「ホルスタインのサーロインは硬いのでは?」
「ステーキに使っても大丈夫なのか?」
「価格だけを見ると魅力的だが、実際の仕込みや歩留まりはどうなのか?」
業務用でホルスタインのサーロインを仕入れる際、このような疑問を持つ方も多いと思います。
結論からいうと、
ホルスタインサーロインを
「硬い肉」
「ステーキには向かない肉」
と一律に判断することはできません。
特に、五十嵐商会が主に扱っているホルスタイン経産牛は、和牛や若い肉用牛とは肉質の傾向が異なります。
赤身の味を感じやすい一方、個体によっては肉質がしっかりしており、厚切りステーキでは硬さを感じる場合があります。
しかし、
・個体の状態
・脂肪の付き方
・肉の厚さ
・筋の入り方
・切り方
・加熱方法
・料理用途
によって使いやすさは変わります。
大切なのは、
「ホルスタインだから硬い」
と決めつけることではなく、
「このサーロインを何に使うのか」
から仕入れを考えることです。

ホルスタインサーロインが硬く感じられるのはなぜ?
サーロインという部位名だけを見ると、
「ステーキ=柔らかい」
というイメージを持つかもしれません。
しかし、同じサーロインでも牛の品種や個体によって肉質は異なります。
五十嵐商会が主に扱うホルスタイン経産牛では、和牛のように強い脂肪交雑が入る肉とは異なり、赤身主体で肉質がしっかりしている個体があります。
特に厚切りにすると、
・赤身の密度
・筋繊維
・脂肪量
・筋や結合組織
・加熱による水分の減少
などの影響によって、硬さを感じやすくなることがあります。
「サーロイン=必ず柔らかい」ではない
部位としてのサーロインは比較的ステーキに利用しやすい部位ですが、
サーロインであることと、
すべての肉が同じ柔らかさであることは別です。
同じホルスタイン経産牛でも、
・肉質
・脂肪
・大きさ
・月齢
・飼養履歴
などに個体差があります。
そのため業務用仕入れでは、
「ホルスタインサーロイン」
という商品名だけではなく、実際の商品状態と使用用途を合わせて考える必要があります。
ホルスタイン経産牛は個体差を前提に考える
経産牛とは、出産や搾乳を経験した牛です。
五十嵐商会では、このホルスタイン経産牛を長年取り扱ってきました。
経産牛は一頭ごとに状態が異なるため、
「ホルスタイン経産牛ならすべて同じ」
とは考えません。
脂肪が比較的多い個体もあれば、赤身が強い個体もあります。
サーロインについても、
・ステーキに使いやすいもの
・ローストに向くもの
・薄切り加工して使いやすいもの
など、状態によって用途を考える必要があります。

再肥育・飼い直しはどう考える?
経産牛では、出荷前に一定期間飼い直しや再肥育が行われる場合があります。
再肥育によって肉付きや脂肪の状態が変わることがありますが、
「再肥育された牛なら必ず柔らかい」
と断定することはできません。
飼養方法や期間、牛そのものの状態によって結果は変わります。
そのため最終的には、
・実際の肉質
・脂肪の状態
・用途
・仕入価格
・商品化した際の歩留まり
まで確認して評価する必要があります。
熟成すればホルスタインサーロインは柔らかくなる?
牛肉は、と畜後に一定の熟成過程を経ることで、肉質や風味が変化します。
熟成によって肉のタンパク質が変化し、食感がやわらぐ場合があります。
ただし、
「熟成すれば硬い肉が必ず柔らかくなる」
というものではありません。
筋や結合組織そのものがなくなるわけではなく、個体差もあります。
また、熟成は、
・温度
・包装状態
・衛生管理
・保管期間
・原料肉の状態
などを適切に管理する必要があります。
業務用で使用する場合は、自己判断で長期間保管するのではなく、仕入れた商品の保存条件・賞味期限・衛生管理基準に従ってください。
以前は熟成日数や温度を一律の目安として紹介していましたが、実際には商品状態や管理条件によって異なるため、一律の期間で判断しないことが重要です。
ホルスタインサーロインは何に使える?
ホルスタインサーロインの価値は、
「ステーキとして柔らかいか」
だけで決まりません。
業務用では、用途によって評価が変わります。

ステーキ
肉質を確認しながら厚さを調整できる場合は、ステーキ用途として使用できます。
ただし、厚く切れば必ず良いわけではありません。
肉質がしっかりした個体を厚切りにすると硬さを感じやすくなる場合があるため、
・厚さ
・筋切り
・加熱温度
・加熱時間
・休ませ方
などを調整する必要があります。
「サーロインだから厚切り」
ではなく、肉質に合わせて商品設計することが重要です。
ローストビーフ・ロースト系商品
赤身を活かしたロースト用途も選択肢になります。
特に、
・赤身感を出したい
・国産牛として商品化したい
・ステーキ以外の用途を考えたい
場合には検討できます。
ただし、加熱しすぎれば水分が抜けて硬くなりやすいため、中心温度や加熱後の状態を確認しながら商品化してください。
薄切り・焼肉・牛丼・肉丼
肉質がしっかりした牛肉でも、薄く加工することで食べやすくできる場合があります。
例えば、
・焼肉
・牛丼
・肉丼
・炒め物
・肉うどん
などです。
五十嵐商会では、基本的にブロック肉で販売しています。
スライス加工は行っていません。
薄切り用途で使用する場合は、購入後にお客様側でスライサー等を使用して加工していただくことになります。

