当サイト管理者は、食肉の卸にたずさわって10年以上たちます。
10年のという月日で何を得られたのかというと牛の育て方、牛の加工技術、処理技術、調理など多岐にわたります。
今では、スーパーへいくとパック一つで牛肉の仕入れ値までわかってしまいます。
また、ミンチや切り落としを焼肉やステーキに変えることもできてしまいます。
今回は、そんな私がご紹介するたった3つのことをおさえるだけで安い牛肉をお得に感じざるおえない、牛肉の卸だからこそ裏側を交えつつご紹介していきます。
安い牛肉は「選び方」「使い方」「買い方」をおさえるべし!!
「牛に罪はない」
私が関東、関西で牛肉の勉強のため様々なお店で学んでいたときに諸先輩に言われた一言。
「選び方」「使い方」「買い方」ができないと痛みを伴うのは人間です。何故なら現在の牛の育て方は、人間が好む肉質、味、牛乳などの必要な栄養価を取るために生きています。
正直、人間の都合で育てられています。
こんな事を言うのは勘違いされるかもしれませんが、事実です。
自分の収入に見合わない車を購入すると維持費で苦しむのは、人間です。
ですから、牛に罪はありません。
では、私たちがどのようにすれば苦しまないですむのか、安い牛肉のおさえるべき3つのポイントについて解説していきます。
安い牛肉の「選び方」とは?
牛肉の販売価格が決定される根拠とは何でしょうか?
大きく分ければ2つになります。
牛肉の品種によるものと料理用途になります。
日本国内の販売されている牛の品種は、和牛、交雑種、乳用種(ホルスタイン)、輸入牛(ヘレフォード、アンガス)になり、価格順に並べると以下のようになります。
和牛>交雑種>乳用種>輸入牛。
スーパーや専門店では、交雑、ホルスとして販売しているところあまり見かけませんが、交雑はいわゆる雑種なので聞こえが悪いこともあって、国産牛肉として販売されていることが多いです。これは、国産という名前だと消費者にわかりやすくなるからです。
料理用途では以下のようになります。
ステーキ>焼肉>すき焼き>しゃぶしゃぶ>薄切り>こま切れ>カレー用、シチュー用>ミンチ。
料理用途によって価格差決められています。
牛肉は、柔らかい部位と硬い部位があり、柔らかい部位だとステーキ用、硬い部位だとミンチ用として使われますので、部位の値段の違いがでてきます。
部位別でみると、
ヒレ>リブロース>サーロイン>らんいち>三角バラ>肩ロース>うちもも>すね>なかバラ>そとバラ>しんたま>うで>ブリスケット>そともも。
基本的にヒレ、リブロース、サーロインは変わりませんが、そのほかは地域や食文化、季節、販売業者によって違いがでます。
上位のものは、ステーキや焼肉としてつかわれ、中盤にさしかかってくるとすき焼き、しゃぶしゃぶなどの煮込み料理、炒めもの、ミンチといったところです。
ただ、すねは牛すじとしてつかわれることが多く、常に供給があるため値段は案外高いです。
といっても部位別だと変動が激しいのでポイントとしては、ミンチ、こま切れ、薄切り、切り落としをうまく使うと環境に左右されない選び方となります。
ちなみに牛肉では、「A5」などの格付けなどで左右されないほうが良いです。
評価しているのは人間であり、全国的に基準に沿って円滑にすすめているように見えて評価が甘いのでは?と疑問が生じることはあります。
また、地域によって評価が曖昧さも感じることがありますので、私は基準を踏まえて自分の経験で判断しています。
安い牛肉の「使い方」とは?
