牛肉の煮込みとカレー風味レシピ4選|ストロガノフ・シチューほか

牛肉ブロック

牛肉の煮込みや、カレー粉を活かす料理を増やしたい方へ、元の4つのレシピを紹介します。ビーフ・ストロガノフ、ビーフシチュー、スペアリブのカレー風味揚げ、チキンカレーソースで、すべてがビーフカレーという内容ではありません。

牛もも肉と牛すね肉では向く加熱の仕方が違い、鶏肉や骨付き原料では中心までの火の通りにも配慮が必要です。材料・分量は元の配合を残し、調理中の時間は安全を保証する固定値として扱わないよう補足しています。

目次

煮込みとカレー風味料理の使い分け

ダウンロード (1)

もも肉を拍子木に切ってソースにからめる料理と、すね肉をやわらかく煮込む料理を分けて考えましょう。カレー粉は風味付けにも使えるため、揚げ物や鶏肉のソースにも応用できます。ここでは新しいビーフカレーの配合は追加していません。

牛肉の部位を選ぶときの確認点

  • もも肉:筋の少ない部分を選び、切る方向と厚みをそろえます。必要な加熱を満たし、長く煮れば必ずやわらかくなるとは考えません。
  • すね肉:筋・結合組織と大きさを確認し、煮込みで狙う食感へ仕上げます。筋の除去量、加熱で減る重量、仕込み時間も考えます。
  • バラ・肩ロース等の応用:脂や筋の残り、規格を確認します。部位名だけで価格順や、いつでも安く手に入ることを決めつけません。
牛肉のまえすね

業務用では仕入kg単価に加え、整形後に使える量と加熱後の提供量、1皿の肉量で比べます。歩留まりは実際に量って記録し、原料代以外のソース・付け合わせ・加工費等も分けて計算してください。

元の4料理の材料と作り方

以下は元の配合です。特にスペアリブは畜種と何人分かの指定がないため、写真だけで決めず、使う原料の仕様を確認してください。肉・卵は中心まで十分に加熱し、作業途中で室温に放置せず、生肉用と加熱後用の器具を使い分けます。

ビーフ・ストロガノフ

ストロガノフ1

材料

牛もも肉(拍子木切り)・・・500g
玉ねぎ(2cm角切り)・・・1個
マッシュルーム(1/2切り)・・・100g
デミグラスソース・・・500cc
マデラワイン・・・50cc
生クリーム・・・100cc
バター・・・30g
塩・・・少々
コショウ・・・少々

《添え物》
フライドポテト・・・適量
にんじん(グラッセ)・・・適量
いんげん・・・適量

作り方

牛肉は塩コショウで下味をしてから、使用器具に合う火力で手早く炒め、清潔な器に取り出して保温します。続けて調理し、生肉用の器具を加熱後の肉に使い回さないでください。

ストロガノフ

鍋にバターをいれ、玉ねぎとマッシュルームを軽く炒め、デミグラスソースを加え味を整えます。

ストロガノフ2

牛肉を戻し入れ、全体にソースをからめながら煮込みます。軽くからめるだけで加熱を終えず、牛肉の中心まで十分に加熱してください。

ストロガノフ3

最後に生クリームとマデラワインを加えて仕上げます。この工程だけでアルコールが必ずなくなるとはいえません。アルコールを避ける方への提供は、配合と加熱条件を別に検討してください。

ストロガノフ4

料理のポイント

もも肉は部位内の筋や硬さに差があります。筋の少ない部分を選び、厚みをそろえて切り、必要な中心加熱を満たしたうえで煮込み過ぎによる硬さにも注意します。野菜を加える応用はできますが、下のすね肉のシチューとは加熱条件を分けて考えてください。

ビーフシチュー

シチュー1

材料

牛すね肉(5cm角切り)・・・2kg
玉ねぎ(乱切り)・・・2個
にんじん(乱切り)・・・1本
セロリ(乱切り)・・・1本
にんにく(乱切り)・・・30g
赤ワイン・・・200cc

《A》
デミグラスソース・・・2kg
トマトケチャップ・・・100cc
ローリエ・・・2枚

タイム・・・少々
ナツメグ・・・少々
サラダ油・・・適量
塩・・・少々
コショウ・・・少々

《添え物》
にんじん(グラッセ)・・・適量
フライドポテト・・・適量
ほうれん草(ソテー)・・・適量

作り方

フライパンに油を入れて熱し、牛肉を入れ、全体に焼色が付く程度炒めます。野菜も同様に炒める。

シチュー2

先ほど炒めたものを深い鍋に入れ、赤ワインで蒸してから《A》を加え、一度沸騰させてから火を弱め、アクを取りながら3時間くらいを目安に煮込みます。時間は元レシピの目安で、肉の大きさ・量・鍋で変わります。ときどき鍋底から混ぜ、中心までの加熱とやわらかさを確認します。

シチュー3

肉が柔らかくなったら、肉だけを静かに取り出します。

シチュー4

残りのソースは野菜と一緒にこし、弱火にかけてから表面に浮いた脂とアクを取り除き、味を整え仕上げます。

シチュー5

料理のポイント

  • 弱火でしっかりと煮込み、途中で脂とアクを丁寧に取り除いていく。
  • 煮汁(ソース)が煮詰まったら、ブイヨンで補うとよいです。
  • 牛肉の表面を炒めるのは、焼き色と香りを付けるためです。焼けば肉汁や旨味を完全に封じ込められる、というものではありません。

