牛の個体識別番号とは?調べ方・分かる情報と仕入れ時の確認点

牛肉のラベルにある10桁の個体識別番号は、その牛の生産履歴を調べる手掛かりです。番号があるだけで味・格付・投薬履歴や購入後の安全性まで分かるわけではありません。何を確認したいのかを決めて、表示・検索結果・取引記録を合わせて確認しましょう。

目次

個体識別番号は何のためにある?

トレーサビリティは、食品や原料がどこから来て、どこへ渡ったかを記録でたどれる仕組みです。問題が発生した際の追跡・遡及や原因調査、回収対象を確認する助けになります。番号の表示と、実物・伝票・履歴が正しく対応していることが重要です。

農林水産省の牛・牛肉トレーサビリティの説明では、BSEのまん延防止措置の的確な実施と個体識別情報の提供促進を目的として、牛を一元管理し、生産から流通・消費まで番号を伝える制度が説明されています。これは将来導入される仕組みではなく、既に運用されている制度です。

BSE問題の当時、私は群馬県で「枝肉単価が1kg50円でも売れない」という話を聞きました。これはその時の聞き取りによる経験談で、現在の全国相場や一般的な取引価格を示す数字ではありません。表示と記録が信頼につながることを考えるきっかけになりました。

検索で分かること・分からないこと

確認したい内容検索結果の見方
出生・移動履歴出生または輸入年月日、飼養地の都道府県・期間、と畜等の年月日などを確認する
牛の種別など雌雄、牛の種別、母牛の番号など、公表対象の届出情報を確認する
管理者の名前・詳しい所在地公表への同意の有無などで表示範囲が異なる
病歴・投薬・味・購入後の衛生一般公開の番号検索だけでは確認・保証できない。必要な資料や商品条件は販売者に別途確認する

家畜改良センターの制度・公表事項の説明に、公表される情報と同意を得て公表する情報の区別があります。出生・移動等の届出に基づく検索であり、個々の肉の検査証明書や品質保証書ではありません。

ラベルの番号を調べる手順

  1. ラベルや納品書の10桁の番号を確認し、先頭の0を省略しないように控えます。
  2. 家畜改良センターの牛の個体識別情報検索サービスを開き、利用上の注意に従って番号を入力します。
  3. 表示された牛の種別・履歴と、購入した商品の説明を照合します。ロット番号で管理されている商品は、販売者に対応する個体識別番号の確認方法を尋ねます。
  4. 不一致や番号不明の場合はラベル・伝票を保管し、販売者へ確認します。検索できないことだけで偽装や安全性の問題と断定しません。

すべての牛肉製品が同じ表示対象ではありません

国内で飼養される牛と、その牛に由来する法の対象の牛肉を追う制度です。対象の枝肉・部分肉・精肉を販売する事業者には、番号の表示や帳簿の備付け等が求められます。輸入された牛肉や、舌・ひき肉・くず肉、コンビーフなど製造・加工・調理したものは、この制度の特定牛肉の対象から除かれます。内臓などを精肉と同じ扱いにしないことも大切です。

特定料理の焼き肉・しゃぶしゃぶ・すき焼き・ステーキを提供する事業者にも、制度上の表示・帳簿の義務があります。料理名だけで全飲食店の全メニューに同じ義務があるとは考えず、対象原料・営業形態と公式資料を確認してください。牛トレサ法の対象外でも、食品表示法や食品衛生法等の別の義務がなくなるわけではありません。

消費者が購入のたびに検索することが、事業者と同じ法律上の義務という意味ではありません。消費者は表示を確かめるために利用でき、事業者は仕入れ・販売時の番号と数量・取引記録の対応を適切に管理する必要があります。

番号の記録とHACCPに沿った衛生管理は役割が違う

厚生労働省のHACCP制度の説明では、2021年6月1日から、原則すべての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理に取り組む制度となっています。一部の対象外や営業規模等による扱いがあるため、業種別の手引書と管轄の保健所の案内を確認します。

トレーサビリティは原料や取引の履歴をたどる仕組み、HACCPに沿った衛生管理は工程の危害要因を考え、計画・実施・記録・見直しを行う取組です。どちらか一方があれば、温度管理・交差汚染対策・加熱確認を省略できるものではありません。

仕入れ時には表示と現物・記録を合わせて確認

業務用の仕入れでは、原料の品名・種別・原産地、番号やロットと伝票の対応、受入温度、期限・包装、商品規格を確認します。特定の記録や検査を当社が独自に実施していると推定せず、必要な資料がある場合は取引前に出品者へ確認してください。

まとめ

個体識別番号は、牛の生産履歴や取引の対応を確認する手掛かりです。検索で分かる情報と、商品ごとに別途確認する品質・衛生条件を分け、表示と現物・記録を照合して仕入れや購入に役立てましょう。

仕入れる前に原料規格を確認

部位名だけでなく、原料ブロックか加工済みか、冷蔵・冷凍、不定貫重量、注文単位・最低ロット、税込・税別、送料、期限、発送日と到着見込みを商品ごとに確認してください。希望する在庫・規格・納期が不明な場合は、注文前に出品者へお問い合わせください。

個体識別情報と商品規格を確認して国産牛原料を選ぶ

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五十嵐商会では、国産牛ホルスタイン経産牛を中心に、飲食店・精肉店・惣菜製造業者・食品メーカー向けの業務用原料を取り扱っています。

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この記事を書いた人

食肉販売技術管理士。 食肉のプロを養成する学校で「技能賞」を受賞後卒業。関東、関西中心に全国各地で食肉の技術と知識を学ぶ。 国産牛卸の(株)五十嵐商会にて、品質管理室室長を務め、牛の捌きを10年で5万頭の経験。現在は五十嵐商会(株)代表取締役。

近年では、NHK「あさイチ」に出演。「関西じゃらん」の特別付録にて牛肉の寄稿・監修も。

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