エムマート(食材市場)|牛肉の「シンタマ」部位をおさえておくべきこと!

牛肉 しんたま 部位
【景品表示法に基づく表記】当ブログのコンテンツにはプロモーション広告が含まれている場合があります

今回は、エムマート市場(食材卸売場)にある「シンタマ」部位についてご紹介します。

Mマート市場シンタマはこちら

希少部位の集合体ともいえる部位は、最近において「しんしん」「まるしん」など焼肉店などで見かけるようになりました。

テレビでも放送されるようになった「しんしん」部位は、シンタマ部位を分割しますとでてくる部位になります。

この記事を読むとわかること

  • シンタマの特徴を集約。
  • シンタマの小割手順について解説。
  • シンタマを小割した各部位の特徴を解説。

シンタマ部位の徹底解剖をご紹介していきます。

目次

硬い部位のシンタマには小割することで価値がある

牛肉 しんたま 部位

しんたま マル 整形前

 

エムマートの食材市場においてあまり出品されていないシンタマ部位。

ただ、希少価値が高い肉の集まり「しんたま」部位は、アピールしやすい食材になります。

活用の仕方によっては誰しもが興味が湧くような部位になります。

エムマート畜産市場の「しんたま」部位

「しんたま」部位は、うちももとほぼ同様の肉質を持つ赤身中心の部位です。

周辺の「かぶり」と呼ばれる部分は、やや肉のきめは粗いのですが、その内側はきめが細かく軟わらかい部分もあります。

別名を「しん芯」といい、ラウンドステーキ用、焼肉用としても使われています。

分割すると、「まるしん(しんしん)」、「ともさんかく(ひうち)」などは希少部位として扱われ、お店によっては、量の少なさから限定品として販売されるところもあります。



「シンタマ」の小割とすじ引き(右部位)

牛肉のシンタマ

牛肉のシンタマ

 

分割したものは、それぞれの肉質と特徴において違いがありますので、様々な用途にわかれます。

では、早速深掘りしていきます。

「シンタマ」の特徴と抑えておくべきポイント

「シンタマ」の特徴は丸い形をした赤身肉で、全体的に肉質もよく味は、淡泊な味わいです。

サシはあまり入らない部位(赤身肉)となります。

図を参照にAは「まるしん」、Bは「かめのこ」、Cは「ひうち」(ともさんかく)、Dは「まるかわ」(しんたまかぶり)とそれぞれ特徴を持ち合わせています。

まる1

シンタマ部位のすじ引きは、薄い膜のようなすじが多いため技術が必要になります。

技術の良し悪しが最も顕著にあらわれる部位ですが、品質もよくしっとりしたものは、非常に気持ちよく作業も進められます。

作業する前は、冷蔵庫や冷凍庫で短時間寝かせて肉をしめてあげると作業効率があがります。

 

「ひうち」(ともさんかく)部位の脂肪を取り除き、ひうちのすじを引きます

  • ひうち(ともさんかく)部位の左側面の脂肪をひうちに沿って取り除きます。
  • ひうちのすじを引き、すじは、最初だけ厚く後は薄いため引きづらいが、左側面のすじは完全に取り除きます。

まる2

まるかわ部位の外側面のすじを引きます

  • まるかわ部位だけすじを引きます。
  • まず、ナイフを大きく使って一枚すじで引き上げます。

※ここに小さなすじ(肉片)があったら先にとります。

まる3

シンタマよりひうち(ともさんかく)部位を剥ぎ取り分割します

  • しんたまよりひうち(ともさんかく)を取り除きます。このとき脂肪はできるだけひうちに付けます。これは、二度手間をかけないために行います。(先に境目にナイフを入れ、ひうち部位の肉厚の方より剥ぎ取ります)
  • かめのこ部位まで薄く覆っている脂肪も一緒に剥ぎ取ります。

まる4

かめのこ部位外側の薄いすじを引きます

  • かめのこ部位の薄いすじを、肉の目に逆らうように皿骨の方より引きます。(この透けて見える薄いすじも慣れると三回くらいで引けるようになります)

※他のすじは手は付けないでおいておきます。

  • すじ引きナイフが切れすぎるとすじの方が切れて作業がしにくいです。ナイフは、すじ引きに馴染んだものを使用したものが良いと思います。

まる5

かめのこ部位外側厚めのすじを引きます

  • 裏側の肉の下にラスター等を置くと、すじを引くかめのこ部位が持ち上がり作業がしやすくなります。
  • ナイフを逆手に持ちすじを引き上げます。

まる6

しんたま部位よりまるかわを分割します

まるしんのすじに沿って割り、皿骨までナイフを入れます。

まる7

皿骨につながっているまるかわのすじを切り離し、しんたま部位よりかぶりを取り除きます。

かめのこ部位との境に沿って割り、皿骨につながっているすじを切り離し、しんたまよりまるかわを切り離します。

まる8

かめのことまるしんをすじに沿って切り離します

  • まず左手で皿骨を持ち、すじが張るように引っ張ります。
  • はじめはあまり深くナイフを入れないで、すじに沿ってなぞるように浅く入れ、2回目に大きく入れ角度をつけすじに沿ってナイフを入れます。

