牛の胃はいくつ?なぜ何個もあるのだろうか?

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牛肉の胃は4つ。

食べたエサを一度で消化しきれないため、4つの胃を使って少しずつ消化していきます。

エサを食べてもどし、食べてはもどしを繰り返すことから「反すう動物」とも言われています。

牛の胃の名前はそれぞれあります。

1番目の胃は「ミノ」

2番目の胃は「ハチノス」

3番目の胃は「センマイ」

4番目の胃は「ギアラ」

になります。

お肉屋さんはこの名称が一般的です。

また、ホルモンについては「赤もの」と「白もの」に分けて言い、胃については白ものと呼びます。

この記事を読むとわかること
  • 牛の胃はどのような
  • 語源を解説。
  • 食べ方について。


牛の胃について徹底解説します。

目次

牛の胃は、何故4つあるの?その牛肉のホルモンを解説

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牛肉を食する時には、必ずといっていいほどホルモンを頼む方もおられるのではないでしょうか。

  • そのホルモンの中でも牛の胃にあたるミノ、ハチノス、センマイ、ギアラは何故いくつもの胃があるのか?
  • その名前の由来とは?食べ方とは?

様々な疑問点がある牛の胃ですが、その胃にまつわる特徴など抑えながら解説していきます。

牛の胃は、4つで成り立ち「複胃」ともいいます。

人間と同じ役割をしている胃が第4胃の「ギアラ」にあたります。

では、第1~第3胃はどのような役割をはたしているのか?

牛は「反芻(はんすう)」(一度飲みこんだ食物を再び口中にもどし、よくかんでからまた飲みこむ)をしながら食事をします。

第1胃から第3までを反芻するための機能で微生物が分解した草の成分は、牛の大切な栄養になります。

第1胃「ルーメン」は食物の繊維を分解し、見た目が蓑(みの)に似ていることからミノと呼ばれています。

第2の胃は、餌を食道まで押し戻す役割があます。

第3胃は、第4胃に入る量などを調節する役割があり、水分と栄養分を吸収しながら第1から第2にへと反芻する役割があります。

では、これらの胃についてどのような名前の由来や特徴を抑え下処理の方法など掘り下げていきます。



第1胃「ミノ」【サンドミノ・ガツ・ルーメン】

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見た目が蓑(みの)傘(切り開いた形)に似ていることから名付けられたとされます。

他には、サンドミノ、ガツ、ルーメン(RUMEN UNSCALDED)とも呼ばれています。

その容積は200ℓ程で、4つの胃の中で最も大きいものになります。

肉厚で歯ごたえがあり、繊毛が密集していてかたいものになりますので、下準備には、皮をはいで包丁で切れ目を入れる作業が必要です。

この中でもとくにぶ厚い部分が「上ミノ」と呼ばれています。

生のまま購入した場合は、茹で塩をたっぷりふって、よくもみ洗いをし、香味野菜とともに圧力鍋で20~30分ほど茹でます。

一度湯を変え、もう一度圧力鍋で10分ほど茹で、水に入れて冷まします。

茹でたものの硬いので包丁で切れ目を入れると良いでしょう。

第2胃「ハチノス」【蜂巣胃・トライブ・トリッパ】

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胃の内壁の形が名の通り蜂の巣のようにひだになっていることから「ハチノス(RETICULUM)」と呼ばれています。

下処理に手間がかかるものの、胃の中では最も味がよい言われています。

あっさりとして食べやすく、独特な弾力感があるため、煮込み料理やもつ焼きなとに利用されています。

「ハチノス」の下処理では生で購入した場合、2~3回茹でこぼします。

洋食はハーブやレモン、香辛料で、中華は香辛料にて茹でこぼした後、調理すると良いでしょう。

また、「トリッパ」の煮込みは、ハチノスの代表的料理で、下処理したハチノスを細く切り、たまねぎやにんにくと一緒にオリーブオイルで炒めます。

白ワインやホールトマト、固形スープ、ローレルを入れて煮込みます。

s塩、こしょうで調味し、パセリや粉チーズを加えてできあがります。

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第3胃「センマイ」(千枚)

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内壁に深いひだと無数の突起があり、まるで布切れを千枚重ねたように見えることから名付けられた「センマイ」(OMASUM)。

ボツボツを現した千葉(チョニブ)という朝鮮語が語源とも言われていますが確かなものはありません。

特有の歯ざわりがあり、脂肪が少なく、鉄分や亜鉛を多く含みます。

グレーの皮をむいて茹でて下処理をすると、白く、シャキッとした歯みごたえのある肉がみえてきます。

センマイの下処理は、細切りにしたものがよく販売されていますので、そのまま使えます。

たっぷりの熱湯にさっと通し、氷水にさらすなどしてから調理するとよいです。

また、細かく切った「センマイ」を冷やしておき、味噌と醤油、粉末唐辛子、酢、砂糖を合わせて酢味噌を作ります。

食べる前に和え、お好みでネギやすり胡麻を入れて食するとおいしいです。



第4胃「ギアラ」(赤センマイ、アボミ)

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「ギアラ」(ABOMASUM)の語源には、2説あります。

ひとつは「偽の腹」の意味で「偽腹(ぎばら)」がからという説と、米軍基地で働いた人が報酬代わりにもらっていたことから「ギャラ」がという説でどちらかが確かとは言えません。

また、赤センマイとも呼ばれ、表面の黄白色に比べて内面が赤いのでこう呼ばれています。

また、表面がなめらかで薄く、比較的柔らかいのが特徴です。

大きなひだの表面のぬめりをきちんと取ると、うま味が増して口当たりもよくなります。

全体的に脂肪が多く、濃厚な味わいです。

ギアラの下処理は、生のまま購入した場合は、2~3回茹でこぼします。

塩水にとって洗い、ぬめりを十分に取り除く臭みが減少し、うま味が増します。




まとめ

ホルモンを取り扱う時は、必ず茹でる(加熱処理)ことが大切です。

消費者に行く前には必ず細菌処理されていますが、傷みやすい特性を合わせもっていますので、早めに食すると良いでしょう。

また、処理場によっては、ミノに脂をつけたり、脂を取ったり(衛生上)しています。

味や食感が変わるためですが、地域によって販売方法も違うので是非とも様々な地域で食べてみるのもよいかもしれません。

ただし、ホルモンほど日持ちがしないのでほどほどにしたほうが良いと思います。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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