Mマート市場(エムマート食材卸売場)において「うちもも」部位というものがあります。
形と見栄えが良く、使い勝手のよい部位になります。
一般的には切り落としやこま切れなどに使われますが、今回は、Mマート市場(エムマート食材卸売場)での内容です。
- 業務用食品卸Mマートのうちももの使いかたについて。
- うちももの特徴について。
- 部分肉から商品になるまでの解説。
あくまでも業務用の取り扱い方になりますので、専門性の高い内容となります。
牛肉の「うちもも」部位を徹底解剖!
エムマート市場においてもも系では、よく扱われているものが「うちもも」部位になります。
この部位は、形もよく主にローストビーフやコマ材(畜種や品質による)に使用されます。
肉の味わいは充分にでている事や脂肪の味が淡白であり、柵取りが取りやすいためローストビーフとして使われる事が多いのではないでしょうか。
過去の生食が可能だったときには、ユッケの材料としも使われる事がありました。
肉質的にはやや硬いものの使い方次第では、安価なものになりますので、お手頃な部位となります。
また、国産において、最も安価で手に入りやすいホルスタインなどは、扱い方に留意しながら使えば非常に重宝するのではないでしょうか。
ホルスにおいては若干の熟成も(屠畜日から換算して約5日頃)必要になるものがあります。
また、分割したものは、歩留まりもよく、使い勝手もよいので試してみるのはよいのではないでしょうか。
さらに歩留りがよいうちももはこちら!
部分肉から内ももを小割・整形する方法ということは、作業性などみると複雑かつ時間的にかかるもので、あまりされないようになりました。
しかしながら肉を見極める基本の一つとして必要なこの作業には、ナイフの使い方や焼肉などのカットの仕方などの大切な要素があります。
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また、覚えるには何度も何度も繰り返して取り組む必要があり大変なものがありますが、ここをしっかりと覚えることにより肉の善し悪しが理解できるようになってきます。
また、今回の商品化は、あくまでも一例で様々な用途がありますが商品を開発するうえで是非とも参考にしたいところです。
内モモ部位の分割(小割)
牛肉のうちももは、硬い部分と柔らかめの部分があります。
これらを分けてしまう方法が小割になります。
小割した部位によって商品に変えることが、大切なポイントになります。
「うちももかぶり」と小割します。
「うちももかぶり」と「うちもも」の境目がわかりやすくするため「うちももかぶり」の上面の脂肪を除去します。
「うちももかぶり」は肉が薄いので注意しながらはじめに「うちもも」との境目にナイフをいれ、「うちももかぶり」を上に引き上げるようにして、分割します。
「こもも」との境目にきたら、「こもも」との境目の薄いすじに沿って、分割します。
「うちもも」と「こもも」を分割します
部位を裏返し、「うちもも」と「こもも」の境目の薄いすじに沿ってナイフを入れ分割します。
この時、「こもも」は「うちもも」側に入り込んでいるので、形に注意して分割します。
内モモの商品化の例
カブリからロールロースト。大衆部位は弱火で焼く。
内モモの商品化で一番困るのが、カブリの処理です。
すじ、脂肪をトリミングし、柵どりして「赤身切り落とし」などもできますが、1枚、2枚の少量のカブリが出たときは、脂肪面を外に巻いて、ボリュウムいっぱいの「ロールロースト」にして提供してみてはいかがでしょうか。
味の方も、弱火でゆっくり熱を加えてやれば、ジューシーでおいしく焼き上がります。
ブロックのままでは大きすぎるというむきは、巻いてから厚さ1,5cm前後にカッティングすれば、値ごろ感のあるきれいなロールステーキとしても活躍します。
高級ではない部位をローストする場合は、弱火で焼くほうが良いです。
ロールロースト
トップサイドから分割したカブリを使ってロースト用を作ります。
コモモをカットし、表面の余分な脂肪、すじをトリミングします。
肉厚の部分をそぐようにして開き、全体の厚みを平均にします。
スクエアに整形してから、脂肪側を外側にして巻きます。
タコ糸でタイイングします。
ロールロースト
内モモのロースト
トリミングして5分割したうちももの柵どりをします。
ジェットホーンネットでタイイングすると、形のよいモモロースト用ができます。
タタキ用柵
5分割後の柵は2分するとミニステーキ用の柵になります。
このミニステーキ用柵をさらに2等分すれば、タタキ用の柵になります。
ビーフキューブ・カバブ
5分割の5の柵を使ってカバブを作ります。厚さ2cmでカットをします。
さらに角切りにカッティングし、野菜と一緒に串刺しにします。
まとめ
今回は、エムマート市場において記載される内モモの分割から小割と商品化を取り上げました。
肉質によっては、ほとんどがこま切れになってしまうことがある内モモです。
形がいいものの肉質的には、硬い部位と評価されがちな部位です。(カブリなどの端材がよくでる)
その硬い部位をどのように新たな価値をつけていくのが大切な部分となります。
もも系部位の中では比較的安い単価の部位になりますし、商品化の際には比較的形も整っていて見栄えが良いものになります。
また、赤身が濃くなりますが、栄養価の高い部位でヘルシーな訴求もできますので、是非とも活用していきたいところです。
硬い部位も柔らかくする方法など多くあります。
熟成やマリネ、味噌漬け、カッティング方法を調整するなどといった工夫により硬いものは、肉の繊維を切ってしまうかほぐすかなどの方法を用いれば簡単にできます。
牛肉の焼肉などに使えるソース・タレ・ドレッシング基礎のまとめ
ただし、細かく切れば切るほど酸化していき肉自体の傷みが早くなるので注意したいところです。
うちもも部位は、水分量も多く含んでいますので傷みやすいです。
あまり細かく切らずに商品として利用できやすいような今回の一例ですが、是非とも活用してもらえばと思います。
発色のタイミングさえあえばどのような品種でもよりよい見栄えで商品化が可能です。
牛肉は、知れば知るほどバラエティーのとんだものが沢山できますので、新たな発想や既存のものに手を加えるだけで様々な形や味わいに変化します。
ここが牛肉の醍醐味なのではないでしょうか。
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