業務用では「kg単価」だけで判断しない
サーロインを仕入れるとき、
「1kgいくらか」
だけで比較すると、実際の利益を判断できないことがあります。
例えばブロック肉の場合、
・余分な脂肪
・筋
・整形ロス
・ポーションカット時のロス
などが発生します。
さらに、
・整形時間
・スライス時間
・仕込み人件費
も必要になります。
そのため業務用では、
商品代
+送料
+加工負担
+ロス
まで考える必要があります。
使用可能部分で実質原価を考える
考え方の一例として、
実質原価/kg
=(商品代+送料)÷使用可能重量
で比較します。
例えば、同じ仕入単価でも、
A商品は整形ロスが少ない
B商品は整形ロスが多い
のであれば、最終的な1kg当たり原価は変わります。
さらに飲食店では、
「1kgの原価」から、
「1皿の原価」
まで落とし込むことが重要です。
通常サーロインと牛脂注入サーロインは何が違う?
五十嵐商会では、Mマートで通常の国産牛サーロインと、牛脂注入したサーロインステーキを販売しています。
この2つは、
「どちらが上の商品か」
という比較ではありません。
求める用途が違います。
通常サーロイン
通常のサーロインはブロック原料として、
・ステーキ
・ロースト
・購入後の薄切り
・焼肉
・牛丼
・惣菜
・加工原料
など、使用者側で自由に商品設計しやすいことが特徴です。
一方で、
・肉質の確認
・整形
・ポーションカット
・スライス
・加熱方法の調整
などの作業が必要になります。
自社で加工技術や設備を持つ事業者に向いています。
牛脂注入サーロインステーキ

牛脂注入サーロインは、サーロインへ牛脂を注入して肉質を調整した商品です。
五十嵐商会で現在販売している商品には、150g単位にポーションされたタイプがあります。
1枚ごとに真空包装されているため、
・ステーキ
・ステーキ弁当
・ステーキ丼
・ランチメニュー
・鉄板メニュー
など、定量管理が必要な業態で使用しやすい商品です。
通常のブロックサーロインと比べ、
・ポーション作業を減らしやすい
・1食当たり原価を計算しやすい
・重量をそろえやすい
・仕込み作業を減らしやすい
という違いがあります。
一方で、ブロック肉のように厚さや形を自由に変更する用途には向きません。
通常サーロインと牛脂注入サーロインの選び方
業務用では、肉だけを比較するのではなく、
「自社の厨房・加工設備・人員・メニュー」
まで含めて選びます。
通常サーロインが向いている場合
・自社で肉を整形できる
・スライサーを持っている
・料理ごとに厚さを変えたい
・ローストビーフにも使いたい
・赤身の特徴を活かした商品を作りたい
・ブロックから複数用途へ展開したい
牛脂注入サーロインが向いている場合
・ステーキを定量で提供したい
・仕込み時間を減らしたい
・人によるポーション差を減らしたい
・弁当やステーキ丼の原価を管理したい
・厨房人員が少ない
・メニュー品質を一定にしやすくしたい
業態別|どちらを選ぶ?
飲食店・洋食店
ステーキを定量提供するなら牛脂注入サーロイン。
ローストや自社独自のカットまで行うなら通常サーロインも選択肢になります。
焼肉店・牛丼・肉丼業態
自社にスライサーがあり、厚さを調整できる場合は通常サーロインをブロックで仕入れて、購入後に用途に合わせて加工する方法があります。
惣菜・弁当製造
ステーキ弁当や定量商品の場合は、ポーション済みの牛脂注入サーロインが作業時間と原価管理の面で使いやすい場合があります。
ローストビーフや加工原料として複数用途へ展開する場合は通常サーロインを検討します。
食品メーカー・セントラルキッチン
加工設備や人員を持ち、自社規格へ加工できる場合はブロック肉。
一定重量の商品を大量に扱い、仕込み作業を減らしたい場合はポーション済み商品の方が適する場合があります。
五十嵐商会の国産牛サーロインをMマートで確認する
五十嵐商会では、ホルスタイン経産牛を中心とした国産牛肉を業務用で販売しています。
現在のサーロイン商品については、価格・重量・在庫・販売条件が変更になる場合があるため、Mマートの商品ページで最新情報をご確認ください。
【通常サーロイン】
【牛脂注入サーロイン】
▶ 【原価528円・時短調理】国産サーロインステーキ(牛脂注入)を確認する
どちらを選べばよいか迷った場合
「ブロックで仕入れて自社加工した方がよいのか」
「150gステーキをそのまま使った方がよいのか」
は、商品単価だけでは判断できません。
・使用用途
・1日の使用量
・必要なロット
・自社の加工設備
・仕込み人員
・歩留まり
・1食原価
・求める肉質
まで含めて比較してください。
五十嵐商会では、単に
「安い牛肉」
としてではなく、
お客様がどのように使用し、
最終的にどれだけ利益を残せるか
という視点で、国産牛肉の商品づくりと情報発信を行っています。

まとめ|ホルスタインサーロインは用途を決めてから仕入れる
ホルスタインサーロインは、
「硬いから使えない」
という部位ではありません。
一方で、
「サーロインだから必ず柔らかい」
とも言えません。
重要なのは、
・個体差
・肉質
・脂肪
・切り方
・加熱方法
・用途
・歩留まり
・加工時間
まで含めて判断することです。
自社で加工し、複数用途へ展開するなら通常サーロイン。
定量ステーキとして作業負担や原価管理を重視するなら牛脂注入サーロイン。
というように、業態と商品設計によって選択肢は変わります。
kg単価だけではなく、
「商品化したあとに利益が残るか」
まで考えて仕入れることが、業務用牛肉では重要です。
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