味とも絶品と言えます。
世界的に見ても、まさに牛肉の王者であり、日本が誇る農産物の特産品です。
乳用牛の特徴
乳用牛の品種は、ほとんど白と黒の斑な毛色のホルスタイン種で占められています。
肉用としても、欧州では高い品質評価を得ていて、むしろ欧州では乳用兼用種として位置づけられています。
ホルスタイン種の品種特性として、青草などカロチン色素の多い飼料を給飼していも、若齢期間中(生後18ヵ月まで)は脂肪の色が黄色にならず白色を保つ特色があると言われています。
また、赤身の産肉量の多いヘルシーミートとしておススメできます。ただ高級部位と言われるロイン系の肉量の取得率が、和牛と比べると低いという欠点があります。
これは、体長が和牛と比べ長いため、ロイン系自体が薄いものになってしまいます。要は、サーロインなどの盤面が小さいことになります。
牛肉の見極め方
ホルスタインの牛肉を選ぶ上で見極め方があります。
牛肉の色、脂肪の色及び質、きめ、しまりなどですが、これらによってホルスタインのサーロインを選ぶ上で決定づける要素となりますので、抑えておきたい事になります。
また、調理したい、提供したい用途など(例えばステーキなど)によってそれぞれの部位の重量を目安とするのも重要になってきます。
ホルスタインの体格や骨格によって、和牛のサーロインとホルスタインのサーロインの厚さが違うことや重量が小さいほど肉質が劣ったりして、加工用として扱われますので、留意しておくのも大切です。
牛肉の色
牛肉の色は鮮紅色が標準的な色ですが、良いものは艶があります。これらから述べる条件によっても多少の色の変化が見られます。
年齢、性別、品種別
若齢のものは淡い紅色で、老齢のものは筋肉色素の沈着が進み濃い赤身を帯びています。子牛に肉は、極めて淡いピンク色をしています。むしろ白色に近い肉色のものが良質とされています。
若齢飼育の乳用牛は、和牛に比べやや淡い肉色です。また、同じ月齢のものの比較は、雌牛は去勢よりやや濃い肉色をしています。
部位別による色の差
よく運動する部位のネック、すね、かた、ばら、そとももなどは、肉のきめが粗く、総体的に濃い肉色をしています。
体調によるもの
と畜までの牛の管理状態で、微妙な肉色の変化が見られます。
長時間のトラック輸送、多頭数を係留して起こるストレスなどはと畜後の肉色の赤みを強くし、精肉処理の段階でも良い発色作用が起きません。また、持続性がなく、早い時間で暗赤色へと変化します。
脂肪の色及び質
脂肪の色や質は、飼料に影響されるところが大きく、穀物のうち大麦、燕麦などは良い脂肪を作るものとして知られています。
また、カロチン(黄色色素)が多く含まれる緑草、とうもろこしなどを多給しますと、脂肪にカロチンが沈着し、黄色から褐色の脂肪となり、脂肪の質は粘り気のないものとなります。更に老齢のものも各種の色素沈着が進み、このような色合いになるものが多くあります。
栄養学的には、いずれの色も問題ありませんが、飼料に起因する香りが移る場合があります。
調理の過程で香草野菜や香辛料で調整する方が良いでしょう。牛肉の脂肪は、融点が高いので、牛肉料理は熱いうちに提供するのが一般的ですが、冷やして食べる料理は、脂肪をなるべく除去して調理するのが良い方法です。
きめ、しまり
肉のきめは、細かいとか粗いという表現になりますが、これは肉の良し悪しを判定するものとは意味が違います。
肉のきめが細かい部位は、運動をあまりしないところで肉質は柔らかいのが特徴です。
牛肉の部位を表す分体図を見ますと、おおかた背中にある部分のかたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ランプなどがそれに相当し、いわゆる高級部位と呼ばれ、評価も高いところにランクされています。
一方、よく運動する部位のネック、かた、すね、ばら、そとももなどは、肉のきめは粗く肉質は硬い部分です。
柔らかい部位は、確かに高い評価になっていますが、これを以て良い肉と連想するのは誤りです。
肉の良し悪しは、その料理に向く最適な部位かどうかが一番肝要なことで、煮込みなどに適した部位は相対的にきめの粗い硬いところの方がベターです。
すなわち、エキス分、ゼラチン質などが多く含まれていて、煮込み料理に欠かせないうまみの決めてになる成分が豊富に含まれているからです。
また、しまりは、部分肉から細かく精肉に処理した段階でよくわかります。
しまりの良い肉とは、形が崩れることなく当初の姿をきちんと保っている肉質のことです。これは、十分肥育したものほど良い状態となりますが、若齢の水っぽい肉は、しまりが悪く肉質の劣るものとなります。
まとめ
今回は、ホルスタインのサーロイン肉についての選び方について細かく記載していきました。
また、最も大切なのは、どのように肉を生かしていくのかがポイントです。それぞの部位の特徴を見定めどのような料理に向いているかなどです。
ただし、上記にも記載したとおり、肉色、脂肪の色及び質、きめ、しまりからの基本的な事から逸脱しているものは、あまり良くない肉として抑えておくべきところではないでしょうか。
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