安い牛肉は、品質は劣るとあながち思いがちになりますが家電製品や車のグレードのように価格差で保温機能がないとか安全装備がついてないなどありません。
違いがあるとすれば、色合い、硬さ、柔らかさ、味の濃厚、香りの違いです。
ですから、色合いが悪いのであれば熟成度合いを変える、硬いのであれば柔らかくする、味が薄いのであれば調味料、香りが立たないのであれば香味野菜をからめるか香り付をするなど、工夫をすれば最高の一品になります。
できなければ技術と知識がないのです。
これから3つだけちょっとした工夫をしたレシピをご紹介していきます。
安い肉の代表格、切り落とし、こま切れ、もものブロック肉を使った料理ですが、ポイントをしっかりおさえて試してみてはいかがでしょうか。
ビビンバサラダ
切り落としは、一つの部位だけつくられたものですが、こま切れは多くの部位がからんでいます。
ここでは、サラダとしてタンパクな味わいの部位を使用したいので、もも系か肩ロース、うでなどの選び方が良いかと思います。
様々な味や食感を楽しみたい方は、こま切れを選んでみてください。(あまり脂がはいっていないほうがよいです)
材料(約4人分)
- 薄切り肉・・・200g
- 小松菜・・・150g
- にんじん・・・30g
- 大根・・・80g
- 水煮ぜんまい・・・80g
- ごま油・・・小さじ2
- 砂糖・・・大さじ2/3
A(タレ)
- 醤油・・・大さじ1
- 砂糖・・・大さじ2
- 酢・・・小さじ2
- ごま油・・・小さじ1
- 白いりごま・・・大さじ1
- にんにくすりおろし・・・適量
- 長ネギのみじん切り・・・大さじ2
作り方
- 牛肉は肉の繊維に沿って長さ5cmほどの千切りにします。
- 牛肉をごま油で炒め、色が変わったら醤油と砂糖を加えて水分を飛ばします。
- 小松菜は長さ5cmに切り、さっとゆでて水にとり、しぼる。
- もやしはさっとゆでて水にとり、水気をきる。
- にんじんと大根はそれぞれ長さ5cmほどの太めの千切り、しんありする程度にゆでて冷ましておきます。
- 水煮ぜんまいはさっとゆでて冷ましておきます。
- 牛肉と野菜を放射状に盛り付け、Aを混ぜあわせてかけます。
牛肉の使い方ポイント!
- 切り落としの肉は、繊維に沿って切ると型崩れしにくくなります。
- 今回の使用した牛肉はこちら
メンチボール
しそとスパイスが絶妙なアクセントに!
材料(4人分)
- 牛ミンチ・・・300g
- ごはん・・・300g
- 玉ねぎ・・・1/2個
- シソの葉・・・3枚
- モッツァレラチーズ・・・120g
- キャベツ・・・適量
- ブロッコリー・・・適量
- 塩・・・小さじ1/2
- こしょう、パプリカパウダー、カイエンヌペッパー ・・・適量
作り方(約4人分)
- シソの葉と玉ねぎはみじん切り、モッツァレラチーズは1cm角に切る。
- ミンチ肉に塩、パプリカパウダー、カイエンヌペッパー、こしょうを加えて練る。
- 粘り気がでてきたら玉ねぎ、シソの葉、ごはんを加えてさっと混ぜる。
- 1個30g~40gほどの大きさに丸め、中心にチーズを包みこむ。手に油少量を取り、手につかないようにして形を整える。
- Aを混ぜる。A,パン粉の順にまぶして160℃の油で3分ほど、170℃にあげて色づくまで1~2分ほど揚げます。 器に盛り、キャベツブロッコリーを添えて完成。
牛肉の使い方ポイント!