※慣れると2回で分割ができます。

まる9

ひうち部位のすじ引きと整形

  • まず、外側の皮下脂肪を3ミリ程度残して余分な脂肪は取り除きます。

※脂肪がなく、透けている部分はすじを引きます。

  • ついで、内外の脂肪を全部取り除いてすじを引きます。

※横の部分のすじも取ります。

まる10

まるしん部位のすじを引きます

まるしんのまわりのすじをすべて引き上げます。

まる11

まるしんをすじに沿って分割します

  • 真ん中に入っているすじに沿って、まず手前よりナイフを角度をつけて入れます。
  • 左手ですじを張りながらナイフを徐々に深く入れ、すじの上をなでるようにして分割します。

まる12

かめのこ部位のすじを引きます

外側は小割り時にすじを引いているので残りの内側を引きます。

先に、大きいすじの周りの薄いすじを引きます。左手ですじを張り、ナイフを逆さにもって反対側にはねるようにナイフを使いすじを引き、全ての脂肪とすじを除去します。

まる13

まるかわ部位のすじ引きと分割

  • 骨肌を引き、引きやすいようにナイフの裏でなでて平らにして、骨肌を引きます。
  • 皿骨につながっていたすじも、脂肪も取り除きます。

まる14

まるかわを分割します

まるかわの中に食い込んでいるすじに沿ってナイフを入れ、分割します。
※最初、スジに沿って浅くなぞるようにナイフを入れ、すじを出し、次に徐々に深くすじに沿ってナイフを入れ、分割します。

まる15

まるかわのすじを引きます

分割されたまるかわは、まず脂肪を取ってから周りのすじを引きます。大きなすじが2つ盛り上がったところにあります。

まる16

内側の残りのすじを引き上げます

まる17

ここまでで作業が終了です。




「マルシン」部位の各小割した商品例

ここでは、小割した部位の商品化について記載していきますが、あくまでも一例であり品質によっては、ステーキや焼肉にならない場合もあります。

和牛や国産牛の味を見極めるときの見分け方と選び方

「まるしん」部位

まるしんは赤身肉でやわらかく(特別やわらかいとはいえません)形や大きさも手ごろです。

このまるしんは真ん中にすじが一枚入っていますが、このすじに沿って2分割にもできます。

下側の肉は薄く、上側は厚いがともに赤身肉とモモ系なのでヘルシーな一品です。

まる18

ステーキやローストビーフには、分割せずになかすじを半分位取り除いて、大きいままで商品づくりができます。

まる19

両端はカレーや焼き肉用に使います。
※品質によっては、硬いものがあるので薄切り焼肉としても使われます。

ローストビーフ用

ローストビーフ用

マルシンミニステーキ

マルシンミニステーキ

「ひうち」(ともさんかく)

もも部位で最もサシの入りやすい部位で、そのサシも小さく見栄えも良く、味もよいのですが特にやわらかいとはいえません。肉質は、水分量が少ないため変質が遅いことが特徴的です。

まる22

ひうちは、肉の目の流れが変化していて、注意しながら焼肉をカットしなければなりません。

しんたま16

かめのこ部位

赤身で硬い部位のかめのこ部位は、パサパサしていいてステーキには向かないものですが、ひと昔前までは、ユッケなどによく使われていました。現在では、しゃぶしゃぶ用やたたきとして使われることが多いです。

まる23

まるかわ部位

まるかわは2等分されますが、肉に厚みがないが、赤身肉で味がしっかりしています。

主に「たたき」に向いていますが、ほとんどはこま切れに使われる事が多いです。



まとめ

今回は、「しんたま」部位でしたが、「まるかわ」、「まるしん」、「かめのこ」、「ひうち」の集まりで、各部位が独自の特徴をもっています。

すじ引きにおいては、その人の技量が最もあらわれやすいものですが、この部位ができるようになれば他の部位もきれいに作業ができるようになります。

また、それぞれ小割したものは、独自の食感や味わいが色とりどりですので、扱い方次第では多種多様な価値が生まれます。

希少価値の高いものもありますが、食してみたい、試してみたい事があればオーダーメイドのカットしてもらうのも良いかもしれません。

エムマート市場でオーダーでカットしていただけるお店は?

コストパフォーマンスを考慮しても、是非活用してみるべきではないでしょうか。

あわせて読みたい
肉のプロが解説!牛肉の部位「うちもも」と「そともも」の違いとは? うちももとそとももの違いは、肉質が大きく異なります。 そとももよりうちももの方がやわらかいです。 硬い。というのがそとももですが、全部位の中でも最も安価な部位...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

コメント

目次