食肉に関わる資格というものは様々あります。
また、もっておいたほうが良い資格もありますが、食肉においては資格をもっているだけでは必ず良いとも言えません。
知識に裏付けられた技術が必要です。
今回は、数ある資格の中で「食肉販売技術管理士」とはどういったものなのか?
- どこで取得可能なのか?
- 食肉販売技術管理士の効果とは?
- どうしたら取得可能なのか?
- 価格は?
以上についてご紹介していきます。
食肉のプロを育成する専門学校で取得する資格で得られるもとのは?
「食肉販売技術管理士」とは、食肉のプロを育成するために設立された『公益社団法人全国食肉学校』、通称FMAで一年間実技や知識を得て、卒業前の実技、学力テストに合格したものだけが得られる資格になります。
合格率は、当時で60%ほどと聞いております。
卒業生は、全国や海外でも活躍する食肉の超がつくほどのエキスパートで、活躍現場は大手企業や生産、卸、加工(ハム、ソーセージ等)、生産農家、有名な精肉店、など様々です。
また、食肉学校を卒業された方で飲食店など独立された方もおられます。
私もここで1年間過ごし、無事卒業することができました。
食肉学校を卒業することで大きく得られるものとは、技術や知識以上に人脈ができるところにあります。
私自身も食肉業界で行動する上で非常に助かっています。
食肉学校に入学する方々は、卸、生産関連、精肉店の次代の担う方々と大手企業や海外からもこられるかたもいます。
次代を担う若者たちが全国や海外からも集まり、共に生活し、共に技術や知識を学び、互いに成長していくことにより切磋琢磨しながら絆を深めます。
私の上司も食肉学校を卒業して何十年たってもお付き合いが続いている方もいます。
私自身が得たものは非常におおきいものです。
食肉学校での学ぶ知識や技術とは?
食肉学校は、私が卒業した時代では3つのコースに分かれます。
1年コース、半年コース、3ヵ月コースに分かれ、全て全寮制で共に生活しながらですが、必ず門限があります。
ちなみにバイトは禁止になります。
一日の過ごし方は、朝6時に起床し、早朝から皆でラジオ体操してからマラソン、朝食後午前中に勉強し、午後からは実技になります。
学ぶことは、食肉関連だけでなくマーケティングや経営など多岐にわたり、技術においては牛、豚、鶏を中心に脱骨から調理技術まで学びます。
教えていただける先生は、料理人や食肉関連の企業の実績をもった方。
それぞれの専門分野で活躍されたかたが多く、全国の様々な著名な業界のプロの方々からも教えて頂けます。
コースの中には、研修期間があり全国各地の有名な加工(ハム、ソーセージ)、卸、精肉店、デバート関連などの会社に研修することができ、1年コースにもなるとオーストラリアで研修があります。
牛や豚の脱骨などの技術の神様とも呼ばれる方もいました。(書籍もだされています)
監獄のような生活とキャラクターの濃い先生方という環境の中で精神が鍛えられ、集団行動で一人一人が磨かれ成長していきます。
また、一年の中で国内の卸売り、精肉店、加工などの研修先が設けられ、研修先にて実践を学びながら鍛えられることができます。
卒業後には、食肉のエキスパートとしての即戦力は間違いありません。
主席としては、「最優秀賞」「技能賞」などの表彰があり、知識や技術が飛びぬけておられる方もいます。
食肉販売技術管理士とは?
前述にもありましたが、この環境下の中で過ごし1年間のコースのみに食肉販売技術管理士を受ける資格が得られ、合格したものだけが「食肉販売技術管理士」という資格が得られます。
ちなみに合格率は、私の時で6割もいませんでしたので有資格者は、技術、知識はすごいものになります。
試験の内容は、食肉関連だけでなく原価計算やマーケティング、経営など多岐にわたります。
技術においては、脱骨、分割、整形、小割、スライスものやハム、ソーセージ、燻製ものなどの加工、調理技術と非常に幅が広いものとなります。
一般的にこれらを習得するには10年ぐらいはかかりますが、たった1年でできるようになります。
ただ、並々ならぬ努力は必要です。
また、資格合格者の中で最も優れている方に対しては、県下から表彰を受ける方もいました。
代表で4名まででしたが、それぞれの実力はすさまじいものです。
私自身も「技能賞」を頂きましたが、一年間は必死で努力しながらの獲得です。
正直あのようなことはもうできません。
価格ですが、食肉学校の1年間コースでは約200万はかかります。
大学並に強烈な価格でもありますが、全寮費用や食事代もすべてふくむ価格になります。
安いのか高いのかといいますと何とも言えませんが、知識や技術や人脈など得られるものは非常に大きいもの思います。
食肉学校卒業後は?
卒業してからは親元に帰るか、全国各地の著名な(提携している業態)ところにほぼどこへでも就職できます。
私は、関西の精肉店にいきましたが、本当の始まりはここからです。
実社会にもまれて結果や成果がでないと、学んだことが無駄になってしまいます。
修行先では、朝4時におきて夜遅くまで技術を学んでいましたし、時には焼肉弁当を作り、売り歩いていたこともありました。
商品開発もして、新たな「タレ」なども作っていました。
休暇なんてものはありません。
時間があれば全国各地で学びにいったこともあります。
生産農家で牛とともに生活していたこともありました。
何のために肉の業界に入ったのかわからない生活を送ったこともありましたが、常に自分に言い聞かせたのは「何をするのか」でした。
ですが、今では非常に良かった体験でもあります。
まとめ
少し話の内容に脱線しましたが、「食肉販売技術管理士」とは自治体が認める食肉のプロであることの資格です。
取得するには、食肉学校で1年間学び、実技ともに試験に合格したものだけが得られる称号です。
ですが、合格したからすごいというわけではありません。卒業後は「何をするのか?」が大切です。学ぶことは生きていく上で大切なことであり、学び続けなければなりません。
私自身も今でも学び続けています。
謙虚な気持ちで学び続けていきたいものです。
コメント
コメント一覧 (4件)
[…] 牛肉の資格【食肉販売技術管理士】とは?https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/2535/ご覧いただきありがとうございます。 食肉に関わる資格というものは様々あります。また、もっておいたほうが良い資格… エムマートで掲載中での国産の牛肉の選び方とは?https://gyuniku-igarashi.co.jp/gyunikuhakase/1913/ご覧いただきありがとうございます。 エムマート市場(食材卸売場)には様々なものが販売されていますが、特に多いの… […]
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上海で和牛の卸売を手掛けております。今後とも宜しくお願い致します。
安保健作様
コメントありがとうございます。
こちらこそ宜しくお願い致します。