- ミンチ材、ひき材などは、ごはんにあわせると食感と味わいのバランスがよくお弁当の一品としても大活躍です。
- 使用した牛肉はこちら
牛肉のたたき風
甘辛ダレが牛肉の味わいを引き立たせてくれます。
材料(4人分)
- 牛ももブロック・・・400g
- 長ネギ・・・1/2本
- しょうがの薄切り・・・薄切り
- レタス・・・200g
- 貝割れ菜・・・50g
- 油・・・大さじ1
- 塩・・・小さじ1/3
- こしょう・・・少量
タレ
- ピーナッツバター・・・30g
- しょうがのすりおろし・・・小さじ1/2
- にんにくのすりおろし、豆板醬、ごま油・・・各小さじ1
- 砂糖、醤油・・・各大さじ2
- 酢・・・大さじ1
作り方
- 長ネギは薄切りにし、塩、しょうがとともに牛肉にこすりつけて20分ほどおく。
- フライパンに油を熱し、薬味を外した肉を入れ、全面を焼き付ける。弱火にして5分ほど焼く。
- 2をアルミホイルできれいに包んで徐々に冷まし、厚さ5mm程度に薄く切る。
- レタスはせん切り、貝割れ菜は根を取って2つに切る。
- ピーナッツバター、しょうがのすりおろし、にんにくのすりおろし、砂糖、豆板醬をよく混ぜ合わせ、残りのタレの材料も加えてたれを作る。
- レタスに肉を乗せて貝割れを添え、タレをかける。
牛肉の使い方ポイント
- 牛肉は焼き方でも硬さと柔らかさがでます。もも系統は、硬めですので低温で徐々に上げていくと柔らかく食べれます。
- このレシピで使用した牛肉はこちら
安い牛肉の「買い方」とは?
過去の牛肉の入手方法は、消費者のかたは精肉店やスーパー。精肉店やスーパーの仕入れ先は、商社や私がいる食肉卸ぐらいでしたが、ネット販売が普及してからこれまでの流通は変化しています。
牛肉を安く購入するには単純に言えば流通経路の上の方で購入する方が断然安く購入することができます。
例えば業者間の売買をつなぐMマートでは牛肉の1次問屋、2次問屋などと取引ができます。
Mマートの利点は、限られた業者との取引だけでなく幅広く取り扱っていますので、会社の同僚や町内会などのイベント、学生イベントなどの団体でも取引が可能ということです。
国産牛肉の150gが1枚、500円もかからないものもあります。
ただ、注意すべき点はあくまでも業者間取引ですので包装や梱包が簡素なものになります。
また、通販で米沢牛という銘柄牛のひき肉が100gを440円で購入することができます。
和牛ではかなり安いのではないでしょうか。
安い牛肉をまとめます!
インターネットの普及で利便性も向上し、牛肉においても購入先が広がるようになりました。
過去においては和牛の日本短角種など一部の地域でしか購入できなかったものが今ではネットを通じて購入できるようになりました。
よりお求めてやすくなったと実感しています。
ただ、ネットショップも増え、今では一般の方でも転売で牛肉や海産物を販売しているかたがおられます。
私のところでも一般のお客様から連絡があり、あるオークションで牛肉を購入したけど焼き方がわからないと言われたことがあります。
牛肉の卸は、基本的には業者のみの販売で、必ず販売店から購入しているためお客様と通じることはないのですが、転売で販売された方の連絡先がわからず、ラベル表示された自社の電話番号に連絡があったのです。
流通のしくみが変わったと感じた出来事でしたが、大切なのは信頼ができるお店で買うことです。
売りっぱなしではなく、きちんと対応できるお店で購入することが大切です。
ネットショップでもきちんと実店舗があって、衛生責任者もしくは衛生管理者がいます。これは、食品を販売する上で保健所から許可がおりているところになります。
食品を販売する上で責任をともないますが、自治体すら認可がおりてないような所で購入するのは控えましょう。
私自身もネットで購入する事がありますが、自社も過去にアマゾンに出品をしたことがありますが、食品の販売審査は大変きびしいものがありました。
逆に購入する側にとっては安心できますね。
では今回のおさらい。
- 牛肉の価格は、品種、料理用途によって違うため価格の基準になる
- 安い牛肉は、料理や工夫で最高の一品になる。牛に罪はナシ!
- 近年の牛肉の流通が大きく変化しており、選択肢が広がり、元をたどれば良い買い物ができる。
- 通販での購入には実店舗があり、最低限自治体の認可がおりているところや販売者が明確になっているところがよい。
では次回に!
ご質問があればコメントお待ちしております!
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