応用として牛のタン、テール、バラ肉も検討できます。ただし、皮・骨・筋・脂の状態が違うため、同じ下処理・時間で仕上がるとは考えず、原料ごとに条件を確認します。

スペアリブのカレー風味揚げ

スペアリブ1

材料

スペアリブ・・・5本
片栗粉・・・適量

《漬け込み液 A》
塩・・・少々
コショウ・・・少々
醤油・・・50cc
砂糖・・・20g
カレー粉・・・大さじ2杯
卵・・・1個

《添え物》
レタス・・・適量
パセリ・・・適量
レモン・・・適量

作り方

スペアリブは5cm程度にカットし、沸騰した湯で軽くボイルして、表面の脂とアクを取ります。これは下処理で、中心までの安全な加熱が済んだことを意味しません。骨付き原料の切断は適した設備・技術で行うか、カット済みのものを使います。

スペアリブ2

スペアリブに《A》を加えてよく混ぜ、清潔な容器に入れて冷蔵庫で20分以上を目安に下味を付けます。室温に置いたまま漬け込まないでください。

スペアリブ3

下味をつけたスペアリブに片栗粉を振り入れ、全体がぱさつく程度にかき混ぜます。

スペアリブ4

180℃に熱した揚げ油で揚げます。180℃は油の温度で、肉の中心温度ではありません。骨の近くも含め、中心温度75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱を確認します。表面の色や揚げ時間だけで判断しないでください。

スペアリブ5

料理のポイント

  • 下味は冷蔵庫で20分以上を目安になじませ、漬け込み液は生肉・卵に触れたものとして扱います。そのまま仕上げのソースに流用しません。
  • 下味用の漬け込み液が多い場合は、ある程度きってから片栗粉を入れます。
  • 応用として牛肉や鶏肉の骨付き原料を使う場合も、畜種、骨、肉の厚さに合わせて加熱条件を確認します。元のスペアリブは畜種と人数の指定がないため、牛肉・豚肉等や何人分かをここで補ってはいません。

チキンカレーソース

チキン1

材料

鶏ムネ肉・・・8枚
塩・・・少々
こしょう・・・少々
サラダ油・・・50cc

《ソース》
玉ねぎ(みじん切り)・・・50g
マッシュルーム(縦4つ割)・・・24個
バター・・・20g
カレー粉・・・大さじ1杯
白ワイン・・・100cc
ホワイトソース・・・800cc
生クリーム・・・200cc

《添え物》
ほうれん草(バターソテー)・・・適量
にんじん(グラッセ)・・・適量

作り方

鍋にバターをひき玉ねぎを炒めてから、カレー粉、マッシュルームと順次加えて炒めます。

チキン2

材料のサラダ油を使い、器具に合う火力で鶏肉の両面を、強い焼き色を付けないように炒めます。先ほどの鍋に移して白ワインを入れ、2~3分間を目安に蒸します。これは途中の工程で、鶏肉の中心加熱の完了を意味しません。

チキン3

ホワイトソースを入れ、10分間ほどを目安に煮込みます。肉の厚み・枚数・鍋で必要な時間は変わるため、ソースが沸いたことだけで加熱完了にしません。

チキン4

生クリームを加えて2~3分間を目安に煮込み、塩、コショウで味を整えます。提供前に鶏肉の中心温度75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の加熱を確認し、清潔な器に盛ります。

チキン5

料理のポイント

  • 鶏肉を炒めるときは焼色をつけないようにします。
  • 鶏肉は中心までの十分な加熱を優先し、そのうえで煮込み過ぎによる硬さにも注意します。

応用として、仕上がったものをグラタン風に焼き付けてだしてもよいです。

作り置きは、小分け・急冷・冷蔵と再加熱を管理する

カレー、シチュー、ソース等の煮込み料理は、加熱後でも保存の仕方によってウェルシュ菌による食中毒につながります。加熱で生き残る芽胞があるため、翌日もう一度煮れば、保存不備を帳消しにできるわけではありません。

  • 食べ切らない分は、大きな鍋のまま室温で放冷し続けず、清潔で浅い容器に小分けし、氷水等も使って速やかに冷却します。
  • 周囲の食品を温めないよう配慮し、速やかに冷蔵・冷凍へ移します。冷却の方法、調理量、保存温度と期限は施設の衛生管理に合わせ、固定の日持ちは設定しません。
  • 再加熱は鍋底までよく混ぜ、とろみのある部分や肉の中心まで十分に加熱します。一部の沸騰だけで全体の加熱完了にせず、必要な温度・時間を確認してください。
  • 適切に冷却・保存できなかったものや、状態に不安があるものを、再加熱すれば食べられるとは判断しません。

冷却・保存の考え方は農林水産省のウェルシュ菌予防の説明、肉の加熱と器具の使い分けは近畿農政局の調理時の注意点もご参照ください。

牛肉ブロック

まとめ

元の4料理は、もも肉を活かす料理、すね肉の煮込み、骨付き原料の揚げ物、鶏肉のソース料理という違いがあります。材料名と数量を確認し、肉の厚みと中心加熱、作り置きの冷却・保存まで含めて、メニューに合う原料を選びましょう。

煮込み用・炒め用など、メニューの用途と必要な加工負担を整理して仕入れを検討しましょう。業務用牛肉をお探しの事業者の方は、五十嵐商会のMマート商品一覧で、現在の用途・規格・ロット・不定貫重量・税込金額・送料・在庫・出荷日と到着見込みをご確認ください。

バナーは当社の商品一覧への案内です。掲載部位・内臓・完成料理や、スライス・小分け等の加工対応を保証するものではありません。Mマートは事業者・団体等を対象とする会員制の業務用市場です。購入者の利用条件をご確認ください。

参照資料

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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