「と畜後の牛肉は、どこで保管され、いつ部分肉になるのか」。この記事では、検査・冷却・枝肉・脱骨・分割から販売までの流れを、掲載してきた工程写真とともに整理します。保管と熟成、仕入れ後の保存は分けて考えましょう。
牛の飼養からと畜検査へ
牛の生産には、繁殖から肥育まで行う経営や、子牛を購入して育てる経営などがあります。子牛の価格、生体重量、飼料の使用量は品種・月齢・時期・飼養条件で変わります。元記事の時点や分母が確定できない価格・重量・飼料効率を、現在の一律の目安にはしません。

以下の写真は、元記事に掲載した取材時の施設・工程の事例です。撮影時の記録であり、当社の現在の設備、全国の施設や流通を一律に示すものではありません。
通常のと畜検査とBSE検査を分ける
岩見沢食肉衛生検査所の説明では、食用の牛・馬・豚・めん羊・山羊は、特例を除きと畜場で処理され、自治体の獣医師による検査を受けます。鶏はこの畜種の列挙に含めず、食鳥処理の制度と区別します。
生体、解体前、解体後の検査を経て、病気や異常の有無を確認します。通常のと畜検査を「全頭のBSE検査」と同じ意味では使いません。厚生労働省のBSE対策の説明によると、健康牛のBSE検査は2017年4月に廃止され、行動異常・神経症状を示す牛などの検査と区別されています。検査に加え、処理後の衛生管理・温度管理も必要です。

枝肉の取引には競りや相対取引などがある
と畜・解体後、頭・内臓・四肢などを除き、左右に分けた状態を半丸枝肉と呼びます。枝肉を市場の競りで購入する流れもありますが、すべての牛肉が同じ競り場や同じ会社を通るわけではありません。契約や相対取引など、産地・市場・事業者によって経路が異なります。

生体の取引が行われる市場もあります。下の写真はその事例で、枝肉の競りと同じ取引段階ではありません。

冷却・保管から脱骨・部分肉への分割
検査を経た枝肉は、施設の衛生管理計画に沿って冷却・保管し、取引先や加工施設へ運びます。加工の順序や保管期間は施設・契約で異なり、単に長く冷蔵すれば品質がよくなるわけではありません。

枝肉から骨を外す作業が脱骨です。その後、商品規格に合わせて分割・整形します。脱骨を担う事業者や取引段階は一定ではないため、「一次問屋だけの仕事」とは限定しません。


日本食肉格付協会の牛部分肉取引規格では、ネック・かた・かたロース・かたばら・ヒレ・リブロース・サーロイン・ともばら・うちもも・しんたま・らんいち・そともも・すねの13区分を定めています。実際の販売では、複数区分を合わせたり、さらに小割りしたりする規格もあります。

包装した部分肉も、指定温度と期限に沿って保管・輸送します。冷蔵庫の大きさだけで、その国の消費量や保管日数、肉の安全性は判断できません。下の海外施設の写真は、元記事で紹介した保管設備の一例です。

部分肉は、精肉店やスーパー、飲食店などで、用途に合わせて整形・スライス・カットされます。生産から販売まで多くの人が携わりますが、特定地域の流通を「すべて一社」とする説明はできません。


保管と熟成は同じではない
熟成は、原料・包装・温度・湿度・衛生状態などを管理し、品質の変化を確認する工程です。枝肉で行う場合や、包装した部分肉で扱う場合などがありますが、冷蔵庫に置くだけで熟成・安全性・期限延長が成立するものではありません。
現場で培われた肉の見極めや設備の管理は重要ですが、経験だけで病原微生物の有無を確認することはできません。家庭で商品指定の期限を延ばしたり、開封肉を安易に熟成させたりする手順としては使わないでください。家庭の保存・解凍については関連記事で確認できます。
仕入れ時に確認する条件
加工日や表示の期限だけでなく、包装の種類と開封の有無、冷蔵/冷凍、温度履歴、配送時の保冷条件、到着後の保管設備を合わせて確認します。未開封用の期限を、開封後や再包装後にそのまま適用しないでください。異臭や変色がなくても安全とは限りません。
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業務用牛肉を仕入れる事業者の方は、保管方法・商品規格・ロット・配送条件を掲載商品ごとに確認してください。バナーは国産ホルスタイン経産牛等の原料選びの案内であり、この記事の施設写真や熟成方法を保証するものではありません。 五十嵐商会のMマート商品一覧で現行の取引条件を確認する
まとめ
と畜後の牛肉は、検査を経て冷却・保管され、取引と加工を通じて枝肉から部分肉、小売・飲食用の商品へ進みます。流通経路と保管・熟成の条件を分け、仕入れ時は実際の表示・包装・温度管理・納品条件で判断しましょう。
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