肉料理といわば、すぐ西洋料理を思い浮かべるかもしれません。実際には、日本料理でも、牛肉の食味の特性を巧みに生かし、すき焼き、しゃぶしゃぶのような日本的な味わいを開花させています。
中国・韓国やアジア・中近東諸国でも、宗教的な禁忌食材である豚肉や牛肉を除き、食肉は貴重な食品であり、使われる香辛料や調味料に特徴があり、西欧では、農地を麦栽培と家畜の放牧を基盤とする農業形態下獣鳥肉類、乳、乳製品、油脂を中心とする料理が発達しました。
この料理の代表格がフランス料理です。
これらの素材は季節感が弱く、また、獣鳥肉類はそれぞれ特有の臭いがあり、これらを弱めたり、新たな風味を作り出すために、多種多様の香辛料や香味野菜がいろいろ使われ、多様なソースと組み合わせ、肉料理として調和させました。
名脇役の香辛料を合わせて食欲の増進を促すレシピ
各国料理の特徴についてあげますと日本料理は、新鮮な食材を生かし「目で楽しむ料理」、「医食同源」、「薬食一如」の食哲学ある中国料理は「味を楽しむ料理」、歴史をたどれば古代ギリシャに始まる西洋料理(フランス料理)は「香りを楽しむ料理」と称されています。
といっても、どの国の料理も香辛料や調味料の種類と使い方に差異があるだけであり、香辛料や調味料は料理の名脇役です。
香辛料と調理
香辛料の起源をたどれば、人類の狩猟とともに始まるといわれています。その後、15世紀後半に、マルコ・ポーロが肉の防腐効果のある胡椒を求めて東洋と貿易をしたということは歴史的事実です。
一般に、植物由来の乾燥した香辛料(スパイス)と生の野菜風のものを香草(ハーブ)と呼び、玉ねぎ・セロリ等を大量に使う場合は香味野菜と呼びます。日本・中国料理のの薬味と同様のものです。
香辛料の役割
香辛料の役割は、主に4つに分類されます。
第一は香辛料のもつ強い香りを料理につける賦香(ふこう)作用、第二は食品特有の臭いをマスキングする矯臭(消臭)作用、第三は辛味作用で、第四が着色作用です。
多くの場合一つの香辛料が幾つもの機能を兼ねています。
ローリエの特徴
マラソンやオリンピックのメダリストがローリエの冠を被っているのを見かけた方は多いと思います。
ローリエの木は、古代ギリシャ時代からアポロンの聖木といわれ、栄光の象徴ともいわれてきました。この花言葉は「栄光・勝利」。
ノーベル賞受賞者のことを英語でa Nobel prize laureate(laurel=ローリエ)というのも、この理由によるそうです。
その効果は消化促進や血圧を下げる効果、抗菌効果、冷え性の緩和があるといわれています。また、リラックス効果もあるといわれています。
ローリエなどを使ったロールキャベツ
材料
キャベツ・・・1個
ベーコン(スライス)・・・10枚
≪具≫
ひき肉・・・500g
玉ねぎ・・・200g
卵・・・1個
キャベツ・・・200g
塩・・・少々
胡椒・・・少々
ナツメグ・・・少々
≪スープ≫
ローリエ・・・一枚
ブイヨン・・・2000cc
塩・・・少々
胡椒・・・少々
水溶き片栗粉・・・少々
作り方
キャベツは芯をくりぬき、たっぷりの熱湯の中に芯を上にして入れ、回しながら外側から順番にはがして冷やす。
ボウルに具をいれて練り合わせ具を作ります。
キャベツの厚い部分をそぎ取り、小麦粉をふり、具を50gのせ両端に折込巻き込みます。最後にベーコンを巻き付けて楊枝でとめます。
鍋にロールキャベツを並べ、ブイヨンとローリエ、塩、コショウを加えて30~40分煮込み、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけます。
ポイント
- キャベツをゆでて小さくなったものは、きざんで具の中に混ぜ込むとよいです。
- 仕上げの艶出しに水溶き片栗粉でとろみをつけると見栄えがよいです。
煮込むとき、鍋に隙間なく並べることにより煮崩れを防げるようになります。
応用
ブイヨンの代わりにトマトソースを使用してもよいと思います。
まとめ
ナツメグの多量摂取はあまりよくありませんが、このナツメグの効果にも食欲増進や胃腸の機能の働きをよくする役目があります。
香辛料には、味に変化が生まれ、おいしく感じさせたり食欲を増進させる効果があり、独特の臭みを持つ食材に対しては、臭み消しとして利用されます。
以上のことから、世界各地の肉料理には各種の香辛料が使われ、それは人間と食肉と気候風土がおりなした結果です。その取り合わせを好ましく、おいしいと感じている事実と、香辛料が各種の機能成分を含有していることは注目に値します。
ただ、大切なのは使用する際に注意が必要なものがあり、よく知識を得てから使用しとほうが良いと思います。
また、研究の不十分で香辛料の健康への効果は、まだ明確なものがありませんので効果、効能については保証するものではありませんが、香辛料は非常に良い役割がありますので、使用してみるのもよいかもしれません。
定番のレシピでしたが、ぜひためしてみるのも良いと思います。