現役牛肉の卸が語る複雑な牛肉の流通とは一体どうなっているの!?

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牛肉ってどのようにして私たちの手元にくるのだろうか?

スーパーで、また、焼肉屋さんでふと感じるのではないでしょうか。

実は、牛肉の流通といっても基本的なルールの中で流通はあるもののそれは、一概に決まっているわけではありません。

そして、流通から価格や相場が決まっていますが、少しのぞいていきましょう。

今回は、私たちが知らない世界への入り口である牛肉の裏側せまっていきます。

目次

牛肉の流通の基本は競りから始まり価格もそこから決まる!

牛肉の流通の大元である「競り」「市場」があります。

魚でも野菜でも花でも必ずといっていいほど「競り」が行われます。

牛肉においてもこのような「競り」があり、生産者と流通業者との間で取引されています。

この流通業者というのは、仲買人であったり卸業者、精肉店など様々ですが、業界では買参人と呼ばれます。

この「競り」が流通の大元であり、価格や相場がきまってきます。また、全国的な価格相場の基準となるのが東京にある競り場になってきます。

全国各地に様々ある屠畜場で併設されている「競り場」がありますが、流通の一切がここで決まってきます。

競り場で購入された牛は、解体されブロック肉わけられ、スーパーや精肉店、飲食店などに流通され私たちの口元に届くわけです。

牛肉の競りだけが流通ではない!?

実は、全国的に流通されている牛肉は、「競り」だけではありません。

他にも様々な方法で取引されています。

全国的に「競り」で取引されているわけではありません。実はこの競りにおいて全国的な生産頭数から取引されている頭数からみれば3割ほどだといわれています。

では、残りはどのように取引されているのかというと、「相対」もしくは「生産者と流通業者が一社」になっていることの方が多いです。

では、相対という方法とはどういうことかというと、生産者と流通業者が提携を結び、直接購入が非常に多いです。

「競り」を通さないことが多いです。

ちまたのネットにはヤフーオークションなどでもあると思いますが、購入側も出品者も出品料や購入時の手数料が競りでもあるため、無駄な経費をかけたくないのが正直なところです。

この方法が一般的な方法になります。

また、生産者と流通業者が一社というのは、食肉関連での大手の業者がほとんどで流通費用などのコスト削減にもつながるためこのような方法になります。

また、牛一頭を仕入れるのに枝肉で購入するという方法と生きたまま(生体)で購入する方法もあり、ここだけでも非常に複雑になります。

車の仕入れでもあると思いますが、オークションとお客様の下取りからの直接買い付けと似たようなものではないでしょうか。

枝肉の競り

牛の生体仕入れ現場

牛の生体仕入れ現場

生産者にとっても流通がある!

前述でも述べましたが流通の大元である「競り」があります。

これは、流通業者と生産者との橋渡しをしていることにもなりますが、実は生産者にも競りがあります。

子牛の競りです。

生産者は子牛を購入し、育てて流通業者に販売していく方式がとられているところと自社で子供も産んで育てる方式をとっているところがあります。

どちらもメリットとデメリットがありますが、生産者はこの方式をとられているところが多く、ただでさえ豚と比べ牛は、子供を産む数が少ないにもかかわらず、私たちの手元に届く頃には「牛肉って高いな」と感じるのは複雑な流通も一つの原因ではないでしょうか。

牛肉の相場の決めている基準はどこ?

この複雑な流通によって牛肉の価格が決まってくるのですが、ですが全国的な基準になっているのが東京の市場になってきます。

ここの相場が全国の基準になって地方の競り場の価格が決まってきます。

地方の価格帯は一概によって決まるわけではありませんが、東京の基準で仕入れ業者は価格を参考にしています。

また、部分肉だけで流通している「競り」もありますが、これも東京が基準になってきます。

ただ、この流通されている価格は世の中の状況によっても変化しています。

[box class=”box_style_red” title=”世の中の状況によって変わる価格変動例”]

  • 輸入牛肉の増加や円高。
  • 大手の在庫が一気に流通されたとき。
  • 生産者が牧場の牛を入れ替えるために牛を多く出荷したとき
  • 夏場は牛がバテるため牛の出荷を控えたとき

 

このような状況を踏まえながら流通業者は牛肉を購入しながら世の中の市場価格となるのです。

枝肉の品質を見るときに参考にするロース芯

まとめ

いかがでしょうか。

牛肉の流通は、複雑かつ様々な状況を踏まえながら価格が決まっていることがおわかりいただけたでしょうか。

生産者は、子牛産ませて育てるか、子牛を購入し育て、市場という競り場で買参人購入してもらい、競り場の結果で世の中の牛肉の流通価格が決まっていき、また、購入方法としては、相対で購入するのか、枝肉、生体と様々になっています。

また、世の中の状況によっては価格が変動するため、私たちが牛肉を購入する際は価格が高く感じたり安くも感じるのです。

ちなみにこの牛たちの生産頭数によっても乳製品が高価にもなったり安くにもなったりするのです。

生き物を育てることは大変であり、世の中の私たちの生活にも直結していきますので複雑ではありますが感謝したいものです。

では次回に!

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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